『不謹慎 酒気帯び時評50選』THE HOTTEST TABLE TALK SERIES:2010-2012 読了

不謹慎 酒気帯び時評50選

不謹慎 酒気帯び時評50選

ボーツー先生を読もう!シリーズ
装丁/藤川コウ(サエラ)
写真/山川修一
   山田耕介
   難波雄史

<既読文壇アウトローズ>
2015-11-07
『革命的飲酒主義宣言 ノンストップ時評50選!』 (SPA!BOOKS)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151107/1446900783
2015-10-18
羊頭狗肉 のんだくれ時評65選 SHEEP'S HEAD - DOG MEAT』 (SPA!BOOKS)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151018/1445097600

この巻を読めば、石丸元章*1降板の詳細とかふたりのそれに対する感傷とかが、
分かるかと思いましたが分かりませんでした。連載が東日本大震災時にさしかかり、
3.11 に関するふたりのなまなましい感想があります。が、節電とか特になく、
どっちかというと、民主党政権菅直人から野田へ至る、当時の流れの中で、
誰が当時どのように揶揄されていたか、誰が何をやらかしていたか、
の断片的な事象の羅列があります。…このシリーズ、無礼講も読むかな。

無礼講 酒気帯び時評55選

無礼講 酒気帯び時評55選

このシリーズの詳細は、ほかの方のはてなダイアリーにありました。

http://d.hatena.ne.jp/YokoiMoppo/20170201/1485974296

以下後報
【後報】

頁3 まえ談
福田 坪内さん、もうネット見なきゃいいじゃん。ワタクシ、自分の評価なんかまず見ないよ。
坪内 「坪内祐三 バカ」とかで検索すると面白いからさ……。

映画酒中日記のトークショー行った時、私も予告見て、
痩せてるのにおなかぽっこりはやばいと日記に書きましたが、
連続飲酒でそうなってる状態を危惧する声が多かったのか、
これは新宿で刺された時の傷でふくらんでしまってるんだよね、
と、まず挨拶代わりのひとことがあったのを覚えています。

2015-04-03 映画『酒中日記』劇場鑑賞&トークショー観覧
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20150403/1428016760

頁11、2010年11月。福田和也ニューオリンズに行ったとのことで、
昼間からみんな酒飲んでるとか、葉巻吸いながら街中歩いてるとか、
バーで飲み残しのジンフィズとかをビニールのコップに入れてくれて、
飲みながら外歩けるとか、凍らせたウォッカに常温を注ぐ飲み方とか、
が、紹介されてます。で、欲望という名の電車の登場人物は、八割が、
アル中だったという話になり、杉村春子の芝居見たことありますが、
そうだったかなーと思いました。作者のテネシー・ウィリアムズは、
酔って、ボトルのキャップを喉に詰まらせて死んだとのことで、
ボーツー先生は、気をつけなくちゃと言ってますが、そんなことあるのか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA

失敗したアメリカの中国政策―ビルマ戦線のスティルウェル将軍

失敗したアメリカの中国政策―ビルマ戦線のスティルウェル将軍

頁23、2010年11月。上記の本は読んでみようと思います。

頁29、2010年11月。江國香織『抱擁、あるいはライスに塩を』
福田和也のこの年ベストだそうなので読んでみます。
それまで絲山秋子『妻の超然』がベストだったのを抜いたとか。
ばかもの作者の超然は読みましたが、そんなすごかったかな…

2016-09-30『妻の超然』 (新潮文庫)読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160930/1475208566

頁32、2010年12月。ウヨサヨの違い奈辺にありや、で、福田和也提唱、
女にダマされる人は右。女ダマして、ダマしてないふりする人が左。
これがすごくしっくりきました。天城山心中とか不器用すぐる。
陰謀説もあるわけですけど…

頁41、2010年12月。海老蔵の半グレ。りおん。ボーツー先生が、
勘三郎と飲んでケンカになって、翌日留守電に「ゴメン」と吹きこまれてた、
思い出を披露してます。ここで紹介されてる沢村貞子『貝のうた』読んでみます。

頁58、2011年1月。苦役列車映画化。石丸元章の注釈に、
前田敦子が風俗嬢役でないので西村賢太大ガッカリ、とありますが、
柏木由紀に出てほしかったと報道されてた記憶があります。
後者の名前覚えてなくて今検索しまして、元メンバーばっかり見て、
いないいないと思ったら、まだ卒業してなかった。イチロー。上原。
こないだ若い人の会話を聞くともなしに聞いてると、
「でも元メンバーで名前聞くのって、川栄くらいじゃないですか」
「そうっすよね」
そうなんでしょうか。最近競馬番組でこじはる見ました。
「たかみな」とか渡米留学とか、板野サーカスとか、群像。

頁89、2011年3月。羊頭狗肉だか革命的飲酒主義宣言だかでも紹介されてた、
下記が紹介されてます。まだ読んでません。読まないかな。

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道

倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道

倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道

頁90の下記は読んでみようかと思います。
ゲバルト時代 SINCE1966-1973 あるヘタレ過激派活動家の青春

ゲバルト時代 SINCE1966-1973 あるヘタレ過激派活動家の青春

ゲバルト時代 Since1967?1973 (ちくま文庫)

ゲバルト時代 Since1967?1973 (ちくま文庫)

バジリコからちくま文庫なんてルートもあるんですね。多様性の時代。

頁99、2011年3月。前原前外相(当時)への在日コリアン献金問題。
京都で焼肉屋で、追及した人も選挙区京都という濃厚な京都風味。
ボーツー先生が、金本知憲姜尚中献金したらどうなるのかとか、
張本勲王貞治の名前出してて、王さん日本国籍とってなかったっけ、
石丸のチェック漏れかと思ったらとってませんでした。検索して了解。

頁103、3.11直後。阪神淡路以後の宮本輝村上春樹について言及。
佐伯一麦の名前が出ます。伊坂幸太郎熊谷達也伊集院静(そうでしたっけ?)
高橋克彦

頁100、3.11直後。武田泰淳は飲まないと書けないタイプ、
島田雅彦は飲んで書くタイプ、とあります。

頁126、2011年4月。福田和也が、福島原発はGEと言ってますが、
それは三号機まで。四号機から六号機は、時代も違うし、ちがう。

頁151、2011年5月。映画「マイ・バック・ページ」について。

マイ・バック・ページ - ある60年代の物語

マイ・バック・ページ - ある60年代の物語

小熊英二がこの映画の時代考証を褒めたことについて疑念。
荒井晴彦と桂秀実が映画芸術でヘルメットのトロ字について言った、
そういうレベルじゃいかと会話してます。どうでしょうかね。

頁158、2011年6月。
福田 石破以外だと、河野太郎もいいね。ほとんど狂ってて、何しでかすかわからない。
坪内 原発問題についても、一人で自民党に盾突いて脱原発でヒートアップしてるでしょ。
福田 あのメガネ見るだけで、こいつ変だ、ってわかりやすくていいよ。
坪内 オレは登山家の野口健くんと見分けがつかないんだけど。

アトピーとかいろいろ違います。今回の組閣から経ちましたが、
掌中の玉であるイナダサンとかがああいうこころない仕打ちにあったので、
この人ならいーよ、どーぞどーぞという意味で国家公安委員長も歴任した、
太郎登板だと思ってるのですが、常に予想の斜め上なので、思うようにアレだ、
という現状だと思っています。でも小泉純一郎の破壊力はないんですよね。

頁164、2011年6月。キース・リチャーズ自伝ライフ。ボーツー先生が、
薬物中毒なのに言ってることまともって言ってますが、どうかなー。
グラム・パーソンズの26歳OD死にも触れてます。

ライフ

ライフ

同じ回で、ジュリアナはバブル崩壊以降に出来た店だから、
バブル回想でジュリアナの映像使うな、との指摘があり、
ごく納得しました。ヴェルファーレはさらにその後で、
さすがにヴェルファーレは使われないと。で、トゥーリアの名前が、
出るんですが、マハラジャが出ないのが不思議でした。
全国津々浦々何処の地方都市に行ってもあったのに、如何なる大人の事情か。
あと、キサナドゥという名前が懐かしかった。新宿のローリングストーンは、
出ません。

頁186、2011年8月。ノルウェー77人殺害。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E9%80%A3%E7%B6%9A%E3%83%86%E3%83%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6
完全に忘れてました。月日ははくたいのくわかくにして。
ボーツー先生が、山口瞳三島由紀夫自決時のコメント、
「戦争は人を殺すけど、平和も人を殺す」を紹介。
あとは、北欧は意外とアレですよ、とか極右政党があるほうが安全、
とか、そういう談義。佐伯一麦『ノルゲ』紹介。

ノルゲ Norge (講談社文芸文庫)

ノルゲ Norge (講談社文芸文庫)

頁213、2011年10月。コータリンくも膜下出血
福田和也によると、青山にいい漢方薬局があって、
黄連解毒湯を毎日飲んでると血圧が下がるんだけど、
紹介しても誰も行かないんだそう。同じ回で、ロンドン暴動、
ロンドン・コーリングについて触れていて、マークス寿子のルポがあって、
このときまだブレイディみかこは売り出し前だったのかと思いました。
ブラックベリーを「スマホ」と書いていて、そうだったっけ、
と思い検索しましたら、スマホでした。ノキアモトローラとは違うのか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/BlackBerry

頁235、2011年11月。香川照之市川中車三田寛子の名前が出て、
それはいいですけど、近藤サトの名前が出て、はっとしました。
漫画のほうの『僕らはみんな生きている』で、会話のないリーマンが、
ビール飲みながらニュース見て、とりあえず、
近藤サトいいよな」「ああ、近藤サトいいな」
って言う場面があります。一色伸幸山本直樹は好きだったんでしょう。

頁244、2011年11月。大王製紙。溶かす。コムスンとの比較有。
ボーツー先生が吉行淳之介の意見紹介して、作家は博打やるけど、
批評家はやらない。小林秀雄しかり、河上徹太郎しかり。
批評自体がバクチなので、私生活までやらんでいいと。なるほど。
だったら批評に取り組めば打たない一日が送れるのかどうか。
でも、批評は身近な人間への誹謗中傷とはちがう行為です、まずそこから。
この回は、オリンパスニコンキヤノンの比較もあり〼。

頁252、2011年11月。重松清を交えて鼎談。
ボーツー先生がマイルストーンを作ったとは知りませんでした。
春の学内全サークル紹介号で、一年の出版活動費用を賄うサークル。
だったという記憶です。それ以外の號は文芸誌だったかと。
それとも、必勝科目ガイドで食ってたんだったかな。忘れました。
当時のバイト情報誌同様、掲載した内容への責任はもちませんと。
掲載内容と実際の可否は利用者が判断してけさいだったと。
レッドバ…なんとかいろいろインカレはありましたが、
のちのスーフリとかみたいなひどいことは、あったかどうだか。
新興宗教とか政治の隠れ蓑サークルに関しては、クラスやほかのサークルで、
積極的に情報収集しなければならず、また当たり前のようにそれは当然、
出来ていた時代だったと思います。いや、かいかぶりかな。
全然関係ありませんが、稲村亜美始球式事件の報道読んで、
ヒロスエ初登校を思い出しました。最高学府で似たようなモンだったと。
見てませんが。
https://rocketnews24.com/2018/03/12/1030961/

頁268、2011年12月。談志訃報。下記紹介があり、読もうと。

談志楽屋噺 (文春文庫)

談志楽屋噺 (文春文庫)

頁275、2011年12月。哀悼企画第二弾で、ボーツー先生が、
エイミー・ワインハウスを、「緩慢なる自殺」と評してます。
確かに、まんま酔生夢死だった。なぜそうなったのか。

2016-10-20『AMY エイミー』(原題略)劇場鑑賞
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20161020/1476982151

頁280、2012年1月。オノ・ヨーコ指名で、ジョン・レノンの、
代打セフレになったという中国人、メイ・パンの手記は、
読もうと思いました。

ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド Instamatic Karma

ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド Instamatic Karma

同じ回で、真山青果がに三田村鳶魚宛てた禁酒のハガキを、
福田和也が額装して家に飾ってあるという自慢話があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E5%B1%B1%E9%9D%92%E6%9E%9C
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%94%B0%E6%9D%91%E9%B3%B6%E9%AD%9A

頁296、2012年1月。ポランスキーの映画ゴーストライター紹介。
佐藤優ムーミン面で、目立つからスパイやりにくいとの意見。

頁298、2012年2月。下記本、今読むとタイムリーだと思います。

父・金正日と私 金正男独占告白 (文春文庫)

父・金正日と私 金正男独占告白 (文春文庫)

頁299
福田 前も言ったけど、正男を囲ってる中国が、正恩がコケたら正男を投入する、北朝鮮の改革開放をやらせる――という可能性は、今でも50%くらいあるんじゃないかな。つまり、正男が北朝鮮トップになるという線は消えてない。本にも出てくるけど、正男の言い分は「北朝鮮も改革開放をやらなきゃいけない」で、完全に中国路線でしょ。

頁300
坪内 あと本に書いてあって面白かったのは、カダフィが核を手放した途端、アメリカにとってリビアは脅威ではなくなって、一気に潰されちゃった、と。核を手放せば経済封鎖をやめる、というアメリカの策略に乗って失敗した、と北朝鮮指導部は見てるのね。

最近の報道も忖度して鑑みて面白いですが、
正男の銀座のいきつけのおでん屋お多幸は私もいろんな文人の本で読んで、
へーとかほーとか思ってたので、なんとも言えまへんなと思いました。

頁310、2012年2月。九段会館取り壊し云々。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E6%AE%B5%E4%BC%9A%E9%A4%A8
フォトジェニックな風景との石丸紹介文がありますが、
このころまだインスタグラムはなかったと思います。いいね!

頁326、2012年3月。吉本隆明逝去。ボーツー先生が珍しく、
朝日が花田紀凱清輝との芸術論争について書いた記事、
そもそも芸術論争ってなんだよ、お得意のワイプしないで呉、
と書いてます。文ちゃん。芸術問題でなく転向問題だろう、と。

巻末に、対談10年で語られた本からセレクトして、100冊載せてます。
西村賢太のけがれなきへどでは、ボーツー先生が無名時の北町寛太を、
古書業界では有名なトンデもない人、と書いていて、そりゃそうだ、
どう居心地がいいのか分からないが、ハングレがひとり居着いてるようなもんだし、
と思いました。どこの業界でもそういうことは、ある。
絲山秋子のばかもの激賞してますが、映画には触れてません。
主演男優のその後の時には、もうこの対談企画なくなってるのかな。
本田靖春山本七平梅棹忠夫は読んだと思います。きだみのるも、
読んだはずですが、思い出せません。そんな感じです。以上
(2018/3/13)