ボーツー先生を読もう!シリーズ
- 作者: 坪内祐三,福田和也
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2010/12/02
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- 作者: 坪内祐三,福田和也
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『羊頭狗肉 のんだくれ時評65選 SHEEP'S HEAD - DOG MEAT』(SPA!BOOKS) 読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151018/1445097600
上記類書と本書でだいぶ違いますが、構成の石丸元章*1の色だと思います。
その人知らなかったので今Wikipedia読んだだけですが、そうと思います。
羊頭狗肉でおざなりに「これでいいのだ、また来週!」となってる〆文句が、例えば、
頁79 VOL.010 2009.08
―――というわけで、のりピーの子供も尿検とか受けるのだろうか? で、あぶりによる受動陽性……まさに覚家族。なんてことがないことを、強く強く、健全児童の保護育成の見地から願うのであった。文壇アウトローズの世相放談、今週はこれまで!
こういうのもウリの連載だったんですかね。それが何故なくなったかは、
本書と羊頭狗肉の間に出版された『不謹慎 酒気帯び時評50選』も読まないと分かりません。
本書は、対談場所の飲食店のガイドとしても読めるよう工夫されていて、
御成門の燕楽*2のカツカレーなどは行ってみたいと読んで思いました。
で、そのあと食べログで口コミ見て、店主が変わったことや暖簾分けのお店を知り、
別の考えに移行しました。移り気な消費者。下記も行きたかったですが、検索で閉店確認。
【閉店】ガンバルジョ(GAUMARJOS!)食べログ
http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13050194/
羊頭狗肉は本の紹介が少なくて助かりましたが、このふたりが紹介してないわけないので、
編集が削ってただけなんだな、と、本書のムダな大量紹介を見て思いました。
頁11 日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争
日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争
- 作者: 速水融
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2006/02/25
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ガマの聖談―南喜一の風流夜話 (FUKUROU BOOKS)
- 作者: 南喜一
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- 作者: 佐野眞一
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完本 カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈下〉 (ちくま文庫)
- 作者: 佐野眞一
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- 作者: 清水幾太郎
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- 発売日: 1990/01
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- 作者: ローレンスライト,Lawrence Wright,平賀秀明
- 出版社/メーカー: 白水社
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- 作者: ローレンスライト,Lawrence Wright,平賀秀明
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- 作者: 加藤和彦,安井かずみ
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- 作者: 双葉十三郎
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- 作者: 岳真也
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- 作者: 奥村彪生
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【後報】
- 作者: 鏑木清方
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http://www.aozora.gr.jp/cards/000065/files/4400_12067.html
2009〜2010は、近い過去ですが、現代の情報量は完全に個々の処理能力を超えてますので、
下記など、はっとさせられます。
頁35
坪内 民主党に、40代ぐらいの女性で、論客で、それなりにキャラの立ってる人がいたら、そこを売り出していって、一点突破できると思うんだけどねえ。
福田 ……勝間だな。
坪内 勝間だよ、勝間和代。
福田 民主党の女性議員が弱いのは、やっぱり組合が強いからだよね。結局「連合」は男中心だから。日本ではトラディショナルな左翼が、一番女性差別してるわけでしょ。
勝間和代 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E9%96%93%E5%92%8C%E4%BB%A3
なんとなく私の中ではこの人は、ひろゆきに敗れた人という印象ですが、
詳細全然覚えてません。検索もしない。近況で雀士になっていて、ビックリ。
頁240
福田 ベネッセは、あの規模の企業としては、めちゃくちゃよくやってるんじゃない? 瀬戸内海に浮かぶ直島に、ベネッセが'90年代からつくっている「アートサイト直島」――あれは一番いい投資してるよ(美術館、ホテル、レストランなどを併設。現在も拡充している)。2004年に直島につくった、安藤忠雄の地中美術館はすごいですよ。ヘタしたら、平成の建築で残るのは、あれだけになるかもしれない。ベネッセは、「赤ペン先生(通信添削)」で、あれだけの文化事業をやるんだから、一番偉いよ。
ベネッセは、派遣とか委託とかに、寝首をかかれて、破れた。気がします。
頁52、三沢の死。ここも、はっとした。
頁145
中川昭一は、禁酒なんか
しなけりゃよかったのに
坪内 あと中川昭一の死もショックだったなぁ。オレ、昭ちゃんが好きだから。あの日、散歩に出かけたら世田谷警察の前に人が集まってて、なんだろう?と家に帰って12時のニュース見たら「中川昭一死去」。家もわりと近くなんだよ。『東スポ』によると、「近所のコンビニで酒を買い込んで、『酒を飲んでもいいじゃないか。人を殺すわけじゃなし』と公園で叫んでいた」とか書いてあって。
福田 朦朧会見のあと、禁酒なんかしなきゃよかったのに。2回ほど鮨屋で見かけたけど、とってもいい酔っ払い方だったけどねえ。
坪内 福田さんの、その「鮨屋で」評価って揺らがないよね。
保っていた何かが、崩れるスピードは急速と思います。
抗うつ剤とかの併用についての本*3を読んで思ったことです。
頁146
福田 中川は、やっぱり「YouTube」がよくなかったよ。酩酊会見を繰り返し見られて。
坪内 福田さんにしてもオレにしても、飲んでるところを動画に撮られて、それをネットで繰り返し見られたら、完全におかしい人。昭ちゃん以上に、変なことやってる。
福田 あの朦朧会見だって、外国メディアは本当に騒いでたの? だって、日本の外務大臣が何しようと、外国人は関心ないでしょ。
坪内 外国人にとっては「オモシロ映像」だったんだよ。日本人は真面目で堅いと思ったら、こんなイタリア人みたいなヤツがいるぜ!っていう。
クールジャパン。飲んでしまった後、どう立て直すかは自分ですが、
ひとりでは難しく、けれど、飲まないと大見え切ってしまうと、飲んだ後恥ずかしくて、
相手(周囲)は何とも思っていないのに、勝手にナイーヴになって、顔を出せなくなる、
このあたりのジレンマがもどかしいです。
下記はアイリーン・チャンのラスト・コーションに関するコネタ。
頁178
福田 男役のモデルの一人になった胡蘭成は実在していて、原作小説の作者と香港時代に結婚してるんですよ。で、戦後、日本に亡命してるの。汪兆銘(南京の親日政権)に関係してた中国人って、けっこう終戦間際に日本に逃げ込んでるんですよね。昔、芝公園近くにあった中華料理店の「留園」をつくったのも、汪兆銘関係者。それまで世話になった日本人、岸信介なんかが、カネ出して不動産買ってあげたりしてさ。胡蘭成はインテリでね、以前京都。高台寺の「和久傳」で、すごくいい万葉仮名の掛け軸がかかってて、「これいいですね」とか言ったら、胡蘭成の書だって。え、中国人に万葉仮名をここまで書かれちゃっていいのかよ、みたいな。
いいんじゃないでしょうか。万葉仮名漢字だし。
頁196
福田 PKOで外国に連れていく兵隊の選び方を、以前聞いたら、すごく面白くて。まず3週間のキャンプをやって、絶対禁酒を命じるわけ。そこでルールを破ったヤツは除外。そのあと2週間、今度は飲み放題にするんだけど、その期間に飲み過ぎて酔っぱらったヤツもまた除外。飲まなくても我慢できるし、飲んでもほどほどで、荒れない兵隊さんを選ぶ。海外はリスクが大きいから、酒も含めていろんなことを試して選んでいくんだよ。
坪内 なるほど〜
福田 ちなみに、4〜5年前から、PKOが“本務”になったでしょう。これまでは志願制だったけど、今は命令されたら行かなきゃいけない。後略
ここを読んで、ひとつ腑に落ちたのですが、それが何かは書かない。
頁218
福田 まぁ、谷垣を担いだ時点でダメでしょう。闘う人の顔じゃないもん、あの人。たとえ狂ってても、河野太郎とか、ああいうヘンな緑色のメガネで、「こいつ何するかわかんない」という凶暴な感じがないと。
坪内 だからオレは自民党総裁に河野さんを推してたじゃん。
バカみたいに2大政党制をデッチあげようとマスコミが躍起になって、
結果民主党が一度政権獲った時代の対談なので… 谷垣が空手やってたとか、
ふたりが知ってて書いてたか不明。太郎のメガネは、云わずと知れたベルマーレカラーで、
上戸彩プロデュース製品なので、太郎は会う人ごとに、
「(彩ちゃんの)ファンなんですか?」と見当違いのことを聞かれたとか。
確かフレームがちょっと壊れても、セロテープで補強してかけてたと聞いた気もしますが、
そこは模造記憶かも。最初のJ1昇格時のシンポジウムで聞いた話なので、
クラカンと違って書いてもいいだろうと思い、二人に伝われと思い、書きました。
頁285、朝鮮通信使についての福田和也の認識は、甘いと思いました。
- 作者: 夫馬進
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2015/02/28
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頁302
福田 石川好って、作家というよりもフィクサーだからね。今は基本的に、中国フィクサーですよ。中国ルートはホント、太く持ってる。
坪内 へえ。アメリカのルポ書いてた人なのに、いったい何を目指してるのかね。
福田 石川好はすごいよ。今もパソナとかに絡んでるでしょ。パソナが作った仮想内閣「パソナ・シャドーキャビネット」の官房長官だとかいって。前に、フィリピンで山下奉文の宝が見つかりそうだから行ってくる、とも言ってた。
二人も本文で、週刊誌的なネタはウェブの上書きで消されるべきでなく、
しぶとく残って後世に往時の風俗やものの考え方を伝えられるようにしなければ、
と言っていて、それは同感で、だからアマゾンのコメントで、
読まれたくない読むな讀むなとボコボコにdisられてるのも納得な、一冊でした。
ボーツー先生は、あと2冊とりあえず読みます。以上
(2015/11/9)