『名短篇ほりだしもの』 (ちくま文庫)読了

名短篇ほりだしもの (ちくま文庫)

名短篇ほりだしもの (ちくま文庫)

著者一覧は下記出版社のサイト参照願います。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480427939/
地元図書館のサイトには、各作品タイトルとページが載ってますが、URL記しません。
私はそれで、石川桂郎のカミソリ小説がこれに収められていることを知り、
借りることが出来ました。ケイロウが鶴川在住の乱飲俳人と聞き、
少し読もうと思ったので。でもこの本で、ケイロウの感想は特にないです。
出版社の内容紹介で略されてしまうのもうなづけないではない。
「舗」という単語の読み方を調べたくらい。「みせ」ですかね。

舗(ホ)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E8%88%97-626704

中村正常とオダサクにやられた、気分です。このふたりが一番よかった。

頁329 織田作之助「天衣無縫」
私ははじめてあの人を折檻した。自分がヒステリーになったかと思うくらい、きつく折檻した。しかし、私がそんな手荒なことをしたと言って、誰も責めないでほしい。私の身になってみたら、誰でも一度はそんな風にしたくなる筈だ。といっても、私の言ってるのは、何もただ質入れのことだけじゃない。あの人は私に折檻されながら、酒をのんでるわけでもないのに、いつの間にかすやすやと眠ってしまった。ほんとうにそう言う人なのだ。それを私は言いたいのです。結果があとさきになったけれど、誰だってそんな風に眠ってしまうあの人を見れば、折檻したくなるではないか。