『クローディアの秘密』読了

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

From the Mixed-Up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler (English Edition)

From the Mixed-Up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler (English Edition)

読んだのは1969年刊のハードカバーです。
ニューベリー賞受賞時の本人スピーチが訳されてついてるのが、これだけだったので。
町田ことばらんどの下記告知を見て、グィンは知ってるけどこの人は未読だったので、
まず一冊読みました。

町田市民文学館ことばらんど 児童文学1日集中講座
「現代アメリカ児童文学のふたり、カニグズバーグル=グウィン
 −今、マージナル・マンを生きるということ−」

http://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/cul08Literature/bungakuevent/bungakuipan/20150303114610639.html

作者Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/E%E3%83%BBL%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%B0%E3%82%BA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0

受賞コメントでは、ナントカビッチとかゲバラとかナントカシウスみたいな
名前のクラスメートしかいない小学校では、ジェームズという名前から、
何を考えることが出来るか、バーネットの秘密の花園は言葉でしかないが、
その言葉から私たちはその時代を想像することが出来る、しかし現代はどうか。
書くことによって私はノーマル(正常)を追い求めたい、みたいなことを、
言ってたような言ってなかったような…
なんちゅうか、児童文学に心理学の自己達成感がどうとかみたいなものを持ち込んでるな、
と思いました。私が子どもだったら読んでたかどうか。
今回も、このお話がこのセッションタイトルとどう結びつくのか、
まだ見当もつかない状態です。

頁86
あたし前に読んだことあるけど、その人たちはチョコレートに麻薬を入れて小さい子どもたちに食べさせるんですって。そうすると麻薬中毒になっちゃって、そうするとその人たちが高い値段で麻薬を売りつけるんだけど、その子たちはいちど中毒になったら、買わずにいられないんですって。高くてもなんでもね。それにね、ジェイミー、あたしたちにはそんなお金ないのよ」

これ、中島らもが眉をしかめてねじり鉢巻きで『今夜、すべてのバーで』*1で、
書いてる話じゃないですか、と思いました。
原書は1967年刊行ですから、メリケンの子どもは、
もうとうにそういう薬害の知識があるわけなんですね。
酒害もそうですが、そういう文化資産教養の継承は大切だよ〜と思いました。
だから夢のない現実で、どう児童文学を構築するかという話になるわけか、
とも思いましたが。あと何か書くことあれば、後報で。以上

*1:ちゃんとそこも引用して読書感想してました http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20121025/1351112383