『酒日誌』読了

酒日誌

酒日誌

ボーツー先生を読もう!シリーズ
2002/11〜2006/7に渡ったダカーポの連載をまとめたものだそうです。
隔週雑誌で毎号4、5日分の酒日誌が掲載されています。
酒乱になることを昭如が入ると称してみたり、多分に文壇的です。
ヒトミズムという造語も登場しますが、何がどう山口瞳なのか、流されて読んでしまったので、
冷静に今考えても分かりません。
気分は吉田健一、というのは単純に旅吞みです。
モノホンのノサカ先生と飲む場面もあったと思いましたが、
今読み返すしてもそのページが見つかりません。模造記憶かも。
禁酒中のノサカと飲んでしまうという、バチ当たりなシーンだった記憶なので、
見付からなくて正解。縁起でもない。枕を高くして寝たい。草葉の陰。と思ったら頁15でした。

山口昌男も頻出人物ですが、山内昌之と間違えて読んでいて、
否、違うことはじゅうじゅう承知しているのですが、
山口昌男を知らないので、山内昌之のイメージをあてはめて読んで、
スルタン・ガリエフ、うんうん、とかわけの分からない相槌をうってました。

山口昌男 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E6%98%8C%E7%94%B7
山内昌之 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%86%85%E6%98%8C%E4%B9%8B

頁143
三年振りぐらいで、つい、「リンダリンダリンダ」を歌ってしまった(明日の朝はきっと自己嫌悪に悩まされることだろう)。

それはそうだよ。それは恋だよ。パフュームパヒュームどちらのつづりが正しいか。
厄年とかもあるわけですし、男性の四十代はやはり危険な年齢です。四十肩。更年期障害
キモ〜い、みたいな。

白ワインをよく飲んでますが、銘柄を全く記載していないのがすがすがしくてよかったです。
ツマミがカレーの比率が非常に高く、香辛料とか漢方は大切だと思いました。
かの小宮山*1も一般入試で入学して在籍した教育学部の講義のあと、
学生を連れて飲みに行く金城庵が全然イメージがわかず、
三朝庵とかラージプートとか三品とかフクちゃんとかスーホー豆腐の店とか、
関係ない店ばかり脳裏を走馬灯のようによぎりました。
そういえば、ノルウェーの森に出てくるんですよ〜とトン女だかポン女の人に聞いた、
レッドピーマン?とかいう店も全く認知出来ないでいます。記憶がラック。
文壇的お店に交じって、頁238チェーン店世界の山ちゃんが登場し、
そこのアルバイトと店長がボーツー先生の顔を知るレベルのファンだった、
という記述に、ふと、此の世は働くものがこしらえてゆくだ、という、
カムイ伝のゴンちゃんだか誰だかの科白を思い出しました。
カスミは食えないので、口に糊して、生きる。

頁22、草思社のPR雑誌『草思』2002/2月号の増田晶文岡八郎という生き方」によると、
ラビット関根のカマキリ拳法のオリジナルは岡八郎だったそうで、とても興味深いのですが、
オーパックとかで所蔵図書館を探して原典にあたる気力がありません。

頁64のこの映画は私も観たいと思いました。

頁107のタカダワタル的*2は別に、いいや。

頁72(飲みはじめるといくらでも飲めてしまうから不思議だ。どこかいかれているのかしら)
頁83じゃあ一杯だけね一杯だけといってウィスキーの水割り立て続けに三杯飲む。
頁196この三日間、酒を飲むとすぐ泥酔してしまうので、
頁248普段の私なら酒を飲んだらもう仕事をしない(出来ない)のだが、ここまで忙しいと逆に酒が必要で、
常盤新平の弟子?だからか、酒ヌキで過ごすことをドライに過ごすと言ってみたり、
当然知識はあるのだなと思いました。
ぬくなら一日でなく三日くらいじゃないかと思いますが、
専門家はどういう考えだろう。そもそも節酒に専門家なんかいない?

この後酒中日記を現在まで書いている?のだから、
まだ捕まってないし、生きてる間逃げ切れればそれはファンタジー
それはそれでよいことだな、と思いました。
アキユキというと、オールナイトフジ生放送のカメラフレームの外で、
とんねるずにボコられた?後、自身のブログ週刊朝日の連載かなんかで、
とんねるずに謝罪していたのを思い出します。マリリンモンローノーリターン。

頁244
(前略)四合ビンを頼んでみた。すると店の若者は、人を見下した感じ(その時の私は既に昭如アキユキが入りつつあった)で、ウチはグラス売りしかやってません、と言った。その時私の中の何かがはじけ、私はテーブルの上に運ばれてきた泡盛のグラスを四杯立て続けに一気飲みした。その二巡目、七〜八杯飲んだ所で、私の記憶は飛んでいる。

この連載の二年前くらいに大手術のその事件があったわけで、
それ以後二日酔いしない体質になったと書かれてますが、その箇所を忘れました。
そんなことあるんでしょうか。でも記憶はなくすんですよ。

ワセダというと、酒とつまみのオータケの人もワセダですが、
まったく接点がないのか、登場しません。
コリドー街のロックフィッシュのみ、両者がかぶる棲息地と思いました。
同じ業界なんだがレイヤーが違うっていうことなんですかね。
鶴川の白洲夫妻とケイロウの時と同様の、寂寥を少し思いました。
この後も書き連ねられる酒エッセーで、クロスロードするとよいのですが。以上