- 作者: 吉行淳之介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1979/03
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この巻で、シリーズ全体の
アウトラインが定まり、
全七巻、ラスト一巻は
別巻扱いが決まった由。
<目次>
パリのぶどう酒
"Le Vin de Paris"
○マルセル・エイメ(Marcel AYME)
中村真一郎訳
橋善の会
○中村光夫
つまらぬ酒/われ快尿あるのみ
○結城昌治
酒と人生
○加太こうじ
もう一杯という名前のお酒
○和田誠
マダム・ラ・ギンプ
"Madame La Gimp"
○デイモン・ラニアン(Alfred Damon Runyon)
加島祥造訳
セックスとアルコールの関係
"SEX AND ALCOHOL"
○バージェン・エヴァンズ(Bergen Evans)
原田敬一訳・作者紹介文
酒歴二十七年の弁/手術で得た新しい味覚の世界
○野坂昭如
地酒(詩三篇)
○井上光晴
彼らの吞ったあの一杯
○小泉喜美子
乾杯トーストの歴史
"A Short History of Toasts and Toasting"
○ウィリアム・イヴァーセン(William Iversen)
林節雄訳
スペインの酒袋
○三浦哲郎
酒豪女房
○近藤啓太郎
禁酒の楽しみ
○長部日出雄
鳥獣は酒をしらず(コミック・ヴァース)
○読み人知らず 訳者未記名
アーノルド・シルコックの『ざれ歌集』に出てるとあり、それは下記と推定。
"Verse and Worse" by Arnold Silcock
Verse and Worse: A Private Collection
- 作者: Arnold Silcock
- 出版社/メーカー: Faber & Faber
- 発売日: 1958/06/01
- メディア: ペーパーバック
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○シャルル・ルイ・フィリップ
(Charles-Louis Philippe)
堀口大學訳
私の酒歴(イラストレポート)
○佐々木侃司
親子酒(古典落語)
○柳家小さん
結城昌治作者紹介文
落款と陶器と酒
○立原正秋
葡萄酒とみそ汁
○吉行淳之介
最後の一壜
"THE LAST BOTTLE IN THE WORLD"
○スタンリー・エリン
(Stanley Elin)
矢野浩三郎訳・作者紹介文
頁8「パリのぶどう酒」、ばらもんじんとかぶらはぼたんが分からなかったので検索しました。
バラモンジン Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
ルタバガ Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%90%E3%82%AC
加太こうじ「酒と人生」はこのシリーズでいちばん好きな作品のひとつで、
ACといえばいいのでしょうか、親を見て、一生自分は酒飲まないと決めたこうじ青年が、
省線電車内で設備機器を損壊し続ける若い泥酔者をフルボッコにする場面が好きです。
で、頁49、この人と、鶴見俊輔が金町在住の知己の箇所がおかしかったです。
頁54、和田誠は、ヘンな名前のパブのミステリーシリーズの装幀も手掛けているので、
「マクリントック」の主人公は酔って帰っては屋根の風見の牛(鶏でなく牧場主だから牛にしている。アメリカの古い風見にはインディアンだとか鯨獲りのデザインがあって面白いのだ。ぼくは70年の万国博ではアメリカ館の風見のコレクションにいちばん興味を持った)に自分の帽子を投げてひっかける。
妹尾河童もそうですが、こういうところを見逃さないセンスが好きです。
頁192、立原正秋が李朝朝鮮につらなる作家であることは知っていましたが、
両親とも日韓混血で、父は李朝末期の貴族の末裔で後年は禅僧となるが、昭和七年自決。
とあり、へーと思いました。で、Wikipediaを見ると、
それは自筆の年譜から来ているようなのですが、
Wikipedia記述者は、僧侶という部分についてか、そのほかの部分についてもか、
その事実はないと否定しています。
「最後の一壜」の作者の代表作は、『特別料理』という、
エラリークイーンマガジンがどうのこうのと作者紹介文にあり、
ひょっとして、アミルスタン・ラムの話かな、と思ったら、
やっぱりそうでした。塩がほしいな、と最初思ってテーブルを見渡しても塩はなく、
食べ進めるにつれて気にならなくなる、料理に没頭してしまう、料理。
そう書くとすぐ鼻田のブラックカレーしか連想出来なくなってる、
悲しきサブカル日本人のひとりとして、レクター博士が誰かの肩に手を掛けると、
アミルスタン・ラムの小説を反射的に思い出せる、私はまだ救われています。
で、その頁207打ち拉がれている、
うちひしがれている、って、「拉」の訓読みなんですね。
知らなかった。一発変換出来たのに。以前高島敏男が、「拉」という漢字は、
拉麺や拉致くらいしか使われないし、日本人が伝統的に外来語以外使わないラ行だし、
それだから兵隊支那語などから来たのではないか、と書いていたような気がしますが、
うちひしがれる、みたいな純粋日本語の訓読みに使うくらいなので、
もう少し慎重である必要があるんだな、と思いました。どっとはらい
『酔っぱらい読本』(講談社文芸文庫)読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140524/1400886624
『続・酔っぱらい読本』 (講談社文芸文庫)読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140530/1401428920
三冊目
↓
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160120/1453243870
『酔っぱらい読本・弐 -A BOOZE BOOK 2-』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160122/1453466728
『酔っぱらい読本・参 -A BOOZE BOOK 3-』読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160129/1454068632
奥付にない共同編集者_徳島高義 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E9%AB%98%E7%BE%A9
イラスト:佐々木侃司https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E4%BE%83%E5%8F%B8
以上