『世紀の光』(原題 แสงศตวรรษ)(英語タイトル Syndromes and a Century)劇場鑑賞

監督 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%B3
公式 http://moviola.jp/api2016/seikino/index.html

「東北タイの子」と何かあと一編だけ観るつもりが、お得な三回綴り券を、
チケットショップで正規と同じ\3,600で買ってしまい、じゃあ観るかと見た映画。
前半と後半で同じエピソードを微妙にズラしながら天丼で見せるストーリーと、
聞いていたのですが、前半主演女優さんに惹かれなかったせいか、
けっこう寝てしまい、なのであまり天丼具合が分からなかったです。
「寝る」映画としては、東南アジアのタルコフスキーとも言われているそうで。
うそです。ファンのあいだでいちばん好かれてる映画だそうなので、
祝俊二のラブレターみたいな映画かなと勝手に先入観を抱いていたのですが、
けっこう不穏なムードを煽る映画で、予想と違いました。

タルコフスキーとか小津というよりは、台湾ニューシネマみたいだと思いました。
(誰も小津とは比較してないと思いますが)
予告の冒頭、木がざわざわしてるさまはまんまホウ・シャオシエンだし、
不穏な音響の中、マテリアル、物質が長尺で写るのはエドワード・ヤン? みたいな。
今回のアンコール上映では、彼のイサーン性に着目されてましたが、
彼はイサーンで育った後、北部チェンマイが活動拠点だそうで、
チェンマイといえば、アヘンアーミー。もうあの人は中国系の血を引いてるとか、もう。
雲南から国境を越えてタイに逃げ込んだ国民党軍の残党がおますので、
大友克洋画『気分はもう戦争』にも出て来て、新疆で全滅していた)
台湾との文化交流は、ある、はずなんですよね。タイ北部の国民党軍残党は、
直接見たことはないのですが、飛び地研究会とかでよくやってて、
そのタイ政府の定住化政策など、愉しく閲覧していました。

私が台北で泊まったゲストハウスの近くに、地下鉄だか何だかの現場があり、
飯場はタイ人作業員たちが寝泊まりしてて、プレハブにタイ国旗が翻ってて、
ドカチンのタイ人たちが、夕方仕事が終わるとマンディ(水浴)をして、
サローン(腰巻)を穿いて夕涼みしてたものです。タイに逃げた反共勇士の同胞とその係累は、
中華民國ではヴィザ等で優遇があって、けっこうタイから台湾に出稼ぎに行ってたとか。

まあ、関係ないかもしれませんが、そういうわけで、私は、
台湾ニューシネマとの関係性を空想しながらこの映画を観ました。

終わりのほうで、モムチャン体操だかエアロビだか知りませんが、
公園で壇上の指揮者とともに、ワンツーワンツーしてた人たち。
少し前湘南がシーズンオフにタイキャンプ張った時、毎夕刻、
タイ人たちはスタジアム周辺で走ったり何だり、躰をさかんに動かしていて、
湘南の監督がその、フィジカル、健康を大切にするローカル風土に感銘うけた、と、
後で聞いたのを思い出しました。オフィス労働者も、夕方スタ周辺一周、走る時間が持てる。

あと、ワンレンボディコンの姉ちゃんが出てくるのですが、彼女以外にも、
スーツのうわっぱりを着こんでる人が結構いて、暑いだろうなと思いました。
私はタイを旅行したときずっとTシャツ一枚でしたし、朝少し冷える以外は、
それでよかった。ベトナムだと、ハノイの着道楽サイゴンの食道楽と言うらしいですが、
バンコクサイゴンと同じくらいの熱さで、しかも食事もスパイシーだと思うので。
しかしこれも先入観で、同じように暑いはずのシンガポール人が、
スーツをぴちっと着こなしていても、なんとも思わないのでした。
星嶋は華人系が多くて色が白い人が多いからかな。すべて虚心坦懐に観たいものです。
以上

【後報】
タイ社会の「ワイ」、目上目下で使い分けがあるそうなので、
外国人がごっつんせずにはいられない習慣だと思ってますが、
この映画では、診察後、患者と医師が同じ位置(顔の前)でワイしてて、
へーそうなんだと思いました。しかし、診察を受ける側も、
医師という設定なので、(メンタルヘルスのカウンセリング)
だから同等のワイなのかなあとも思いました。誰か解説して下さい。

ワイ 曖昧さ回避 Wkipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4

あと、関係ないですが、気分はもう戦争、死んだ兵士の顔つきが潮州系だから、
國民當のアヘンアーミーじゃよ、みたいな、矢作の知ったか? が炸裂してましたが、
バンコク華人は潮州系が多いそうですが、雲南の国民党軍、潮州系だったんですかね。
これも知りたいです。

サンティチョン村 (雲南文化村) | タイ国政府観光庁
http://www.thailandtravel.or.jp/detail/sightseeing/?no=144
ここはもともと中国共産党軍と戦った李文煥将軍が指揮官だった旧国民党軍第3軍93師団の子孫の村で
(2017/1/12)