『年刊SF傑作選 4』 (創元推理文庫) 読了

http://www.suruga-ya.jp/product/detail/2K29271
http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/2k29271.jpgカバー装画:日下弘
解説:伊藤典夫
宇野利泰訳

読んだのは
1976年5月の9刷。
コニー・ウィリス
『混沌ホテル』*1序で
あげている、
ウィリアム・テンの
『新ファウスト・バーニー』
が収められてるので
読みました。
個人の方の翻訳まとめ
サイトがなかったら、
辿り着けなかったです。
多謝。

<収録作品>
原書は下記に依る。
http://www.goodreads.com/book/show/6384053-the-year-s-best-s-f
「新ファウスト・バーニー」ウィリアム・テン
 "Bernie the Faust" (1963) by Williamm Tenn (novelette )
 初出:プレイボーイ
 ⇒正直、今までウィリアム・テンの短編読んでも、
  それほど感心しませんでした。これは初めて、読めた。
  アル中探偵マット・スカダーの作者ローレンス・ブロックは、
  ほかに泥棒バーニイ・シリーズというのも書いていて、
 (バーニイは須賀田さんと違って普通に酒は飲める)
  読んだことないのですが、それの軽い印象から、
  これも読めた。私の読書術はかほどオカシイ。

The Burglar Who Studied Spinoza (Bernie Rhodenbarr)

The Burglar Who Studied Spinoza (Bernie Rhodenbarr)

泥棒は図書室で推理する―泥棒バーニイ・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

泥棒は図書室で推理する―泥棒バーニイ・シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

下記は邦訳未収録
 "Fortress Ship" (1963) by Fred Saberhagen [Berserker] (short story)
下記は邦訳未収録
 "Mr. Waterman" (1961) by Peter Redgrove (short story)
下記は邦訳未収録
 "Mrs. Pigafetta Swims Well" (1963) by Reginald Bretnor (short story)
下記は邦訳未収録
 "Tree Trunks" (1963) by John Gallagher (cartoon)
ジープを走らせる娘」アルフレッド・ベスター
 "They Don't Make Life Like They Used To" (1963) by Alfred Bester (novelette)
 初出:ファンタジー・アンド・サイエンス・フィクション

頁60 ジープを走らせる娘
ここで彼女は、いつものように、記録簿にサインをした。日付――一九八一年六月二十日。氏名――リンダ・ニールセン。住所――セントラル・パーク、模型ボート池。職業または会社名――地上最後の男。
 はじめてこの図書館を訪れたとき、職業または会社名の欄に、なんと書きこんだらよいものか、さんざん頭をひねったものだ。厳密には、地上最後の女と書くところだが、それもちょっと、ショーヴィニズムに捕らわれすぎたかたちがあった。地上最後の人間と書くのは、酒とするところを、アルコール性飲料と書くようなもので、あまりにもかたくるしい。

頁85 ジープを走らせる娘
「ジム、あんた、飲まないって、ほんとなの?」
「ええ、バーテンはそうしたものです。お気になさらないでいただきます」

頁88 ジープを走らせる娘
「バーテンさん、もう一杯」
「お気の毒ですが、マダム。これ以上はさしあげられません」
「どうして?」
「だいぶお召しあがりになりました」

頁93 ジープを走らせる娘
「おれは女の酔っぱらいはきらいなんだ」
「だれが酔っぱらったの?」
「きみじゃないか」
「あたし、酔っぱらったおぼえなんかないわ」彼女も怒ったようにいった。
「酔わなかった? 服もぬがずに、子供みたいに寝てしまったのはだれだ?」

 ⇒SFって、よい子が読むだったのかな、と思ってしまうお話。
  人類滅亡後の大都市で、とかくモラルを遵守しようと。
下記は邦訳未収録
 "The Great Nebraska Sea" (1963) by Allan Danzig (short story)
下記は邦訳未収録
 "The Faces Outside" (1963) by Bruce McAllister (short story)
下記は邦訳未収録
 "A Slight Case of Limbo" (1963) by Lloyd Biggle Jr (short story)
「二百三十七個の肖像」フリッツ・ライバー
 "237 Talking Statues Etc." (1963) by Fritz Leiber (short story)
 初出:ファンタジー・アンド・サイエンス・フィクション 

頁128 二百三十七個の肖像
 フランシス・ジュニアはひどい飲酒癖にとり憑かれて、自己制御に悪戦苦闘といった毎日で、将来の生活設計を立てるどころでなく――脆弱な神経の持ち主のあわれな典型だった。

 ⇒景色が想像出来てよかったです。
下記は邦訳未収録
 "The Jazz Machine" (1962) by Richard Matheson (poem)
とむらいの唄」チャールズ・ボーモント
 "Mourning Song" (1963) by Charles Beaumont (short story)
 初出:ガンマ

頁156 とむらいの唄
 わたしはむやみにグラスをあけた。そのときの経験が、わたしを酒吞みにした。

 ⇒運命と闘うタイプの話。面白いです。
ユダヤ鳥」バーナード・マラムッド(ママ)
 "The Jewbird (1963) by Bernard Malamud (short story)
 初出:リポーター
 ⇒マラマッドがムラムッドになってるのはご愛嬌。
  いちばん皮肉が効いていて、面白かったです。 
下記は邦訳未収録
 "On the 4th Planet" (1963) by J.F. Bone (short story)
下記は邦訳未収録
 "Poppa Needs Shorts (1964) by Walt Richmond and Leigh Richmond (short story)
「二つの規範」フレドリック・ブラウン
 "Double Standard" (1963) by Fredric Brown (short story)
 初出:プレイボーイ
 ⇒水木しげるのマンガのようです。
下記は邦訳未収録
 "Interview" (1963) by Frank A. Javor (short story)
下記は邦訳未収録
 "8 O'Clock in the Morning" (1963) by Ray Nelson (short story)
下記は邦訳未収録
 "Where Is Everybody?" (1963) by Ben Bova (essay)
下記は邦訳未収録
 "The Earth Dwellers" (1963) by André Maurois (novelette)
下記は邦訳未収録
 "The Nobel Prize Winners" (1963) by W.J.J. Gordon (short story)
下記は邦訳未収録
 "Hot Planet" (1963) by Hal Clement (short story)
下記は邦訳未収録
 "Confessions of the First Number" '63 by Cliff Owsley (short story)
「明朝の壺」E・C・タブ
 "The Ming Vase" '63 by E.C. Tubb (short story)
 初出:アナログ
 ⇒運命は変えられる、という話。
「カシェルとの契約」ジェラルド・カーシュ
 "A Bargain with Cashel (1963) by Gerald Kersh (short story)
 初出:サタデイ・イヴニング・ポスト

頁264 カシェルとの契約
生まれついての怠け癖で、安酒ばかりのんでいる連中は――たとえば、きみなんかがその代表だが――せっかくの才能も、屑同様にかわっている。そんな男の時間が、役に立つものか。

 ⇒この本の小説は、なんか契約とか、飲酒ばっかり目がいきます。
酔いどれ船コードウェイナー・スミス
 "Drunkboat (1963) by Cordwainer Smith [Instrumentality] (novelette)
 初出:アメージング
 ⇒ランボーがそのまま出てくる宇宙もの。
下記は邦訳未収録
 "Summation: SF 1963" (1964) by Judith Merril (essay)
下記は邦訳未収録
 "Books" (1964) by Anthony Boucher (essay)
下記は邦訳未収録
 "Honorable Mentions" (1964) by Judith Merril (essay) (less)
以上