『五〇年酒場へ行こう』読了

五〇年酒場へ行こう

五〇年酒場へ行こう

読んだのはソフトカバー。装画・挿画 佐々木一澄 装幀 新潮社装幀室
途中まで「新潮45」に連載され、その後同社「波」に移ったとか。
http://www.shinchosha.co.jp/nami/
いっしゅん、波がどこから出てるか分からなくなり、岩波書店に移籍したかと、
思ってまいました。老舗酒店で飲もうという企画。東京圏です。すべて。

<登場する地域>
東松山 祐天寺 荻窪井の頭公園 府中 厚木 武蔵小金井
浦安 新橋 浅草 京王多摩川 新宿 根岸 赤羽 神田
北千住 立川 国立 深大寺 仙川 柴崎

失踪というか別居というかの父親の思い出や、公営ギャンブルハズれ券、
についての話が絡んで進行します。私は厚木の焼肉屋に行ったことありません。
本書でいうと、立川のお店は今の生活始めてから、お昼定食食べに行ったです。
以下後報(が、たまってます)
【後報】
頁73、武蔵小金井で、「♪せんぷく一杯いかがですぅ〜♪」
という歌詞が飛び出す場面があり、最初ほってたんですが、
どうも気になって、動画ないか検索すると、銘柄醸造元自らが、
ユーチューバーになってアカウントをとって配信されてて、
うれしくなりました。クライアントが自分で上げてると一番スッキリする。


15年ぶりに新作CM開始したのもあってのことのようでした。

頁9 東松山やきとり千本ノック
(前略)その、憧れの地において、酒を飲んだら冷やしトマトの皿の端っこに盛られた塩しか舐めないようなカラ酒体質を改善すべく、私は自ら、千本ノックを受けてみようかと思ったわけなのでした。

筆者は多摩(と言っても三鷹なので相当東寄り、23区寄りですが)で私は相撲、
なわけで、近いところは近いんですが、私はやきとんを「やきとり」と呼ぶ、
ということがありません。そもやきとん食べたことない。中井、しょん横などの、
新宿周辺や三茶などで酒を飲み始め、その後京都や中国などでぶらぶらし、
地元もスーパーのお総菜としての焼鳥がメインでしたので、豚のやきとりを、
見たことがないのかなーと思ったりもしますが、謎です。

アテを食べないという点は作者も縷々反省しており、まるますでは、
そういうのはお店のポリシーにあわないんだよな、と一人合点してたり。
どこかのページで、突き出たおなかにやさしいつくりのカウンター、
みたいな描写があった気がしたので、飲まないで腹だけ出るのは、
やばいでしょうと思ってその頁探しましたが、見つかりませんでした。
過去のパニック障害の既往症は頁18、痛風は頁44に書いてあります。

頁40〜41の、ノンアルで井の頭公園で花見、ノンアルでいせや、
の若者集団を連荘で目撃した著者の嘆きは、何故か、連載時に読んだ、
記憶があります。いせやは変わった、ということだそうです。
そういえば、この企画、ハモニカ横丁はスルーです。
しょん横スルーは分かる気もしますが。取材拒否店も日々増加ですから、
載ってなくても理由は分からないですね。北千住では、次々、
取材拒否の傘切り峰切り抜刀切りに遭ってカラ竹割りになっています。

頁54で本厚木のシロコロホルモンを取材してますが、私はシロコロ、
B1で出てくるまで知りませんでした。多分今後も知らないと思う。
わざわざ遠路ごくろうさんです、と思うくらい、この企画では珍しく、
遠くまで来ている。アンコウ鍋食べるのに浦安という企画なので…

浦安では、青べか以外に、山口瞳が登場します。息子さんと、筆者の対談が、
どこかであってもいいし、もうあったかもしれませんが、知りません。

頁149、小山酒造が出てきますが、大学との関連記述はありません。

どこかに、下町資料館のもとになった店、があった気がしましたが、
それも見つけられず。めんどくさいのであまり付箋を付けずに読んで、
仇となった。と思ったら、舌魔h氏資料館ではなく、都立小金井公園の、
江戸東京たてもの園だった。頁131。あと、中央公論社「日本の文学62」、
巻末解説に永井龍男がその店で飲んでる写真があるとか。こういうの、
大谷壮一文庫にリファレンスガイドがあったりしたんだろうかと思います。
作者のウデとも思いますが、大谷壮一文庫で探すのもまたよしと。

あとは、この本でも飲むだけでなく、しょっちゅう勝負してますが、
替え歌もあちこちで書いていて、たとえばこんなのです。

頁113
  泣きながらちぎった車券を
  てのひらにつなげてみるの
  いわれなき自信の予想も
  買わなけりゃカネは残った

以上
(2018/1/1)