読んだのは令和2年7月の三刷。初出は月刊コミック乱 2016年8月号~2017年4月号。
[装幀]坂根 舞(井上則人デザイン事務所)
この巻はそれが出ます。頁50、亡くなった父の思い出。
父さんのお酒は、亡くなる少し前にはもうかなり深刻なところまで来とりました
この娘さんは「深刻」を知っているということなのかしらと思いました。
このジュディットという女性は、連続飲酒という状態です。
頁135の作者手書きコラムも、「家族から禁止されています」という言い回しをするのかと思いました。
印刷のインクの色を変えたスピノフまんがには、アヘン吸引の場面があります。上海だから。
それとは関係なく、スピノフまんがの中国語が分からなかったです。
頁206、手書きのせりふで、"飯吃過了伐?"と書いてあるように見えるのですが、最後のいっこの漢字が、寫し間違えではないかと。应该写〈嗎〉吧。
頁216、"請吃的一切手段"(さーいらっしゃいいらっしゃい)この漢文がサッパリ分からず、こんな日本語の意味ではないだろうと思いました。
頁216、"是炒油条件"(油条 揚げたてだよ)「炒」は中文でも炒めるの意味なので、ここで揚げたての意味で使うのはおかしい。というか、ヨウティアオを炒めるとかアホか、と思いながら読みました。揚げるの意味なら〈炸〉 で、末尾の〈件〉がサッパリ分からない。上海語だからと言って、こんなに末尾がちがうわけはないもの。
頁226、幕末から明治初期にかけてもまだ日本語話者がいるマカオの日本人村というのも、ほんとかしらと思いました。ほんとでもいいんですけれど。
聖ポール天主堂跡に見る「日本人キリシタンの歴史」 - マンスリーマカオ : 日刊スポーツ
びっくりするぐらい日本人の多いお店 - 大堂街8號葡國餐廳の口コミ - トリップアドバイザー
初めてでも安心「ホテルオークラマカオ」は日本人スタッフ常駐の日系ホテル! | マカオ | LINEトラベルjp 旅行ガイド
作者はフランスと関わりが深いので、フラ語がぺんぺん飛び出ますが、フランス人社会を描く時、2巻でも黒人メイドさんが出ましたし、3巻でもルームシェアするアパートの住人が黒人です。そういうふうにフランスを描きたいのだろうと思いました。
で、この話は、明治になってから十年後くらいの話ですが、すでにしてもう誰も蘭語を学ばず、蘭語のことば自体一個も出ません。みんなもっとオランダを大切にしろよ、という。
表紙の両脇の単語のうち、"ACCES", "SORIE", "LINGE", "RIES"の意味が分かりません。
あとは黒川が、彫り物を両肩から肘まで彫っていて、背中に入れないのはなんでやろうと思ったくらいです。以上