のむコレ2018「プロミス 氷上の女神たち」(原題:《국가대표 2》国家代表2)劇場鑑賞

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「のむコレ」酒のむ映画コレクションの意味ではなく、のむらさんというシネマートの人が、世にまだそれほど知れ渡ってない佳品映画を紹介しようという企画だそうです。

今年のリストをちらっと見て、未見ですがオチがどうのこうのと聞いていた「ミスト」が入っていたので、それで色眼鏡で、特に観るつもりもなくいたのですが、今日、月曜割引デーで観れる映画で何かないかとみていて、ふっとこれがあったので見に行きました。結論からいうと「のむコレ」映画はメンズデー割引対象外、但し全作品¥1,300、チケットの半券があれば二回目から千円だか千百円、ということでした。

www.cinemart.co.jp

http://www.cinemart.co.jp/nomu-colle/

昨年のラインナップの、例の中国版ランボー、ジャンラン(Gではなく)と「女は冷たい嘘をつく」が気になりました。今年はジャンラン2やるかというと、入ってませんでした。大人の事情でしょうか。今回のラインナップであえていうと「ディスティニー・イン・ザ・ウォー」が気になりました。続パールハーバーwithoutマイケルベイって感じかな。

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イオンシネマが月曜割引ですので、海老名だと何かな、と検索して、ブライアンシンガーがフレディマーキュリーを描いた映画、本谷有希子原作の過眠症映画「生きてるだけで、愛。」(タイトルロゴが「勝手にふるえてろ。」と同じなのが、ちょっと)「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(う~ん)と迷って、けっきょく新宿まで行って「コッカデピョトゥー」見たです。邦題は、某金融会社と同名なので、損してると思います。

eiga.com

前半はけっこう寝てました。寄せ集めのはぐれもの集団、という設定は、清く正しい韓国映画の伝統、ウェイングダンからの血統を感じさせるのですが、それだけに、パターンかと。でもほかの国の映画でも、ボブスレーのクールラニングとかありましたし、ひとつの王道なんだろうなと。韓国版の予告を貼ろうかと思ったのですが、何故か主人公の脱北者を紹介してないバージョンしか見つかりませんでした。

www.youtube.com

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ko/d/d3/%EA%B5%AD%EA%B0%80%EB%8C%80%ED%91%9C_2_%ED%8F%AC%EC%8A%A4%ED%84%B0.jpgチーム結成の協会側の思惑が、ピョンチャン五輪招致であり、実戦チームでないので、2003年青森アジア大会には出るなという展開になり、直訴直訴で出れるのですが、これが事実か事実でないかは別にして、ピョンチャンでの合同チーム騒動につながってたとしたら、皮肉な話だと思いました。

…けっこうこの映画、協会関係者をコケにしてるので、意趣返しがあってもおかしくないと。ラストで、2016年時点での女子アイスホッケー韓国代表の姿が出てくるのですが、その後に起こった合同チーム騒動を思い浮かべると、自然と目が白黒。

卓球合同チームの映画もあるそうなので、そっちも見たいと思いましたが、まだ「のむコレ」のラインナップにはないんでしょうかね。よく見てません。

ゲッツ坂田にちょっと似てるコーチが「カタルシス」を「オーガズム」と言い間違えて、それを合宿女子全員がモチベアップのために絶叫させられる、あまり品がいいとはいえないギャグシーンがあり、邦画では絶滅した「豆タンク」キャラの子がその後もことあるごとに「オーガズム!ヒムネラー!」「オーガズム!イギョラー!」「オーガズム!パイティン!」「オーガズム!ケンチャナ!」etc.絶叫し続けるのですが(半分ウソです)その子の名前が「ミラン」で、日本にもカベキューの息子さんとかでそういう人がいましたが、「ミラン」とはいい名前でいいね、と思いました。

https://ko.wikipedia.org/wiki/%EA%B5%AD%EA%B0%80%EB%8C%80%ED%91%9C_2

www3.nhk.or.jp

以下後報

【後報】

 2003年なので、インチョン空港でなくキムポ空港です。ここがまずよかった。

それまで寝てましたが、2003年青森アジア大会で、グッときます。

五チームによる総当たり戦で、初戦は世界ランキング七位の中国です。格上の相手なので当然結果はアレですが、中国代表にひとり、「悪口のハングルは分かるわよ!」と言う選手がいて、この人は聞き取れるだけでなく、ラストシーンのひとつ前で、べしゃりもぺらぺらであることが分かります。朝鮮族だと芸がないですし、中国代表チームは何のスポーツであれコネのしがらみが強いので、ガッチリ何かが出来上がっていると、なかなか少数民族がそこに喰い込むのは難しい感じなので(サッカー代表に入れなかったウイグル人選手と、個人競技なのでウイグル人も代表に入れるボクシングや、柔道にいるモンゴル人選手の、中国語以外のつぶやきなんか読んで思った感想です)韓国と中国のダブルかもなと思いましたが、中韓国交正常化は'90年代ですから、その後生まれて、2003年に代表入りする年齢になってることはありえないので、やっぱり朝鮮族かなと思いました。

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彼女に対して韓国チームがどんなワルグチを言ったか、ぼーとしてて聞き逃しましたが(そもそも聞き取れない)テノムとかオランケとかホインノムとか言ってたら、聞き取れたのではないかと思いました。その後は韓国チームも考えて、「チャンポン女」とか「青椒肉丝女」とか言ってて、そういえばチャンポンはハングルでもチャンポンだけど、中国語だとなんだろうと思いました。海鮮湯麺かな。

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歌舞伎町の、西武新宿のほうに、前にも書きましたが、韓国で何かと華僑が大変だった頃韓国から日本に来た華僑の人が開いたチャンポンの店があり、まだニューカマーが珍しかった頃はハングルでオーダーするとキムチがサービスになるとかならないとか聞いたものです。その後、人件費の関係から、オーダーとる子は中国人になったので、中国語でも注文できるハングルの店、という、朝鮮族が渡日する前はほんとに珍しかったこの店の特色も、ウェイトレスが中国人バイトなら当たり前やん、の世界になってしまい、この映画見た後まだあるか立寄ろうかと思いましたが、区役所通りは広くなってるし(区役所通りはかなり歌舞伎町を体現したストリートだったと。むかし知人が客引きの兄ちゃんからかったらスゴまれて「ほんとに金ないのか?飛べ!」と、例の、ジャンプして小銭の鳴る音がしたらアウトなアレをさせられてました)一番街もなんか健全ぽいし、と思いつつ雨なので寄らずに帰りました。

話を戻すと、日本と韓国はお互いの地名人名は相手の読み方を尊重するわけですので、青森は「アオモリ」とはっちょんされています。これが中国映画だったら「チンセン」と発音されてたことでしょう。第二戦カザフスタン戦は僥倖もあって勝利しますが、第三戦がハニル戦です。競技大会映画のひとつの見どころは、解説とアナウンサー役のシーンですが、この映画の場合、ここが解説とアナウンサーのヤマです。韓日戦は絶対に勝たなくてはならない、という韓国代表の国是を解説が絶叫し、日本語の字幕は当たり前ですがハニルを「日韓戦」と書いて私たちに提示します。

またこの、日本のNHKのアナウンサー役の顔が、韓国のそれより一段劣るような顔なんですね。試合は、審判の日本よりの不可解な判定、明らかな日本側のファイルファウルを、故意なのかなんなのか、審判が見逃したこともあり、韓国は敗北します。韓国映画の例に漏れず、この映画も、「シッパル」「ケーセッキ」「ケンチャナ」だけ知ってれば、せりふの60%は聞き取れるのですが、それでストーリーが追えるかというと残りの40%がストーリーに関連したセリフですので、それは聞き取れないので追えない、わけですが、韓日戦では、韓国解説が日本側に「(こんなアホなファウルやって見逃してもらってオマエラは)大丈夫なのか?」と日本語で絶叫してて、さらに試合後、アナウンサーが「サケでも飲みに行きましょう」と言うと、「サケでなく私は韓国ソジュだっ」とやはり絶叫すると。ここはほんとに韓国の 日本に対する思いは不偏不変です、の場面でした。

で、最終戦北朝鮮戦です。韓国にはアイスホッケーチームは代表の1チームしかないのですが(ラストの2016年の紹介でもそうだった)北朝鮮は6チームあるとかで、韓国が、日本には厳しいわけですが、向き合わなけれならないのは北朝鮮、きちんと対峙しなければならないのは北朝鮮、という眞實がここで分かりやすく提示されます。

で、ここで、おおーと思いながらも、以前J2昇格時の栃木SC監督柱谷幸一の姿をTBSのサッカー番組で見たことがあり、ほかはスカウティングとかいるけど、ここはいないので自分一人で攻略法とかモチベアップとかの動画を作らなければならない、という場面で、確か今のなでしこの女性監督は、めんどくさいから作らない理由づけかもしれませんが、いまの若い子はそういうビデオとかになれすぎているからあえて作らない、と言ってたのですが、話を戻すと、ゲッツ坂田似の監督も相手分析を選手にミーティングで伝えるだろうし、最終戦だからそれまでの北朝鮮代表メンバー構成とか知ることは出来るわけで、試合の中で運命に気づく、という展開は、ちょっとご都合主義ではないかと思いました。

で、青森空港の場面、最初は、接触してることが分かるとあとあと粛清とかこわいですう、だったのが、韓国人特有の現象と言っていいのか、自分勝手?な感情の爆発にどんどん巻き込まれていく、ここはうおーわーと思いました。日本に厳しく、北朝鮮に甘い、が、自分たちにはもっと甘い、韓国らしい抱擁だと思いました。一瞬が永遠にならないか、いつも狙っている。えっでもここ脱北者の場面ですよ韓国らしいとか言えないんじゃないですか?と突っ込まれても、私はそう感じたんですからいいじゃないですか。

北朝鮮では高級軍人だか労働党幹部だったかしたヒロインの父が、南朝鮮ではしがない食堂のオヤジで、娘を自慢する場面で、娘の名前を、「イ・ジウォン」でなく「リ・ジウォン」と紹介する場面もなかなかよかったです。クンメダルトンメダル。

上の写真や動画でも分かる通り、アイスホッケー女子代表は青ユニで、中国代表は赤ユニなので、中韓戦で中国が点入れると、サッカー同様韓国は赤でしょ!というオバサンが韓国が点入れたと誤解して踊り出す場面もよかったです。競技によって代表の色が違う悪癖は、日本だけではなかった。

以上です

(2018/11/19)

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ナゲパ クリスマスとお正月が一緒にやってきた!カオスすぎ?

この映画、前半をバンバンカットして、地上波ロードショー枠で放映してもいいと思いました。ちょうど十一時に終われるくらいのカットでよろしいかと。日韓戦の描写でネトウヨの人向けの燃料も投下されるし、妹萌えでもあるし、いいんじゃいかな。

(2018/11/23)