苦節ン年、やっと、全角がkindle、半角が紙版と分かるようになりました。アマゾン。
帯は古賀稔彦。
帯
あの日、同じ五輪の決勝に勝ち上がっていた女の子は、ここからスタートしていたのか!
初出はイブニングの今年の何号か。九話。装丁:竹内亮輔(crazy force) カバー折、濃い赤みのかかったグレー地に白抜きで装丁者の名前が書かれているのですが、もう良く見えないので、検索して確認しました。
頁36あたり、主人公が新歓で浜省のJ・BOYを歌うその仕草が、裏表紙になっています。キレイに色がつけられるものですね。毎回思う、安心のスカート丈。時代が時代なので、今回やっと、柔ちゃんカットというか、柔ちゃんの髪の毛の結び方が出ますが、その回が1989年6月22日という設定で、天安門の18日後か、と思わず思いました(同語ナントカ)頁185の「勝負服」という単語だけは、まだ当時なかった気がします。下記の本頁92によると、競馬競輪のひとがレースで着る服を、業界では「勝負服」と呼んでいたそうですが、大事なイベントの時に着る服という意味にまで、1989年時点で昇華していたかどうか。
資料写真も充実してきたのか、大雪山?をバックにした牧場風景とかがさらっとひとコマ入って来たりします。餃子耳の女子も登場。黎明期に女子柔道を牽引した他校の教師が指導つけに来てくれる話は、最初黒の下着で当時の女子高生を赤面させ、脱いだら筋肉隆々でさらに衝撃を与え、大外刈りや寝技、巴投げをたんねんにページ数かなり使って教え、最後に講評でひとりひとりのいいところを伸ばすようなポイントを言って、礼に終わるという、手を抜かない地道なストーリー描写で、今後こういうふうに積み重ねていくつもりなのかと感じ入りました。いろんなほうから読めるように作ってるんだなと。
男女混合の乱取りが、一巻からずっと描かれるのですが、その辺りの各人の心理描写はまだまだ書き尽くされないです。今回は新歓の新入生男子が女子の実力者に勝てないところなど、言葉にされないので、彼は何を思うのか、読者も原作者同様、その心理を推測するだけ。原作者は強い女子の側だったので、男子の気持ちは推測するしかない。たぶん漫画家も推測するしかないと思います。女子部なかったろうから。
頁48の、見開きの満開の桜はいいですね。学生が部活するまんがで春の桜のシーンがあると、それだけでいいなと思います。以上