『 Y 』by Shogo Sato 読了

 読んだのは単行本ですが、これもほぼ同じ表紙。装画 アルジー 装幀 今西真紀

Y (ハルキ文庫)

Y (ハルキ文庫)

  • 作者:佐藤 正午
  • 発売日: 2001/05/01
  • メディア: 文庫
 

 この作者の『ジャンプ』文庫版解説者が、『永遠のゼロ、もとい1/2』と本書を引き合いに出して、作者のモテ度を考察していたので、それで読んだ本だと思います。たぶん。初出は書いてないので不明。

広瀬アリスのドラマみたいだと思いました。広瀬アリスのドラマ見てませんが、東急田園都市線もしくはJRの広告は見ました。


「知ってるワイフ」1月7日(木)よる10時スタート!主題歌解禁特報30秒

広瀬アリスのドラマは、元は韓流だったそうなので、韓流が玄界灘を越えて佐藤正午を参考にしたのかもしれません。


【公式】「知ってるワイフ」予告篇

知ってるワイフの原題は "아는 와이프" で、ハングルに「ツ」や「フ」の音はありえないので(中国朝鮮族はその限りで梨、DPRKは知りません)、アヌンワイプヘッソッソヨとかそういうのだろうと思ったら、本当にそうでした。

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知ってるワイフ - Wikipedia

ようするにそういう話なので、佐藤正午『 Y 』はモテオーラ全開の作品なのですが、主人公が、既にして中年なので、そんなにもててインカ帝国と、もてない私は思います。

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愛の不時着展 あの韓国ドラマがついに展示会として日本"初"着陸!未公開カット約250点を含む450点超えの写真や映像、実際に使われた衣装や小道具などを展示 

これはぜんぜん関係ない愛のぷじちゃく、否、不時着。愛のビットコイン強奪。

しかも、佐藤正午作品を読んできて、この人の小説には夢があるなと思う主要因、濡れ手に粟でガッポガッポお金が転がり込んでくる場面がちゃんと本書にもあります。この本を前にローソンのチーズバーガーをもそもそ食べてると、職場の競馬好きから「最近よくこの人読んでんじゃん、面白いの?」と聞かれ、「そういうわけでもないんだけど、これで三冊目かなあ」(正確には四冊目)世界のハルキ・ムラカミにおける柴田元幸の有無などについて話したわけですが、相手がそれで佐藤正午に関心を示したかどうかは不明です。アルゼンチン共和国杯

「ワイ」といえば、作者と同郷、否、隣郷の小林よしのり東大一直線』に、「勉強開始ブタノケツー!ワーイハー、スイミントール」と言って寝てしまう場面があります。何がおもしろいかというと、「ワイは睡眠とる」を、英語の教科書見ながら英語のように読み上げるのがおもしろいということです。こうやって書き写しても、1㍉も英語らしくないのですが、そう感じさせるのが描写力ということか。

本書の分岐点は、1980年9月6日と1998年9月6日で、京王井の頭線下北駅の先、新代田の手前(らしい)なのですが、あまりにもっともらしく書いてあるので、そんなことあったのかなあ、あったのかもなあと思いながら読み、巻末に「この作品はフィクションです。作中に描かれた電車事故と実在する人物・団体等とは一切かかわりがありません」と一文添えてあったので、それでやっと、ああ、ナーンダ、うそか、と思いました。

主人公がわざわざ松戸市立図書館で朝日新聞縮刷版をめくって「満員電車が踏み切りで立ち往生する大型車両(可燃性のガスを積んだトラック)に衝突したという記事」を読む場面など、可燃性のガスでなければ、今世紀下記があるので、余計どぎまぎしました。マドカマギカ。

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しかも私は、主人公が住んでいるのが「千代田線の馬橋」と何度も書かれる「馬橋」という地名にまったくピンと来ず、千代田線にそんな駅あったっけ、と思いながら読んだので、下北の鉄道事故という箇所も、根拠なく、小田急のほうだとばかり思っていました。京王だったのか。我孫子や綾瀬は千代田線といえると思いますが、金町は言えませんよね。そういう、アレは止まるがコレは止まらないわけの分からなさが常磐線にはあるので、それと、野菜の担ぎ屋のオババたちがあいまって、よっぽどミステリーです。太陽工務店解散。

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あと、ネタバレで、よく分からないのが、最後、男の隠れ家みたいのをバリバリのビジネスガールにアテンドされた主人公が、さっそくセフレをそこに連れ込もうというところで終わるところの、隠れ家必要なのか?という点。タナボタで大金ゲットと同類項なのでしょうか、作者にとって隠れ家は。以上