『ひげのある男たち』"Bearded men"(講談社文庫)読了

『男たちのら・ら・ば・い』に収められた著者の短編が面白かったので、何か読もうと思って借りた本です。著者の処女長編だとか。

1959年12月作と巻末に明記。

同年早川書房刊。

1962年と1966年講談社ロマン・ブックス。

1974年朝日新聞社結城昌治作品集1。

1975年講談社文庫。

1980年東京文芸社結城昌治長編推理選集1。

1982年徳間文庫。

2008年創元推理文庫

いっぱい出てますね。読んだのは講談社文庫。解説なし。カバー装画 木村茂

この作家さんは、小説によって文体を使い分けるそうですが、まだ駆け出しで、ゆーもあ作品ということを意識したせいか、なんか借りてきたような描写や形容、紋切り型が目につきました。まだ自分を強く出してない。ウィキペディアによると、この小説の主人公はシリーズ化したそうなのですが、クセのあるびんぼう遊民探偵でなく、叩き上げ部長刑事のシリーズになったとか。

結城昌治 - Wikipedia

ひげのある男たち (早川書房): 1959|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

「うちの女房にゃヒゲがある」"My wife has a beard."という歌がまず人々の共通認識としてあって、その上にこういうヒネった題名が出てきたと考えるべきなのですが、特に歌詞の「パピプペパピプペパピプペポ」とか「なんですあなた」「いや別に僕はそのあの」を連想させる記述はないかったと思います。パペピプペポパポパタリロバイキンマンはハーヒフーヘホー。

うちの女房にゃ髭がある - Wikipedia

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原曲をそのまま載せてもなあと思ったので、五木ひろしの歌ばっか載せてるアカウントから石川さゆりとのデュエットを採りましたが、公式なのか、ただのファンサイトなのか。

探偵の名前が香月というのですが、ルビが「こうずき」(頁9)で、「こうづき」でないんだぁと思いました。それくらいかな。

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クラブのもとホステスが、アパートで死体となって発見された。当初の自殺説が他殺説にかわり、容疑者が次々に浮かび上がる。関係者にはひげのある男が多く、捜査会議の席上に怪人物が入り込み、詳細な事情や検討の結果をすべてきいた上で逃亡したりもする。ユーモラスな筆致と絶妙な構成による著者の処女長編。

 

 以上