岳真也という人の本を一冊読み*1、もう一冊何か読もうと思って読んだ本です。
簡易検索結果|「酒まくら舌の旅」に一致する資料: 8件中1から1件目|国立国会図書館サーチ
他社の単行本や文庫本をべつの出版社が再版する際、出版ロンダリングとも言うべきか、初出の記載が消えてしまう現象が私の脳内で問題になっているのですが、本書はそういうことがなく、チャンと記載されています。廣済堂偉いです。
初出誌 趣味の雑誌「酒」昭和52年(1977年)2月号より昭和55年(1980年)11月号まで休載を挟みながら四〇回連載。
単行本 昭和56年(1981年)7月文藝春秋刊。
鳥打帽は北尾トロへ継承され、そしてさらにバトンが、という。題名の意味がよく分からず、下記の歌と関係あるのかと訝しみましたが、不明。
英題はグーグル翻訳ですが、なんでトリップでなくジャーニーになったのかは不明。
だいたい日本酒ですが、伊豆諸島など、焼酎ゾーンでは焼酎です。
頁14、茶利の意味が分からず、検索しました。
頁39、天童では春の桜祭りの一環として、若衆と芸者衆が二手に分かれて、人間将棋を指すんだそうで、知りませんでした。山形、ディオ!みたいな感じで、山形戦にあわせてやるわけでもないからでしょうか。The Colour is Blue. 観光大使のラズウェル細木サンも酒ほそで書いてないかったし。
頁56、福生の地酒は地下水を使っているという箇所があり、先ごろの泡消火剤、PFAS血液検査した人は、こっちにも行ったのか行ってないのかと思いました。
著者はお銚子六本ぐらいすぐ空けて、その後旅館から外に繰り出し、二軒三軒はすぐ梯子出来、料理も食べつつ酒も飲むそうで、健啖家で、かつ若いと思いました。お銚子をたもとにしのばせて温泉入浴したりもするそうで(仲居さんは止めるそうです)露天風呂なのかなというと、本書の中で露天風呂初体験を書いているので、内風呂の共同風呂でそれやってたのかと、ちょっと。においもあるし、それはどうかなという。
頁94、諏訪の酒として眞澄や神渡、本金と並んで、「ダイヤ菊」が挙げられていて、酒蔵が立ち並ぶあの道に、この銘柄あったっけ?と分からなくなりました。


https://stantsiya-iriya.hatenablog.com/entry/2019/11/19/070215
茅野のお酒で、写真撮ってたんですが、日記にあげて外部ストレージ保存済ということで、脳内では忘れてました。


https://stantsiya-iriya.hatenablog.com/entry/2019/11/18/210405
小津安二郎が愛した酒だそうで、上の写真は茅野駅前ショッピングモールの、小津記念コーナー。蔵元によると、「諏訪杜氏」は、八ヶ岳麓の富士見、原村から来る杜氏さんたちの総称とのことで、なので茅野の「ダイヤ菊」も、「八ヶ岳の酒」というより「諏訪の酒」というくくりでいいのかな、という。尖石考古学館のキュレーターサンの意見や、小平奈緒サンの意見も聞いてみたい。
頁107、きんきろう、否キム・ヒロが立て籠もったことで知られるスマタ温泉は、もともとは「美女づくりの湯」として隠れた人気を誇ってきた古い温泉郷なんだとか。
頁112によると、著者は生まれも育ちも初台で、独身時代二年ばかり神楽坂にいたのを除けば、28年間初台で、それが結婚四年を経て、仙川に引っ越したとか。ケーオーボーイなのに、なんで神楽坂なのか。そして、仙川というと、むかしコミケのカタログに載ってた、森山塔の仙川地下工房を思い出します。同人誌を積極的に買ったことは一度もないのですが、カタログを見たことは二、三度あります。晴海のころ。
著者は運転が出来ないのか、飲酒する都合上からか、車移動はすべて知人の運転か、出会った人の運転です。誘拐されてアッーーーーーーーーとかなくてヨカッタデスネ。
頁142、「日本のチベット」と呼ばれる北上山中に向かい、「南部曲がり家」を鑑賞します。人間と馬が同居するので馬糞くさく、それで廃れたとか。
著者はパートナーを「ケン妻」と書いてます。賢妻でなく、喧妻の意味を込めてるそうですが、支那と漢字で書くのでなくシナとカタカナで書けばいいルールなのか。
頁165、丹沢の酒が出ます。秦野「白笹鼓」伊勢原「菊勇」厚木「盛升」松田「松見酉」「報徳娘」「蘇我の誉」平塚「旭乃滝」愛川「東の誉」
東の誉を本書は「相模湖のほとり」と書いてますが、中津川のほとりだったようで、もうないみたいです。平塚の地酒はこの名前でなく、別の銘柄「大山泉」が出て、この名前は何も出ません。「盛升」を、本書は七沢の酒と書いていて、七沢は厚木ですので、そこはセーフ。
頁219、返還前の沖縄旅行の回想で、著者の政治スタンスというか、当時の大学生が、余裕のある家庭しか大学に行けない時代でしたので、今よりエスタブリッシュメント感溢れてると思わせる描写があります。
頁219
ぼくは政治青年ではなく、そうした一連の運動に直接かかわっていたわけではなかったが、それでもひとりのモノに感じやすい学生として、まったく無関心ではいられなかった。
「ひとりのモノに感じやすい学生」という表現、すばらしいと思いました。バブル期なら、「おまえさー、言ってて恥ずかしくないか?」と飲み屋で説教されそうな口吻。
頁262、群馬県の奧利根に行った時の話。日本武尊と書いて「やまとほだか」と読ませています。やまとたける、ではなく、ほだか。
武尊山と書いて「ほだかさん」と読ませる山があるからのようです。穂高と書かない。
もう文庫は出してないというか、出版不況で会社自体もいろいろのようですが、かつてはいろいろ出してたんですね。
廣済堂文庫
ヒューマン・セレクト
マンガで読む観音経 ①〜④ ●桑田二郎
マンガで読む般若心経 ① ② ●桑田二郎
消された古代日本史 ●荒川 敏
武田信玄おもしろ読本 ●南條範夫 河野 亮
戦国乱世おもしろ読本 ●桑田忠親
日本史なるほど読本 ●木村時夫
情死の歴史 ●邦光史郎
暗殺の歴史 ●百瀬明治
賄賂の歴史 ●高野 澄
消された日本史 ●宮崎 惇
仏教のわかる本 ●松清弘道
般若心経の心 ●花山勝友
仏教は死者のものではない ●ひろさちや
ムツゴロウの人生航海術 ●畑正憲
ムツゴロウの野性教育 ●畑 正憲
人間鑑定おもしろ読本 ●浅野八郎
こんな男は亭主にするな! ●荒谷 慈
日常のことば ●外山滋比古
ラサール石井の大教育論 ●ラ・サール石井
相手を探す相性テスト ●島田一男
人間関係ゲーム ●山本晴義
面白うんちく新学説 ●古谷三敏
お天気博士の季節の旅人● 倉嶋 厚
丹波哲郎の死者の書 ▶丹波哲郎
バックミラー人間模様 ●福井正道
雑学ものしり読本 ●夏目通利
寄席放浪記 ●色川武大
競馬狂想曲 ●阿佐田哲也
|表紙版画=田中正秋
エイトマンの桑田次郎、レモンハートの古谷三敏、ムツゴロウ、大霊界、ひろさちや、事件記者、ラサールでなくラ・サール、そして居眠り先生が両方の名前で出してはる。
上の本は図書館にないので、たぶん読まないと思います。少なくとも、『NHKへようこそ!』を読み終わるまでは読まない。ひきこもりの本を読みすぎてる気がして。以上