『絶対に行きたい居酒屋 ニッポン酒呑ミクスツアー ~おじさんぶるぶるMAP~ 』(バンブー・コミックス)読了

秋の夜長は読書とブログ

コンビニコミックスはアマゾンで出てこないかと思いましたが、出てきた。よかった。
コンビニで見かけた本です。
http://oji-buru-map.com/
http://oji-buru-map.sblo.jp/
画像の引用と文章の引用はルールが違う。
一番引きたい箇所は肖像権が絡む実写マンガの部分ですが、
そのまま引用出来ないので文章のみ引用します。

冒頭の写真まんが
愛ちゃん「しかしおっさんの面倒みるのは大変だったわー
おじさん「脳がいしゅくしてるからね

朝日新聞10月8日朝刊耕論 オピニオンの小田嶋隆を読んだばかりだったので、
その体を張ったギャグに大爆笑しました。

朝日新聞10月8日朝刊耕論 オピニオンの小田嶋隆
 ところが、30歳前後から、アルコール依存が始まりました。30代はまるまる酒浸り。酒が切れるとうつ状態になるので、自殺しないためには酒を飲み続けるしかない。原稿を落とすことが重なり、仕事もかなり減りました。
 最終的に断酒したのは39歳のときです。あまりに体調が悪くて、5日間酒をやめたら、ほとんど眠れず、幻聴まで出た。あわてて心療内科に行くとアルコール依存症と診断されました。「このままだと40代で酒乱、50代で人格崩壊、60代でアルコール性痴呆。もう一生飲まないしかないよ」と宣告された。

アル中になると、しまいには脳が萎縮するんですね。作者はそういう知識がある。
他人事としての知識かもしれませんが。
その作者、最初地下沢中也と空目って、絵柄が違う、と思ったけど、
検索したら、『禁ドン!』というマンガに覚えがあった。むかしスピリッツで連載してた。

頁7
『おじさんは
なぜ
無気力なの?』
それは
しらふで
生きてるのが
面倒くさいから
『おじさんは
なぜ
ゴロゴロ
してるの?』
それは体が痛くて
動けないから

落語のCD、散らばったお金。鬼殺しのパック。6Pチーズ、バタピー、倒れたコップ、コンビニ袋。

まんが家
『おじさん』
生態
『家にこもり
100円ショップの
酒とつまみで
泥酔する』

ドアを蹴破って女性編集者乱入。巨乳。パンチラ。元自衛官のキャプション。コスプレ。

くさっ
好きなだけ飲んで
仕事になる
『酒場放浪まんが』
を描いて欲しいの

おじさんのその
ムダな才能を
今こそ
生かすべきよ!

コンセプト明記。

頁8
このまんがは
生きる屍と化した
ダメおじさんに
感動を与えるための
酒場探訪ガイド
である!

定年後ただ時間をつぶすために吞みに入ると、アル中になる危険がある。
しかも日本は高齢化社会を迎えるので、そうした人の激増が予想される。
予防のため、酒はみんなで楽しく飲むものという定義をよりアピールしなければ…!
新連載企画プレゼンはこんな感じだったのでしょうか。

頁9
愛ちゃん「べろべろで暴れんのだけはナシですよ
おじさん「大丈夫だよ
植え込みにダイブ
自転車壊し失禁

おじさん「ボクは
        本当に頭に
        来た時しか
        記憶なくさ
        ないからね

連載開始時はまだ問題飲酒について真剣に勉強していなかったのだと思います。

巨乳を描かないといけないルールか何かあったのか、
シリコン全盛期みたいな体型で描いてましたが、
本意ではなかったのか、No.6あたりからスキあらば不自然でない体型に戻そうとし、
何回かシリコンと自然な体型を行ったり来たりして最終的に普通の体型に落ち着きましたが、
そういう積み重ねの部分に好感が持てました。シリコンには好感が持てないので。

中年男性に関しては、シャツのスソをズボンに入れた姿、というルールを、
最後まで守っています。実物は違うんじゃないかと思いますが。

頁60で、太田和彦吉田類を間違えるというギャグを入れると、
頁86で太田ご本人に偶然出会う伏線になってしまうところなど、
運にも恵まれたまんがだと思いました。
もし、大竹聡なぎら健壱にも出会ってたりしたら、運を使い果たしていたかもしれません。

あとがきのようなもの
このコミックスの制作中、こともあろうに
作者 立沢直也が吐血し
緊急入院してしまいました。
診断は出血性胃潰瘍
原因はヒマを持て余し、
安酒を大量に摂取したせい
だとにらんでおりますが、
本人は否定しております。
幸い、大事にはいたらず早い回復をみせて
おりますが、
健康あってのお酒でございます。
我々は大人なのですから、健康管理を罪滅
ぼし程度にはやっておきましょうね。
そして、
お酒に愛されるあなたになって下さい&heart

まったくその通りです。中島らもや、高田渡に会う伏線だったとしても、
それはマンガにならない。
夜間警備員のバイト掛け持ちしながら、時折記憶をなくすまで飲んだりハシゴしたり。
若くないから、考えないと。

大竹聡さんの本だと、ツマミ単品の値段しか書いてないことも多く、
本人があまり食べない人ということもあって、居酒屋、家吞みより安いかも、
と思ったりしますが、
この本は二人で店一軒いくら、を書いているので、退職後、生活保護とか、
いやそれより月五、六万の国民年金で公営でない借家住まいとかだと、
そうおいそれと通うのは無理そう、と思いました。
領収書で落とせるからキンキ一匹煮付けてもらうなどの高いお店でなくてもね。

今後の高齢化パンデミックを見据えて、じっくり続けて頂きたいマンガです。
中高年にあるべきお酒の飲み方をチャキチャキの姉さんが指南するというマンガ。
需要はあると思います。(関係ありませんが、ヨダレはあまり描いてほしくないです。汚く見える)