『ふくろ小路一番地』 (岩波少年文庫)読了

ふくろ小路一番地 (岩波少年文庫)

ふくろ小路一番地 (岩波少年文庫)

アクションジャーナルのじゃりン子チエ関連貧困児童小説コラムで紹介されてたので、
読みました。

どうも私は岩波少年文庫がキライで、
それはローラ・インガルス・ワイルダーシリーズの、
「お父ちゃん」「お母ちゃん」というハードカバーと異なる訳にびっくりしたからです。
ゲド戦記もハードカバーで読みました。岩波少年文庫だとなんか貧乏くさい。
装丁とかが。
けど、ケストナー岩波少年文庫で読んだかな。大人になってから。

階級社会イギリスで、初めて下層階級を主人公にした児童読み物だそうです。原作1937年刊。

あとがき 頁307
 なお、この本に出てくるイギリスのお金はたいへんに数え方が面倒で、大人にさえ判りにくいので、一ポンドを千円、一シリングを五十円、一ペニーを五円、一クラウンを二百五十円として訳しておきました

そのまま書いた方がよかった気もします。

The Family from One End Street (A Puffin Book Book 35) (English Edition)

The Family from One End Street (A Puffin Book Book 35) (English Edition)

原作はかなり下町口調(コックニー?)だそうです。

中流以上の人物として新聞記者や小説家、画家が登場しますが、
作者自身画家が本職であったことを考えると、実体験ベースな気もします。
また、ゴミ回収が多額の現金を拾って、災厄を怖れて落とし主に返す話は、
ネコババした場合の処罰や社会的制裁がそれほどキツかった、
弱者はそこまで締め付けられていた、と、左翼的解釈も可能と思います。
それくらいかな。総じて。

よい本と思いますが、日本の赤旗連載児童小説のほうが多少距離が近い気がしました。

新版 宿題ひきうけ株式会社 (新・名作の愛蔵版)

新版 宿題ひきうけ株式会社 (新・名作の愛蔵版)

韓国だとこういうのかな。
あの空にも悲しみが。―完訳「ユンボギの日記」

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