『諸星大二郎特選集 子供の情景』 (ビッグコミックススペシャル)読了

それぞれの作品について、思いついたまま書きます。
今思いつかなくても、思いついたら後報で書きます。

『子供の王国』
今読むと、喫煙所以外の喫煙が目についてしまう。時代ですね。
いつだったか、ラストの手術失敗を主人公と解釈する人と、
侃侃諤諤のギロンした覚えがありますが、
その後エヴァで梶をミサトが殺したと思い込む人の多さに、
やはり人間は一定のパーセンテージで、
そういう認識をする個体を産みだす遺伝子を持っているのだ、
と思いました。

夢みる機械
新宿の目奥に入る、のスペル「WELLCOME」、
どれかの版で直ってた記憶があるのですが、模造記憶かな。

『猫パニック』
設定を現代に直してなくてほっとしました。
車のナンバーをいちいち書き込んでるのはなぜだろう。
今回初めて気が付いた。
看板って、昔は書き込むものだったですね、そういえば。
ルパンセカンドシリーズ最終回新宿飛行シーン、ニコ動だと、
「なにこの情報量」とかコメントつく時代です。

『地下鉄を降りて…』
現代では「素通りはちょっと…」などと言ってると食べログでボロクソ炎上しそうな悪寒。
しかし、地下道で電波が届かないGPS機能しない、ツイートひとつラインひとつ出来ない恐怖。
なぜなら人間補足機関だから、というふうにおぎなえるのか。ひとり合点。

『マンハッタンの黒船』
デモクラシー・マシンの末路など、『青い群れ』や『闇の鶯』でも思いましたが、
政治風刺をやらせてもすごいのに、あまりそういう面を出さないところが、
この人の奥の深さだと思います。
ステートセシーダー、とか、いくつかの単語がいまだに分からない。

『地獄の戦士』
博報堂に入社した人に、ヤンジャンコミックスをなくされて、
ジャイアンのような言い訳をされたことを今でも忘れません。
カバー裏のアイドルの名前を思い出せる日はいつだろう。
諸星センセイの書く男性はオトコらしくって…みたいなコメントだった気がする。

【後報】
ゆうきまさみの下記のツイートを読んで、脊髄反射的に、
竹熊健太郎が、
「ありゃあ手術だな、よっぽど腕の悪いか、モグリの医者に引っ掛かったんだろう」
と言われながら、「ねえ遊んでよ…」と通行人の袖を引く姿を想起してしまいました。

ゆうきまさみのツイート
https://twitter.com/masyuuki/status/326126803527794688

ちゃんと会話する人たち
https://twitter.com/kentaro666/status/470806381449068545

(2014/5/29)