『マルコヴァルドさんの四季』読了

マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫)

マルコヴァルドさんの四季 (岩波少年文庫)

これもアクションジャーナルが取り上げてた、じゃりン子チエ絡みの貧乏読み物。
ほか2つはイギリスものですが、これはイタリア。
私が借りたのは、1968年初版のハードカバー、岩波ものがたりの本13です。
訳者が異なる。安藤ミキティ夫訳。むかし、イタリア人の女の子が好きだったので、
カルヴィーノとかモラヴィアとか読んでみたことがありました。
カルヴィーノは、初期は面白く読めるのですが、
『柔らかい月』とか、『レ・コスミコミケ』とか、
文章で表現するのは時間の無駄としか思えませんでした。

この本は、まだ初期のようです。しかし雑多。寓話とファンタジーがごった煮。
今なら、「都市の魔術的リアリズムもといレアリスモ」とでも評するんでしょうかね。
今じゃないか。前世紀末か。魔術的云々は。

本文でモーターバイクと書いてあるのに、
セルジオ・トファーノ作イラストが自転車(頁135)、という適当さ加減がまさにイタリアで、
最初は、当時は電動自転車なんてなかったわけだし、
なんでベスパ描かないんだろ、とか、商標か?とか、ヘタリア、とか思ったりしましたが、
まあだからテルマエ・ロマエの作者くらいしか付き合えないんだろうなと思いました。
http://linguistico2012.files.wordpress.com/2013/09/marcovaldo1.jpg
http://linguistico2012.wordpress.com/2013/09/13/marcovaldo/

メイド・イン・ジャパンの日本製品も出てきますが、三国同盟したにも関わらず、
彼我の相互不理解はイタ飯ブームが来るまで永く続いた、そう思います。
主人公はエスプレッソも飲まないしバジリコも使わない。パスタもろくに食べない。
カルチョもしない。イタリアの当時の貧民てそんなんなんですかね。
自転車泥棒くらい観ておくんだった。ひまわりとか、太陽がいっぱいとかは観たけど。おしまい