うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: ヘンリイ・スレッサー,高橋泰邦他
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/08/25
- メディア: 文庫
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なんか、いろんな色の
表紙がありますが、
私が借りたのは銀色の表紙です。
アル中探偵マット・スカダーさんの
作者短編集*1解説で、
解説者*2が、
ヘンリイ・スレッサーを読んだことの
ない人とは話をしたくない
と暴言を吐いており、
暴言は暴言として、
私も未読だったので借りてみました。
星新一に多大な影響を与えたと
wikipedia*3にありますが、
よく分かりませんでした。
星新一というと、新薬とか発明とか宇宙人とか、
SF要素が強いイメージなので、
犯罪ものの短編と結びつかない気がしました。
「っ」「ゃゅょ」を全部大文字にしています。
昔のハヤカワってそうなんですかね。小文字の活字がなかったんでしょうか。
しかし、カタカナ「ャ」「ッ」は小文字。
頁99
「ママ!」シャロンが叫んだ。「まあ、ママなのね。いまいつたい何時だと思つてんの?」
「八時か八時半だろ。わたしの時計は止まつちまつてるもんでね」
「あたしがまだ寝床にもぐつてるだろうなんては思わなかつたの。いつたいどうしたつていうのよ?」
トロッター夫人は、ちよつと後退さりしながら、ためらいがちにきいた。「おまえ一人かい?」
「もちろん、ひとりだわよ。でも寝床に入つたのはけさの四時ごろよ。眠りが足りないとあたしヒステリーを起してよ」だがやつと彼女はそんな自分の態度を恥じたらしく、一足わきへ身をひいて、言つた。「まあ、ともかくおはいんなさいよ」
「ええ、ありがと」夫人の声は母親ぶつて重々しかつた。娘の前を通り抜けてなかへ足を踏み入れたが、居間のほんの手前まできて、なかへ入つてもいいのかいというふうに立ちどまつた。
「いいわ、おはいんなさいよ」シャロンが投げたような口調で言つた。「どつちみち、あたし目がさめちやつてるわ」
こういう、昔の口語は楽しめたのですが。「信用第一」のような甘い作品、
「老人のような少年」のような、えっこういうつまらない方向にはなしを転がすの、
みたいな話もあり、ローレンス・ブロックの本で力説賛美する意味が分かりませんでした。
さて、気が合いそうもないとか、好きになれそうもないとか、
そういうことは仕方ありませんが、対話はすべき。
それが共生につながると思います。