『まだまだ酔ってません 酒呑みおじさんは今日も行く』 (双葉文庫)読了

大竹聡さんの週刊大衆連載エッセーをもとに加筆訂正したりなにやりした本の、
シリーズ第二弾とのことです。週刊大衆、すごいなあ。
いまや小田急線で吊り革広告出す週刊誌は、文春と新潮と、大衆だけですよ。
週刊ポスト週刊現代週刊朝日サンデー毎日もThis is読売もサピオアエラもスパ!、
あ、スパ!は吊り革広告出してるな、あとアサヒ芸能も吊り革出してないのに、
大衆はえらいな。あと、週刊誌でいうと、週刊アスキーも吊り革広告出してる。
(女性週刊誌は1誌出してたような出してないような、記憶が曖昧なので割愛)
アスキーは、電子媒体のみに移行せず、既成の紙媒体を既成の紙広告で宣伝してくれてる、
お金の使い方においてありがたいIT企業なのではないか、と思います。

頁132
「あのねオヤジさん、焼酎を割るのに一番いいのはね。あるでしょ、最近流行りの、そう、ノンアルコールビール!あれは合うよ。この間、酒を抜こうと思ってアレを飲んでてさ、モノたんねえからそこへ焼酎入れたらうめえのなんのって……」

高級なホッピーになるだけじゃねえか。

頁200 
 全国各地で再開発を進めるお偉い方々は、横浜みらとみらいに隣接しながら今も昔の町並みを残す「野毛地区」の視察に行ったらどうか。わざわざやって来て飲み、金を落していく客も少なくないあの街を観察することから、勉強しなおしてほしい。

三鷹生まれ三鷹育ちの著者が三鷹と無縁になるまでを呪詛した後、こう書いています。
三鷹駅は横川武蔵野の試合を見に行くようになってから何度か降りましたが、
まだまだ商店も残っているように見えなくはないので、往時はいかばかりかと思います。

この本は前作のようなバカ話一辺倒ではなく、
例えば3.11、著者はどこにいて何をしていたか、
どのようにあの晩情報隔離の状態からテレビをつけて情報の奔流に接し、
その奔流の影響は著者にいつまで続いたか、など、
読ませる文章を後半立て続けに飛ばしています。
あの晩は私も、防災キットにくるまれて地上十三階のオフィスで夜を明かしたのですが、
(帰宅難民が多数ビル一階集合の吹き抜けに身を寄せ合っているのに、
 派遣先フロアの暖かい床に転がれて、実に恵まれていた。
 当夜は買い占めまだ始まってなかったので、コンビニでカップ麺とか買って食べれた)
途中からYahoo!の動画ニュースを観るのをやめ、
Youtubeベガルタ仙台のチャントを繰り返し見ていたように思います。
見ている間も、コメントが伸びていた。

この本をほめていたので、読んでみようと思います。

翼はいつまでも (集英社文庫)

翼はいつまでも (集英社文庫)

雨鱒の川 (集英社文庫)

雨鱒の川 (集英社文庫)

大竹さんの週刊大衆編集者Sさんというのが、
自分の知っているイニシャルSの人でないことが最後の最後に分かって、
ほっとするやらがっかりするやら、でした。以上