太宰治『酒の追憶』読了

田村隆一だったか山口瞳だったか武田泰淳だったか、のエッセーで紹介されていて、
読みたいと思っていたのですが、何に収録されているのか分からず、
つすますーずは読まない作家ということもあり、後回しにしていました。
ふと検索すると、キンドルで単体で読めるようになっていて、なのでむきになって、
その場で青空文庫で全文読んでしまいました。青空文庫なので、勿論横書きです。

青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/318_20181.html

読んでしまうと、作品社のアンソロジーや、吉行淳之介のアンソロジーに、
入っていてもおかしくない、否、入っていたかもしれない忘れただけで、
という気になってきました。それくらい名文。
しかし、手酌ひやざけ焼酎チャンポンを次々に攻撃するその戦闘性が、
アンソロジーとは相容れないやもしれず、読んでなかったかな、とも思いました。

こないだも仕掛け人梅安で、茶碗冷や酒手酌酒のシーンを読んだばっかですが、
太宰的美学から言うと、まさしく言語道断の下劣な場面だったようです。
そういうものなのか。

どうせなら、朗読会でも聞いてみたかった、そんな上手な短編です。

太宰治作品朗読会 第36回 2013/7/13(終了済)
出演:中村彰男山本郁子(俳優、声優、文学座所属) 
朗読作品:「貨幣」「酒の追憶」

http://mitaka.jpn.org/ticket/130713d/

以上