『健康で文化的な最低限度の生活 1』 (ビッグコミックス)読了

台風で図書館本が濡れてはいけないので、昨日は積ん読本を持って出勤しましたが、
帰りの電車で読むには少し重いな、と感じて書店に入り、なんとなく手にとったマンガです。

読んでいる間ずっと次長課長河本の件を考えていたので、
そのまま読書感想を書くのもどうかと思い、
アマゾンのレビューを見て、少し落ち着いてから書いています。
皆、不正受給は生活保護の問題の「一部分」であると認識しているけれども、
それがいちばん世の関心を引くネタであろうことを感じた上で、
まだ描かれていない、それが今後出てくるのか、描けるのか、どう描くのか、
興味を持って生温かく見守っているのだなあ、と思いました。
(ほかの生活保護の、突っ込んだいろいろな点についても同様)
こうした共時性が確認出来るのはネット時代の21世紀ならではですね。
スピリッツの編集者も大変だ。
小学館の編集者はただでさえ色眼鏡で看られている(少なくとも私は見ている)ので、
耐えて刻苦克服超克してすごい作品にしてください。

芸能人生活保護不正受給問題 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E8%83%BD%E4%BA%BA%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E5%8F%97%E7%B5%A6%E5%95%8F%E9%A1%8C

レビューで紹介されていたほかのマンガ、
『陽のあたる家』のレビューの言葉が印象に残りました。
直接引用はしませんが、こんなような言葉です。
どういった人間が生活保護受給者に対してどういった怒りを覚えているのか、
ワーキングプアは必死に働いても生活保護以下の水準なので不公平だと思っている、
とか、
所得の高い人間でも労働拘束時間が長すぎる等、
生活保護受給者に対して時間の自由さに対して怒りを覚えている、
とか、そういった辺りを描かないと、
生活保護をバッシングしている人間=ただの無知」で、
生活保護受給者=真面目で心が綺麗な人間」
みたいに映りかねないのではないか。

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)

陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)

私も昔朝日裁判を組合教師の現社授業で習いましたが、学校から一歩出ると、
例えば一ヶ月の下着など、昭和三十二年の農村ではもっと劣悪な環境が普通で、
それでも皆泣き言も文句も言わず歯を食いしばって頑張っていたんだ、
みたいなサイレントマジョリティーの暗い怨詛の声が周囲に満ち満ちていたのを覚えています。
(泣き言は言っていたと思いますが、おかみには訴えなかった、と云いたかったのでしょう)

朝日訴訟 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E8%A8%B4%E8%A8%9F

不公平感は不正受給だけから来るものではないのでしょう。
坊主とあれな政党の議員さんが役所に声を掛けると受給出来るという風説とか、
同居してるとダメなら別居ならいいのか?財産は名義変更すればいいのか?
ひろゆきみたいに海外にあれで日本に資産が一切ない人は?とか、
親族が助けられない=見放されている理由はDVならありか、
みたいなヘンな知恵や妄想が皆あると思いますので、
その辺はっきりさせてくれないか、的なところも、
おいおい早急に求められるでしょう、このマンガに。

イギリス病時代の英国みたいに、
みんな失業給付と、ホームステイの留学生の家賃で暮らせてれば、
或る程度満ち足りる気もしますが、それが実現する可能性はないでしょう。

レビューには、このマンガのケースワーカーの担当数の多寡について
平均的自治体の例と比較しつつ論じるものあり、
また、ケースワーカーに新卒一般職を回す公務員の現状について、
概略と改善案をはっきり書かれている方もいて、
「福祉職」という言葉は登場するけれどまだ説明のないマンガより、
読み手は待ったなしでどんどん走っているなあ、と思いました。

生温かく見守られてるから、頁171の公務員の暴言なども、
こんな初手で反応せんよ、とばかり読み手にスルーされてるのかしら、
と思いました。ホットロードは、初対面の場面で、
「オメーんち、カテーカンキョーわりいだろ」
みたいな台詞をさらりと出せるところが凄みだったと改めて思います。

スピリッツがどこまでこのテーマやれるのか分かりませんが、
(商業ベースを言い訳にして投げだしそうな悪寒を孕んでいるので)
私も見守りたいと思います。レビューにもあった、
講談社の老人介護の下記マンガくらい続くとよいですね。以上

ヘルプマン!(26) (イブニングKC)

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ヘルプマン!(1) (イブニングKC)

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