『健康で文化的な最低限度の生活 2』 (ビッグコミックス)読了

健康で文化的な最低限度の生活 2 (2) (ビッグコミックス)

人間ドックを終えて、お食事券を使う本があるか本屋に行ったら、
あったので買いました。下記もあったのですが、ここ十年くらい、
マンガの笑顔って上達したなあ、と思って、でも見送りました。

君曜日2 ─鉄道少女漫画3─

日本人のセルフ演出がうまくなって、外人みたいに、
社交辞令としての笑顔が最高に素敵っぽくみえるよう皆修練を積むようになった、
せいではないかと思っています。
下記があれば買おうと思ってたのですが、ないのでこれも見送りました。
コンビニ兼本屋にあって「このマンガがすごい何位」とかポップつけてて、
駅前ショッピングナントカ上階の本屋にないというのも現代郊外の情況だと思います。

五色の舟 (ビームコミックス)

小さな恋のものがたり第43集

人間ドックの券は、昨年は食事に使って、一昨年は下記を買いました。

やし酒飲み (岩波文庫)

*1

この本のレビューがアマゾンにないか探しましたが、まだないです。
アマゾンの表紙写真、帯付かそうでないかの基準が何処か分かりませんが、
今回の帯の文句は、緊迫の「不正受給」編始動。です。
どこかに画像ないか探しましたが、ナタリーの一巻しか見つからなかった。

http://natalie.mu/comic/news/124811

頁46
義経「でも
　　　確かに、
　　　「障がい者の
　　　デイサービス」
　　　とか聞いたら、
　　　「そんな人生もあるんだ」
　　　って、私ですら思っちゃい
　　　ましたもんね…」
半田「ああ
　　　あれ。
　　　ウソ
　　　です。」
義経「ウソォ
　　　！！？」
半田「「これで太陽が
　　　見られます！」
　　　はホントです。
　　　けど
　　　こないだ
　　　本人に
　　　会ったら、
（中略）
半田「ま、
　　　嘘も方便…
　　　結果オーライ
　　　です…♡」

このくだり、キャラは目も鼻も描かない処理されてるんですね。

不正受給といっても、領収書とかのない収入とかの話でないので、
イタリアや中国には地下経済があるけど、日本には地下経済はないって前提の話かな、
とも思いましたが、たぶんそういう話ではないのでしょう。
書けるところからコツコツと。そもそも収入が証明できないから、
税金のアレしようがなく、収入が証明出来ない＝収入がないように見える、
だから行政や福祉がアレ、という話はまだないです。
生活保護受けてる人が車乗ってるの見た、というチクリの電話が入るシーンは、
頻繁にあります。誰が電話するんだろうと思いますが、それは書いてない。
パイの大きさが決まってるのもあるのかな。

団塊世代の月給取りは、よく、渡世人の内縁の奥さんになった、
けどスナックや小料理屋なんか営むセンスのない同級生とその子どもについて語ってますが、
そういう話が、いつか出てくるのか、出て来ないのか、そこかな、と思います。

頁187かな、係長が「対象者に巻き込まれるな」と言ってますが、
まさにその通りだと思います。
作者の昔のマンガは、あったかいセックスと、あったかいセックスは信じられるけど、
セックスの相手との社会的な関係やコミュニケート、生活、金銭はそれではどうにもならない、
というのがあったと思いますので、このマンガのキャラが、時折り目鼻がついていなかったり、
うつの人の表情や目が、身近にいたり当事者だったりする
漫画家のほうがうまかったりしますけど、
（そうでない人もいるかもしれません）でもうまく描く必要はないと思います。
うまく描く努力はあっていいけど。巻き込まれるな関わるな、どこまで？どこから？
NPOとかは？笑顔の上手なマンガもいいんですけど、このマンガは、不器用、否、
いらだちモヤモヤがただただ続いて行く、その顔を追ってゆくというのでもよいかと思います。

*1:いま見たらアフリカの画像がアクセスできなくなっていましたが、読書感想　http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20140414/1397446332