- 作者: カールセーガン,Carl Sagan,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: カールセーガン,Carl Sagan,青木薫
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『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』
悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: カールセーガン,Carl Edward Sagan,青木薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/05
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悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: カールセーガン,Carl Edward Sagan,青木薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/05
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The Demon-Haunted World: Science as a Candle in the Dark (English Edition)
- 作者: Carl Sagan
- 出版社/メーカー: Ballantine Books
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『奇妙な論理Ⅰだまされやすさの研究』『奇妙な論理Ⅱなぜニセ科学に惹かれるのか』*1
関連で出て来た本。作者のベストセラー『COSMOS』は昔読んだはずですが、
この人宇宙好きなんだなあ、物好きだなあ、私もこんなに何か、
無味乾燥で興味まるでひかれないもの好きになれたらなあ、と思っただけです。
虚構新聞のジョーク記事*2から始まり、
佐藤愛子の心霊エッセー、グリーン・ノウの子どもたちと読み継いだ、
科学とエセ科学の読書も、これで打ち止め(に出来るといいな)。
上巻頁46
中国では、一握りの土砂を投げたときの形状で占う“土占い”が広く行われている。
これ、知りません。今度聞いてみます。
上巻頁100 月の男と火星の顔
キクラゲ(「ユダヤ人の耳」という不愉快な名前で呼ばれることもある)は耳にそっくりだし、
これも知りませんでした。
https://en.wikipedia.org/wiki/Auricularia_auricula-judae
上巻頁191 幻覚
私はときどき、宇宙人と「コンタクト」しているという人から手紙をもらうことがある。「宇宙人になんでも質問してください」と言われるので、ここ数年はあらかじめ短い質問リストを用意している。聞くところによると、宇宙人はとても進歩しているそうだ。そこでこんな質問をしてみる――「フェルマーの最終定理を簡単に証明してください」。あるいは、ゴルトバッハの予想でもいい。もちろん宇宙人は、「フェルマーの最終定理」という呼び方はしないだろうから、その内容を説明しなくてはならない。そこで例の、冪紙数つきのごく簡単な式を書いておくのだが、返事をもらったことはただの一度もない。ところが、「私たちは善良であるべきでしょうか?」といった質問をすると、ほぼまちがいなく答えが返ってくる。漠然とした質問には(とりわけ道徳にからむ陳腐な質問には)、宇宙人は喜んで答えてくれるのに、地球人より進んでいる宇宙人なら知っていてもよさそうな専門的質問をすると、とたんに口を閉ざしてしまうのだ。*この落差はいったい何を物語っているのだろうか。
この後読者からの手紙がバカバカ紹介されているくだりでは、
宇宙人は進んでいるが、しかしこういったことに疎い。だが地球に来れる進んだ文化持ってる、
みたいな反論が取り上げられてます。私は、自動車免許を持った人間のうち、
自動車がなぜ動くか理解出来ない人間は相当数いると思われるし、
(ガソリンがあれば動く、そうでない車は、軽油だ。まれにリーフとかは電気で動く、みたいな)
そういう人に似た宇宙人のほうが地球に来やすいんじゃないか、
バックパッカーとかバカばっかだろ、そういう理屈で。だからキャトルミューティレーションとか、
性交とかするんじゃない?という手紙が取り上げられてるかと思ったのですが、なかった。
上巻頁227、この本は、現代宇宙人と中世魔女狩りの念入りな比較をしていて、
魔女裁判記録をみると、悪魔の性器の性質は熱心に調べられ、「冷たい」そうです。
何の比喩だか、分かりませんでした。クマムシ(は既に消費され尽した)。
上巻頁243、1994年、神学博士が基督教専門誌に発表した見解が引用されてます。
(前略)「惑星から惑星へと旅する」救世主などというものは問題外である。地球以外の惑星上に知的生命はあるか、という問いへの答えはここに与えられている。もしもそのような存在があるなら、いったい誰がその罪を贖うというのだろうか?(後略)
なぜ地球外生命体も楽園追放されたと断ずることが出来るのだろうか、
宇宙人もアダムとイブの子孫ということにしないと聖書として困るからか?
等々考えさせられる文章でした。こういう人も世のなかにはいるんですね。
人類の原罪をあがなうのはメシヤ、キリストでしたか。この文章では、この後、
異星人の原罪を背負うのはジーザスじゃないことだけは確か、と続けてます。
そんなもんですかね。
原罪 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%BD%AA
上巻頁282 セラピー
私の知り合いの科学者に、こんなことを言う人がいる。「誘拐した人を宇宙人が解放しないでおいてくれれば、世の中もっとまともになるのに」。(中略)問題は「まとも」かどうかではないだろう。
上巻頁307、1994年ペンシルヴァニア州で起こった事件が("´_ゝ`)フーンでした。ある少女が、
教師とソーシャルワーカーの勧めで、父親を性的虐待で告訴したが、
そののち、自身の複数の出産体験と子どものその後、衆人環視の中暴行された、
祖母はほうきに乗って飛びまわっていた、など、発言が暴走し、
その後訴えをすべて取り下げ、今度はセラピーと精神科医相手に民事訴訟を起こした。
植え付けられた(ステレオタイプの)(被虐)模造記憶であると。そして勝訴。
下巻頁34、ローマカソリックがルルドの奇跡のうち真正と認めたのは65件のみ、
そのうちガンは三例。精査した期間は一世紀半の長期に渡る。これを作者は、
宝くじにあたるか、定期航空便(ルルド行き含む)の墜落で死ぬのと同じ確率、
としています。
下巻頁38に、アメリカの伝統的中国人社会で行われる重要な祭日として、
「収穫月の祭り」というのが出てくるのですが、全然分かりませんでした。
下巻頁283 意味の虜
映画『スター・ウォーズ』では、距離の単位である「パーセク」が、速度の単位として出てくるなどという大失敗をやらかすことになるのだ――そうした点を別にすれば、なかなか立派な作品だったのだが。
ギガバイトパーセックとかのps、"per second"じゃないのとか思っちゃいました。
この本はあっちへ行ったりこっちへ行ったり、盛り込み過ぎと思いますが、
遺書的エッセーとのことで、その後、世界が、どうなっているのか、
聞いてみたい気もします。口寄せとかで。最初にフェルマーの最終定理で本人確認して。
以上
…あと、量子力学とかやるための前提としての高等数学を学ぶのに、
大学院まで延々数学漬けになる必要があって、そこまでやって、投下資本を回収出来るか、
プロバスケットボールの選手とはいかずとも、物理学のエキスパートになるための努力は、
いかに報酬的にどれだけ報われるのか、そして、単なる奇妙なオタク扱いされないのであれば、
これを志す全米の若者がどれだけ勇気づけられ、世界数学コンテストとか、
そういうのでもユーエスエーはもっと頑張れるのでは、と、作者は真剣に書いています。
…気持ちは、分かります。でも、私は、挫折以前に数学が分からないので、どっとはらい。