
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 74人 クリック: 444回
- この商品を含むブログ (731件) を見る

- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/12/19
- メディア: 単行本
- 購入: 18人 クリック: 559回
- この商品を含むブログ (270件) を見る
装画 影山 徹 装幀 新潮社装幀室
第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品「太陽の塔/ピレネーの城」
を改題、加筆したとのこと。http://www.shinchosha.co.jp/prizes/fantasy/
朝日新聞デジタル 別刷be 6面 2017年9月2日03時30分
まいど埋め込めないはてブ。上のあさっしんぶんbeの記事読んで、
読んでみたくなり借りました。
京大出の作家というと平野啓一郎で、
中田英寿か平野啓一郎かというくらい隙のない、
なんじゃこりゃあ的着こなしをする人たちだ、
としか思ってませんでしたが、朝日新聞土曜版の記事読むと、
作者も平野を目指して、挫折して転向したクチではないか、
という気瓦斯。ふつう下宿で寝っ転がって読む本は、
夏目漱石じゃない。でもそういう、自然に勉強を厭わず、
こなせるってとこが、東大京大の、あ、やっぱこいつら、
頭の作りが違うな、ってとこだと思います。
平野啓一郎 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E9%87%8E%E5%95%93%E4%B8%80%E9%83%8E
以下後報
【後報】
聖地巡礼マップがたくさんあるというので、
主人公の下宿がどこか見ようと思って検索したのですが、
今住んでいる人に悪いのか、もうないのか不明ですが、
見つけられませんでした。私にとって悲しい思い出の、
でもいいところと頭では分かっている、御蔭通の、
上の方なんだろうなと思います。仕伏町にも銭湯があった、
気がしましたが、もうないのか、記憶違いか。
京大正門近くのナカニシヤ出版も、いま検索したら、
拾年以上前に、京都の中央線沿線と勝手に私が呼んでる、
一乗寺に移転していた。いろいろ変わります。
http://www.nakanishiya.co.jp/company/cc828.html
ファストフードも、ケンタッキーは聖地一覧にあるのに、
ミスドがなんでないんやと思いましたが、高野のドーナツ屋が、
ミスドであることが理解出来るのは、知ってる人だけであり、
だから頁73に、高野のオシャレな店舗のドーナツ屋、
としか書いてないなら、それをミスドと特定するのは、
北白川カフェ文化に対する、一種の冒涜ともとらえられかねず、
炎上したらどないしょう、とみんな考えて、
高野のミスドを聖地に入れなかったのだと思います。
ホリデーイン。
頁7や頁55に、電気ヒーターという記述があり、これは、
関東の人間にはまったく奇異ではないのですが、
関西のアパートのガスヒーター普及率を鑑みるに、
どうにも腑に落ちない個所でした。絶対ガスストーブだろう。
京都の、左京区の、老朽化アパートでしょう?
私の知っているある関西人は、東京進出に際して、
大家に対し、自分は電気ストーブは寒くて我慢ならん、
かといって灯油ストーブはアパートの火気厳禁に抵触する、
ついては是非ガスストーブの設備取付を要求する、
と言って実際に大家に部屋に壁にガス供給口を、
取り付けさせてしまいました。彼の退室後、
それを使う店子が現われたという話は、
寡聞にしてしりません… そもそもそのアパート知らないし。
法界悋気(ホウカイリンキ)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E6%B3%95%E7%95%8C%E6%82%8B%E6%B0%97-627189
あちこちに出てくる法界悋気という単語は、
検索して意味調べましたが、おそらくリビドーを意味する、
(意味しないか)ジョニーという隠語は、
どこから来たのか、まったく初耳でした。京大用語でしょうか。
頁4
京都のほかの大学に通っている高校時代の友人が、
「京都の女子大生は京大生が奪って行く」
と言ったとき、私は愕然としたほどだ。
いくら目を皿のようにして周囲を見回しても、私の身辺には他大学の女子学生を略奪してくるような豪の者は一人もおらず、私も含めてどいつもこいつも、奪われる心配もない純潔を後生大事に守り通しているように見えた。
私も愕然としました。京おんなはそういう計算高さも、
兼ね備えていてもおかしくないと思うのですが、
京大生バイトというと、バイト仲間でも、微妙な立ち位置が常で、
モテの京大生はむろんいますが、周囲が、悔しいからか、
そういうモテ京大生の学籍をことさら見まいとしたりする、
傾向があり、いきおい使えないバイトが京大生のときの、
これさいわいとばかりのレッテル貼りが肥大化して、
結果、京大生はなかなか左京区から外に出て行かない
(この小説のように)気がします。この話のどこに西院や、
立命館大学や、北野神社のそばのラブホや、ハンナリーズや、
京都パーポーサンガの西京極陸上競技場が出てくると言うのか。
そうなると京大と同じ左京区の府立医大や精華大や京産大は、
不可視の存在なわけはなし、しかしこの小説の何処に居るやと思います。
ゆりかごから紅い実保育園を経て新島襄の墓のある鹿ヶ谷までの一生。
ゴキブリチューブは見たことないです。古いフィルムには、
えーというくらいたまってたりしてましたが。
左京区の廃墟というと光華寮を思い出しますが、あれは別の話。
この小説は、頁201がなかったら、まったくアレだったと思います。
語らないはずがとめどなく流れ出た頁201の美しさがあってこそ、
ほかのすべてのページが読めた、そんな気がします。以上
(2017/9/21)