『 舞妓さんちのまかないさん (2) 』(少年サンデーコミックススペシャル) 読了

読んだのは初版一刷。2017年第14号から第25号までの掲載作品を収録。

連載担当二名、単行本編集責任一名、単行本編集三名(うち一名所属プロダクション記載)、企画協力一名。

●ILLUSTRATION/小山愛子
●DESIGN/徳重 甫+ベイブリッジ・スタジオ

帯も変わらずおだやか。小っちゃいカツサンド(舞妓ちゃんが紅を塗り直さんと食べられる)すーちゃん。だらり。半だらり。頁104。「見習いさん」という言い方をしていて、ハンギョクとはいわへんのかいなと思いましたが、半玉は関東の言い方だそうで…

半玉 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E7%8E%89

半玉(はんぎょく)とは関東地方を中心とした花柳界における年少芸妓(芸者の見習い)のことである。別名「おしゃく(しばしば雛妓の字があてられる)」「赤襟」「半線香」など。名前はかつて「玉代(ぎょくだい)」が一人前の芸者の半分であったことに由来する。

帯にも絵が使われている「辰巳大明神」に覚えがありませんでしたので、検索しましたら、ああここかってなもんで。前世紀、川の鯉を中国人が食べるという噂が出たり、ふかふかのソファの洋式ラウンジがあったりの。

この絵は頁110なんですが、頁108で八坂神社、南座四条大橋渡って高島屋前、ここまでの絵の建物はついて行けましたが、頁109右上の建物が私にはちょっと分からなくて、三条の交番?なのかな、そっから祇園サイドにひっかえしてきて、そんで白川?なのかなあと。

同郷の仔同士がいっしょの置き屋で暮らしてるわけですから、二人きりだとお国訛りが出そうなもんですが、すーちゃんは極力芸者さんのことばを使ってまして、その辺のルールの解説なんかもいずれあるのかなと思いました。

裏表紙の料理は、二度揚げのからあげ、ホイップ山盛りのプリンアラモード、ふかふかホットケーキ。

頁115、塩でしっぽを立てたかたちで固めて焼いた鯛とか、京都の仕出しもやる魚屋ならではかと。そういうお店が、今世紀もまだ元気なのはまさに京都って感じで。で、そういうのを配達したりするのが、「使えないバイト」のレッテルが貼られない(ふつうはなぜか貼られてしまう)=イコール社会に出たら大活躍間違いなしの京大生バイトだったりしたことがあったのを思い出し、によによしました。

頁97、舞妓は休日に髪をおろしてからでないとコンビニに入れないというしきたり。なりすましというかなんちゃってというか、要するに観光客の舞妓コスプレがたくさんコンビニ利用してると思いますから、そこにホンモノが顔バレで混ざるのもヤバいんですかね。

男衆(頁31)。ほかにも見番とか男手の仕事はあったように、本で読んだ記憶がありますが、本で書かれた風俗は過去のものなので、現在とは違うかもしれません。なにしろそういう本は、進駐軍が琵琶湖の一等地ぜんぶ占有して、ジェットスキーとかして、京都からヘリコプターで移動とか、どこまでホントかみたいな描写があった自伝だったので。で、だいたい祇園で生まれ育つ子供は、財界政界のひとかどの人物の落とし種ばっかなので、女の子は当然舞妓芸妓に育てられ、男の子は男衆とかそういう、周辺で目立たず生きてゆく人物になるが、血統というかタネは超一流だったりしますし、おもてだってではないが父親からも有形無形のバックアップ、盛り立てがあるわけなので、そうやっても花街は隆盛を約束されてゆく、みたいな話だった気がします。

まあでもどこまでホントかな、なので。あそこの会長さんのご落胤の舞妓ちゃんにお酌して貰って肩に手えまわしてまんねん、でもって、あの子は政界の某闇将軍さんのお子ですねん、とか、そんな世界で誰と誰が男女の仲になるとか、けっこうムチャクチャにならしまへんかと思うので。

買い出しは、四条大橋を渡って西のほうへ行ってるんですが、どこまで行ってるんですかね。錦かというと、錦ではないかんじで、スーパーのようなふいんきを醸してますし。あと、徒歩なんですが、自転車はアカンのかなと思ったり。

以上

【後報】
この巻に踊りのお師匠さんが出まして、やっと、京都特有の、お上品に煮しめたおばばが出たと思いました。ぼーっと生きてんじゃねーよとかすぐ言いそうな感じの。
(2018/7/28)