『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT (7) 』(ヤンマガKCスペシャル)読了

装幀/柳川価津夫+大野裕介(SPICE)  初出はヤンマガの今年の号。 

 巻末にいつものとおりスタッフ紹介と歴史考証関係者への謝辞、参考文献一覧

りうちぇる、存分に悪役ぶりを発揮してると思いました。マクベスのラストシーンで降りてくる垂れ幕の文句が、相変わらず凝った書体なので読めません。私もたいがい物知らずだな~と思いますが、

An eye for an eye

A blade for a blade

And rebel for rebel

Loose not yourself

God is in a ここから先が読めません

 「曇りなき心にこそ神は宿る」という日本語は漫画の中に書いてありますが、その英文が読めない。"Macbeth"と読める部分をアンド検索かけてみましたが、これが出ないんだな。作者の創作なのでしょうか。

ということで、やっとシェイクスピアマクベスウィキペディア読みましたが、マクベスは後期の作品と推定されてるんですね。でもこのマンガでは、リチャードナントカに続くごく初期作品として登場。プロトタイプとして捉えればいいのでしょうが、だいぶいろいろ、実際の歴史や定説と異なる筋書きを考えてるんだなと、初めて分かりました。これはえらいマンガを読んでいたものだ。

(中国人や日系ダブルが出てくるからといって、ましてやその中国人が、確認される最初のチャイナタウンのさらに前にあって滅亡した幻のチャイナタウンの忘れ形見、生き残りという設定だからといって、そしてシェイクスピアがけっこう謎に包まれた人生だからといって、その作品成立時期までいじってあるとは夢にも思いませんでした)

ヤンマガのアンケートでこの漫画が生き残れるのか(スピリッツではダメだったのかな?今なら言える話で誰かばらしたら…言わないかそんなこと)気にはなっているのですが、センゴクとかも、ぜんぜん私には付いていけないコアな戦国武将もので、でも人気はあったわけで、その作者はしんちょうこうきとかバンバン読み込んでるマニアみたいですし、そういうのの世界史版として考えれば、ファンがつく素地はじゅうぶんにあるんだろうと。そうやって皆読んでればいいなと思いました。次巻はエリザベス女王が出るそうで、最初の巻の冒頭にも出てましたけど、そのまんまの展開にはしないんだろうなと思います。リー、中国人であると書かれなくなったのは、なぜだろう。たぐいまれな英語ポエムの使い手、言霊使いである設定と、何ら関係がないからだろうか。以上