「スーパーシチズン 超級大国民」(超級大國民)("Super Citizen Ko")4Kデジタルリマスター版 台湾巨匠傑作選🌞2018 劇場鑑賞

http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan2018/

https://en.wikipedia.org/wiki/Super_Citizen_Ko
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%B4%9A%E5%A4%A7%E5%9C%8B%E6%B0%91
かつての昭和館に行って台湾映画を観ました。
不夜城じゃないけど、戦後台湾系のしとが多かったと言われる歌舞伎町、
の近くでホーロー語/閩南語の台湾映画を観る体験をした、ということです。
考えてみれば、悲情城市もここで一回観てるのかな。
この日記を始めてから、台湾映画を観る機会も増え、失われた時間を、
少しずつ取り戻してるですが、しかし今の台湾映画は、無国籍マンダリン映画で、
当然セリフは國語で、悲情城市がバーンとかました、福建省南部方言で、
えんえんモノログるという技は、その他の地方の人全員听不懂で、
だからもうないんだなあと思うです。
吹き替えるか字幕付けなければ台湾以外で売れない映画なぞ、無理に作らなくても、
もともと台湾映画は國語映画でしたし、ローカル言語映画はホンコンに任せて、
中華圏全土にそのまま売れる映画を作ってるんだろうなあ、と思うです。

悲情城市、最初はVHSのビデオで観ました。悲情城市ごっこという遊びがありまして、
ひとりをみんなでじりじりと囲んで、外省人の分からない日本語で
「あんたーどこのひとか」「あんたーどこのひとか」と問い詰めてゆく。
追い詰められたほうが、「ワッ、ワァスー、タイオワンレン!!!」
と北京語で叫ぶと、それを合図に、みんなで殴り掛かる真似をします。
映画ではここで「彼は耳が聞こえないんだっ!!!」
と助けが入るのですが、その台湾語(閩南語)のセリフが聞き取れない日本の観客(私)
ちなみに、私にこの悲情城市ごっこを教えてくれた人は、名古屋人です。

この映画の字幕は、官話のセリフに右のカッコをつけて括っています。⇒<>
日本語には、カッコはついてません。

台湾巨匠傑作選2018開催によせて(無記名)
1952年磁気テープによる映像記録・ビデオテープが開発されて、フィルムに替わる上映素材となると期待された。しかし、フィルムは解像度は高いが大きく重い。安価で操作が簡単な上映素材が切望されていた。しかし、ビデオテープの解像度は、どうしてもフィルムに追いつかない。その以前から映像はデジタル化の路を模索していた。「デジタルとは0101の2進法の配列により信号を情報化し運用する総体的事柄をいう」。なんのこっちゃだが、今や、パソコンにTVに「デジタル映像」は日常的に飛び交っている。映像素材としてのデジタルの問題は解像度であった。DVDは、フィルムの解像度にはほど遠く、映画館の上映素材として使えるものではなかった。しかし、デジタルの進化は著しく、DVDの普及から数年でMD、4K、8Kと急速な勢いでフィルムの解像度を凌駕した。補正やコピーが簡単そしてコンパクト。もう後戻りはできない。

先日のイオンシネマつきみ野閉館に伴う見学イベント思い出しました。
時代はデジタル上映。フィルムは急速に消え去りつつある(のかな?)

2018-02-26イオンシネマ映写室見学体験ツアー参加
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20180226/1519649326

スーパーシチズンに話を戻すと、この白色テロを描いた映画は、
かなり頭で観る映画で、白色テロを描いた上で、さらにエンタメにして、
謎解きとか活劇とかを入れてはいません。そこは、
ヤクザの出入りを自在に絡めた悲情城市と違う。超級市民、
超級公民という超級三部作の真ん中、二作目だそうで、
一作目と三作目はリップンヴァンウィンクル未公開だとか。
ロメロのゾンビも、ザナイトオブザリビングデッドThe night of the living dead
と、ザデイオブデッドThe day ob the deadのあいだの、
ドーンオブザデッドThe dawn of the deadがいちばん面白いので、
この映画もそういうことだろうと思います。インディジョーンズ然り、
スターウォーズ然らず、エイリアン然り、ランボー然らず、
ターミネーター然り。

コーさんは、台湾語です。Peking語だったらhsuさんシューさん。
政治犯の名前の字幕についたルビで、誰が本省人で誰が外省人か分かります。
それくらいすみわけかきわけが徹底してる。

コー・ゲーシンが夢で奥さんに呼びかける名前が「ヨシエ」だったので、
日本人妻かと思いましたが、そうではありませんでした。ニッチ時代の名残。

2016-02-22『玉蘭荘の金曜日―台湾に生きる日本人妻たちの戦後50年』読了
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20160222/1456140788

外省人の囚人仲間に会う場面で、外省人なので北京語を話しますので、
何故か私はほっとしてしまいました。フェイディエ、"匪諜"という単語が、
よかったです。その少し前、ファンゴンホイチュイ、ファンゴンホイチュイ♪
という歌もよかったです。反攻回去、反攻回去♪そしてジャンジエシーの肖像。
チャンカイセック、ジャンジエシー、蒋介石。中華民國總統。

緑島には一度行ってみたいです。たぶん私が台湾に行くとしたら、
ここくらいしか行きたいところが思いつかない。金門島は…いいや、まだ。

この映画は当初チョイスしてなかったのですが、回数券の関係で観ました。
新宿で視るという思い入れで、やっぱり、丸谷才一邱永漢を描いたと言われる、
『裏声で歌へ君が代』に出てくる、在日台独支援華裔の、
スーパーの店長みたいな人が老後、金銭的に支援し続けた、台独のその後、
に想いを馳せながら、新宿で白日、シニア料金で観てたりするんだろうか、
と考えたりしました。以上

裏声で歌へ君が代 (新潮文庫)

裏声で歌へ君が代 (新潮文庫)

【追記】
お墓。探し求めた陳政一さんのお墓には「台湾出生」と書いてあり、
その左隣のお墓には「河北」その後ろのお墓には「北京」と書いてありました。
「北平」を私が空目って「Beijing」と読んだのかもしれませんが…
ネタバレですが、ここでコーさんというか許さんは、
「すみません」と日語でつぶやいて、そして、
三度叩頭します。すべてのお墓にローソクを灯し、紙錢を焼く。
私たち日本人はあまり叩頭しませんが、海外の大乗仏教寺院に行くと、
華人系がさかんに叩頭してますので、それは分かると思います。
土下座という行為は、わりにその人のメンタルに大きな衝撃を与えますが、
それをおおいなる存在に向けて行うのが叩頭跪拝ではないかと。
あれだけ個人主義と言われる華人が神仏に土下座する慣習を持っている、
というポイントは、精神構造を考察する一助となるかと。
土下座ちゃうわと否定されるかもしれませんが…
話しをもどすと、コーさんの墓参は、かく和漢折衷であった、
という点がこころに残りました。そしてその後、動画サイトに、
超級市民が転がってたので見まして、こっちも上映してもいいのに、
と思いました。鬼が来た!姜文は絶対市民見てたと思う。
(2018/5/5)
【後報】

映画館に貼ってあった吉田悠樹彦という人の記事。あっ「内省人」だっ、内省人ライラ、内省人あらわる、と思って撮ったのですが、悲情城市情城市になっていて、私もときどきワザとやったりケアレスミスでやったりするのですが、やっぱり他者のそれを見るとプゲラという気にはなります。
http://webneo.org/archives/45424
ウェブ上では非情城市はすでに修正済なので、映画館はぜひプリントアウトをさしかえないでいただきたいなーと思いました。というか、「本省人」に修正してからでもさしかえは遅くないと思います。21世紀でもナイセイ人と書く人がいるんだな、と、或る意味新鮮でした。
(2018/5/14)