『草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌ダイアリーⅡ』読了

 他の方のブログで拝見して読もうと思った本で、その時点では図書館予約待ちでした。装画 イナコ 装丁 上楽 藍 初出 別冊文藝春秋 321号(2016年12月)~336号(2018年6月) 

草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II

草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II

 
草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌2 (文春e-book)

草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌2 (文春e-book)

 

 タイトルは風見鶏ではなく、雄鶏の赤ワイン煮込みだそうです。

コッコーヴァン - Wikipedia

雄鶏は母乳の出がよくなるんだったかな。中国では。忘れました。先に下記のシリーズ一作目を読みました。ほかの方のブログにもありましたが、長野県の高原の農家の嫁の苦労が縷々綴られていました(それだけではないですが)不妊と、家出の比重が思ったより強かったです。書かないかと思ったので。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

この巻もそれを踏襲してるかと思ったのですが、エトランゼというか、ウスケボーイズみたいなワイナリー志願者で都会では有名人、が登場するので、それにひっかきまわされる感じです。編集の連載会議で、「安定した公務員の彼氏で村のさわやか若手代表と、葡萄酒作りに脇目もふらず打ち込む、傷ついて都会から流れてきたギターひきの青年との間で揺れる、DV被害経験のあるバツイチ(カフェを開けて二冬越冬に成功)、これで行こう、これで行くしかないっすよ」とプレゼン打った時点ではそこまで盛らないと連載勝ち取れなかったのかもしれないが、実際書いてみたらちょっと大杉だったという。バクノベ。

ヒロインがどこまで料理上手でどう料理にこだわっているかというと、頁24、ランチの豆カレーにあわせる炭水化物(脂質?)を、コメは玄米、は分かりますが、イーストを使うナンより素朴なチャパティのほうが豆カレーにあう、という理由でチャパティをその都度丸めて平たく伸ばして焼いています。私は神奈川県央のインドレストランのコメントを見ていた時、「この店はチャパティがあります」とわざわざ書いているコメントがあり、それから注意して見ると、確かにチャパティ出してる店はまずないんですね。家庭の常食ですし、ナンに比べて腹持ちしなさそうだし、なんかびんぼくさいとは私も思うのですが、パキスタンではチャパティばっかり食べてた記憶があるので、それで、こじゃれた高原リゾート(ただしペンションは軒並み廃業で唯一のスキー場だった村営スキー場も休業)のカフェでチャパティ出すようながあると、へーと思うです。

所謂ヴィーガンからツッコミがあるのか、ヒロインは、動物性のダシを使ってる場合だけでも、その旨毎回アカウンタビリティを果たしてディスクロージャーです。この二つのカタカナも、もう死語でしょうね。今はどう言うのか。常連客や理解ある農家からは、毎回そこまで細かくことわりがき口上述べなくてもいいじゃん、と言われながらも、言う。

頁60、果樹園は機械作業がほとんど出来ないとか。このページは、そこに嫁ぐ女性が、どうせ音をあげるんじゃないかと周囲から見られてることに対し、ナメられまいとガツンとボリューミーな巨大ウェディングケーキを焼いて披露宴に持ち込む場面です。アラザンとアンゼリカが分からなかったので検索しました。

アラザン - Wikipedia

アンゼリカ (菓子) - Wikipedia

頁135、クリス・レアのシャムロック・ダイアリーズは検索して、公式の動画がないようでしたので、動画は貼りません。リーガルがお好みなら、有料で由蘋果商店DLしてけさいということかな。

Shamrock Diaries - Wikipedia

Shamrock Diaries

Shamrock Diaries

 

 頁207、少子化に加え、子連れファミリーが二極化して、夏休みは沖縄ハワイオーストラリアか、の人たちと、余裕がなくて子連れレジャーが出来ないか、の、どちらかしかないのでは、という考察。お金がないのではなく「余裕がない」という表現がいいと思いました。自営業なら時間はない。観光収入もだいじな暮らしの糧の高原農家は、自分たちも旅行に行くヒマはないが、来てもらう人たちも上記の二極化で長野県にどれだけ来てくれるのか、という。

翳のあるギター青年の屈折の理由、誰がどう読んでもボーカルとのBLになると思ったのですが以下略

ウドの芽を勝手に盗ってくふとどきものの話でごまかされます。いや、ちゃんと書いてあるのですが、BL以下略

外国人嫁は出ません。農業研修生は、いっしゅん、受け入れてすとの話が出ますが、盛りすぎてるので、その後は割愛です。以上