デザイン 清水 肇[prigraphics] 編集 穴沢優子(この人は会社で飲んでる人として漫画にも出ます)
世界伝奇行 ―中国・西遊妖猿伝編― 【初回限定特典・折り込みピンナップ付】 (伝奇行シリーズ)
- 作者: 諸星大二郎,佐藤健寿
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2019/09/14
- メディア: 単行本
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高い高いと思ったらハードカバーで、軽く作ってある反面、小学館の四冊の選集のように、マニアから紙質等でボロカスに言われないかそっちも心配です。まんだらナントカの人に鼻で笑われませんように。寺田克也がなんで寄稿してるか分かりませんでしたが、この人も西遊記描いてるんですね。評論は北九州市漫画ミュージアムの研究員の方だそうで、北九州市にも漫画ミュージアムがあるのかと驚きました。
内記は米沢明大に収まってるんですね。知りませんでした。
なんで北九州なんだか分かりませんでしたが、畑中純の名前を出されると納得するしかないです。そういうとこに遺しとかないと忘れ去られそう。ギラヴァンツ。
話を本書に戻すと、ほんと、取材漫画22頁だけです。マンガ読めば、写真家がいっしょけんめふいんき出せる角度で撮った写真も、その角度だけしかふいんき出ないことが分かりますし、いまどきこんなガイドがいるのかと吃驚しました。日本の銃刀法で刃渡りが規制されてるから、土産物屋で人民解放軍払い下げの銃剣の剣の部分とか買っても税関で没収されて持ち帰れませんよとか言うなら分かりますが(そもそも少数民族に武器になるものを流せないので売ってないと思いますが)なんだこの杜という人は。辺境に下放されて取り残された人が、内地ではもっと稼げるはずなのに俺って奴はついてない畜生みたいなルサンチマンをすべて旅行者からかっぱぐことに執念向けるケースはそりゃありますが、もうそんな人退休する年齢で、働いてないと思ってました。あと、この編集者、中国国内で酒が買えないわけないだろうと。そんなことも分からないで編集やってるのかと。かえってアメリカの今も残る禁酒地域のほうが買えないと思います。日本のウイグル料理屋では、現地で作らせた酒を輸入販売してますよ。イスラム的なことは置いといて。
写真もなー、モロ☆の人がウイグル帽買ってかぶってることだけ分かりました。三千円もする本なので、頁9の火炎山の文句の説明くらいは書いてほしかった。写真家の責任なのか編集の責任なのか。
克服出来ない困難はない、の意味だそうです。下の華人ユーチューバー?は文字通りこの看板を跨いで乗り越えてます。
ダジャレは、日本人旅行者が教えた側面もあるので、なんとも。私がここに行ったのは湾岸戦争の時ですが(1990年かな)ロバ車の御者が「ロバ車乗ってちょんまげ」ってゆってました。七か所巡りで十五元だか三十元で(一万円が三百六十元くらいだった)、カレーズとかもこんなに広くなくて、交河古城には当たり前ですがこんな字は貼ってませんでした。でも江沢民の前世紀末にはもうこんなになってたのかもしれません。嘉峪関に行ったのは1996年ですが、既にリッパなごっつい建物になってました。そういえば、ベゼクリクだかキジルだかが撮影禁止で、アメリカ人の姉ちゃんが、ノーとか言って全力疾走して逃げても捕まって、フィルム抜かれて、抜かれたフィルムをウイグル人の子どもがオモチャにしてました。黒沢清のウズベキスタン映画のようだ。そういう状況、時代を覚えてるガイドさんだったのかもしれません。禁止行為をした外国人を泣かせる愉悦を知ってる人。
ポケトークを持って行った、とカルく漫画に描いてますが、中国のVPN遮断でスマホの音声翻訳アプリが使えない状況と重ね合わせてここを読むと、作者の凄みが浮かび上がる気がします。と、もちあげてみるテスト。
しかし、もうすでに漫画に描いてしまったところばかり取材旅行して、どうするつもりだろう。また改訂版出して、私たちのおぜぜが飛んでくのだろうか。これから描くところを取材して、マンガにして、それでタイムリーに河出の文藝別冊にしてけさい。サマルカンドでもブハラでもパキスタンのカラコルムハイウェイ沿いの万年雪が消えそうな山村でもブッダガヤーの僧院でも。以上