『奇界遺産』読了

 河出のモロ☆旅行記の同伴者の人の本。献血ルームにあったので読みました。

奇界遺産

奇界遺産

 

 奇界 | 奇界遺産・佐藤健寿 公式サイト

佐藤健寿 - Wikipedia

装幀とかはメモってません。イラストは漫☆F画太郎で、表紙のベトナムのテーマパークからも分かる通り、脱力系を狙ってるのかなという作りです。あとがきだか解説で元バックパッカーの編集者が(この編集者も、バンコクinで陸路インドを目指すってところで既に、猿岩石が飛行機でショートカットせざるを得なかった西南シルクロードは密林に消えるⒸ高野秀行コースやんとツッコミ入れたくなり、その後中央アジアを経由するとあるので、ウルムチーアルマアタの国際鉄道なのか、クンジュラブ峠からカラコルムハイウェイなのか、はたまたニェラムーダムーコダリのチベット・ネパールルートなのかと推測だけはしましたが、解は書いてないようでした)著者はオカルト研究家という肩書なので相いれないと思ったが杞憂だったと書いています。

宮田珠己が書いてそうな本でもあります。

世界各地を取材すると大変なので、或る程度偏重はあります。カナダは一ヶ所だけ、オセアニアはなし(イースター島はチリなので)アフリカも西アジアもスラブユーラシアもなし。続刊には、ウラル以西のロシアと、アフリカ二ヶ所、回教圏代表でイランとトルコ、そして今ではちょっと渡航が難しそうな、イエメンが一ヶ所あります。

楽山大仏があんなに化粧してるとは知りませんでした。一度も行ったことないですが、80年代の地球の歩き方なんかだと、化粧はなかったはずです。ツタヤ図書館で確かめやう。雪男の頭の皮の部分で、何故かラサのポタラ宮が、漢字の看板が見えないようトリミングされて組み込まれたりしてて、そういう芸の細かさは沁みました。

アンティオキアのナントカとかロズウェルとか風葬とか人骨でいっぱいのカタコンベとかがあるのかな。そうやって見ていくと、漫F画太郎の力の及ばない、脱力系でない世界に広がる江青構成かと。地下聖堂の大量の人骨写真と、勿論収録されてませんが、南京とか、ポルポトミュージアムの人骨オブジェの写真と、見比べますと、人骨は人骨という思いに囚われます。ヒューマンボーンイズヒューマンボーン。「ラリってんのかこいつ」平野の地獄めぐりの中国版もあります。

続刊は10月17日の次の献血の時に読みます。以上

【後報】

渋谷タワレコの展示会物販に本書ありませんでした。品切れですかね。それとも漫F☆画太郎先生に忖度遠慮したのか。続刊はあった。

(2019/10/5)