『インテリア・オブ・ミー 女の子とモダンにまつわるあれこれ』"Interior of Me" 読了

 モダーンと書いてアンシエントと読む、近代ナリコを読んでみよう第二弾(これで終わりです)造本 澤地真由美 装画・挿画 東山聡 

インテリア・オブ・ミー―女の子とモダンにまつわるあれこれ

インテリア・オブ・ミー―女の子とモダンにまつわるあれこれ

 

 近代ナリコ(こだい・なりこ) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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この人が発行するミニコミに発表した文章をまとめたものとのこと。まずもって、ミニコミとは何ぞや、同人誌と何処が違うの、という問題がある…かどうかは知りません。三月書房やら恵文社がある京都は、ミニコミの発行に適した街だったと思います。購買層の想定需要となる遊民や学生さんたちもようさんいてはるし。同人誌は即売会で売る単行本で、ミニコミは委託販売で売る自費出版の情報誌、とでも考えたらよいのでしょうか。以下後報

【後報】

ミニコミと商業誌では土俵が違うので、ミニコミの段階で著者がいとうせいこうや三浦じゅんや安西水丸に言及するのは、わりと世の中を斜めに見る感じがしてよいですが、それがパルコ出版から活字として出てしまうと、同じ土俵でどれだけ稼げているかの物差しがあった上で、高飛車な物言いが出来るかどうかが見られてしまい、なんか顔が赤くなる気がしないでもないです。こうしてブログでそれをまた揶揄できるしあわせ。以下後報

(2019/11/11)

【後報】

たとえば、頁55で、1952年のインテリア誌?が、物置場と化した床の間を有効活用しよう、という特集をしていて、そこで、コクトーが新橋の料亭の床の間に腰かけたので、コクトーに日本人が、あなたは日本芸術を尊重してると思ったのに、と言ったら、コクトーが、尊重してますよ、桂離宮の床の間には腰かけなかったでしょう、と答えたエピソードが書かれていて、それを引用した後、こう続けています。

頁55

 ガイジンを盾に読者を煙に巻く、雑誌の常套手段ですね。それにしても、この話がほんとうなら、コクトーってずいぶんイヤな男だ。 

 まるでブログのようです(と書いてみるてすと)

頁39、この人の『ローズマリーの赤ちゃん』評は、頷ける気もしますが、見る前に飛ばずに歳を重ねることと、これは天秤だったのかどうかというところが、私にはあります。この人はどうなのか。また、ここに、戸塚文子『ドライ・ママ』(文春文庫)という本が出ますが、近くの図書館にないので、どうしようかと。読まないという選択。

ドライ・ママ (文芸春秋): 1984|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

頁121、バレイ・ガールという日本には定着しなかった西海岸の英語を紹介する際に、まず、1983年のオリーブが、当時出現したばかりだった「ショッピングモール」について、「でっかい駐車場つきの、パルコ、ラフォーレ、109」と的確に表現しているところを引用し、さらにその前段で、田舎に帰ったら田舎にもショッピングモールが出来てた、と書いていて、神奈川県出身(多摩美)だそうですが、どこだろうと思いました。鴨宮のダイナシティとかだと、あってそうな気がするのですが。中山のららぽーとだと、田舎ってのはイヤミか、と思う人もいるかと。

Valley girl - Wikipedia

この記事は注釈がついていて、オリーブはこんな尖った雑誌だったのに、同年、淀川美代子名編集長(ママ)が「ロマンチック少女と呼ばれたい」路線にスクラップ&ビルドすると書かれています。しかしミニコミなので、何故かという追求が、このクラスの人たちだとインタビューとか出来なかったのか、ありません。残念閔子騫

頁144に、ダンドリくんやいとうせいこうが出てくるのですが、後者は好き好きでしょうけれど、前者は、その後風俗編などが出たと聞いてますので、どう評価が変わったか知りたい気もします。

頁147の「私の好きなファンタジー」は、柏葉幸子ポール・ギャリコがあったので、読んでみます。ベーバとベーバはなかった。後の二冊は探してません。

作者は富岡多恵子の『ボーイフレンド物語』が好きらしく、複数個所で触れてるのですが、またこれが、図書館にないんですね。どこの図書館も数十冊この人の本は蔵書有るのに、これがない。どんどんリサイクル本に出してるのかなあ。安田南という人の『みなみの三十歳宣言』という本も紹介してますが、安田南という人を図書館で検索すると、今をときめく樹木希林関係で一冊出るだけです。

心底惚れた-樹木希林の異性懇談

心底惚れた-樹木希林の異性懇談

 

 永六輔の『亜香ちゃん』も岸田理生の『さようなら、パパ』も蔵書ないでした。他館本ならあるんでしょうけれど。

頁222からは、谷本研という人などが出て来て、京都の町屋再生だかなんだか、死蔵された大量のペナントから、ペナントを再評価しようというどうでもいい動きに巻き込まれてゆきます。ペナントメインで、同時に登場する「スノードーム」がよく分からなかったので検索しました。

スノードーム美術館

頑張ってやり続けると、これくらいのことになってしまえるという、素晴らしい話だと思いました。

上野中央通り商店会 - ペナント

ここはほんと、巻き込まれという気がします。彼女の蒐集してるもの、センスと、合わない男の子たちの世界に、つき合わされてる感じ。

性差は意味がないのかもしれませんが。イラストも男性ですが、かわいいですよね。

頁278、京都の釘抜き地蔵には行ったことがないので、今度もし京都行けたら、行ってみようかと思います。なぜ気が付かなかったかな。

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以上