『ベアゲルダー (5) 』(シリウスKC)"Die Wergelder" 5 (sirius KC〚NEMESIS〛)読了

装幀/森谷寿子 主人公と、この巻の表紙の、マユゲという女性のカラー口絵入り。シリウス別冊ネメシス#40(2018年6月)#41(2018年8月)掲載。その後、月刊少年シリウスで2019年1,3,5,7,9,11, 2020年1,3月号掲載。を収録。 

ベアゲルター(5) (シリウスKC)

ベアゲルター(5) (シリウスKC)

  • 作者:沙村 広明
  • 発売日: 2020/04/09
  • メディア: コミック
 

 裏表紙は、タランティーノキルビルの元ネタのひとつで、作者のインスパイア元でもあろう、修羅雪姫や女囚さそりチックな煽り文句。「怨みに憑かれ 疲れた柔肌はだを、暴いた過去が食い千切る!! 噛み殺されりゃぁ すべてが御破算おじゃん!!

帯文句は「胡乱うろんな女がヤリ殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺に来た。正体不明の怪しく不審な“胡乱女うろんじょ”様に襲撃おそわれる!!猥みだりがわしき孤島の鉄火場。「淫乱いんらん」じゃないよ、「胡乱うろん」だよ!」

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

カバー折に「ベアゲルド」という言葉の意味と、沙村広明のプロフィール。

ejje.weblio.jp

ベアゲルター(5) (シリウスコミックス)

ベアゲルター(5) (シリウスコミックス)

 

 「叛逆ずべ公アクション」がこの作品のキャッチコピー。とにかく登場人物が中国人ばかりになってしまい、"操你大爷"とか、"好的"と書いて「了解」と和訳をつけるとか、どんどんそんなになってしまいました。でも頁163はウィーチャットではなくEメールだと思う。微信見たことないけど、そう思います。レンウーシーバイとか、言うかなあ。フォンスオチュエンダオは、たしかに命令形だけど、通じるのかなあ。先日見た竹内亮という人の南京コロナ動画では、道路封鎖の場面で、"封路了吗?"と言ってました。

というような不安も時おりよぎる、中国人多数漫画です。睫毛をずっとジュエマオと間違えて覚えていて、ジエマオとルビが振られているので、調べて、自分の覚え間違いに気づきました。メイマオは、マオメイ(冒昧)と似ているので、駄洒落が作れないかいつも考えますが、思いつきません。

中に『無限の住人~幕末の章~』とむげにんアニメの宣伝が入っているのですが、私が買った本にはそれが二枚入ってました。コロナで製本所も大変なのだろう。緊急事態宣言後の製本だったら、配本が遅れる可能性もあったんだろうか。

外伝「甘い緑茶」"Süb Grüner tee" 冷たい緑茶が甘いのは、中国もアメリカもだそうで、でも温かい緑茶なら、甘くないかもしれません。アフガニスタンパキスタン山岳地帯の、カフワ・チャエー。

あとがきで作者は、今の四川風の実山椒効かした痺れる麻婆豆腐ではなく、むかしの甘いマーボー豆腐が食べたいと書いています。ハウス食品や味の素クックドゥで「広東風麻婆豆腐」と書いてあるタイプではないでしょうか。生協のも同じだとか。丸美屋は地域名で商品の辛さを分けず、ただたんに甘口辛口にしているようです。そういうマーボードーフを中国で食べたことがないかというと、私は食べたことがあって、それはもうだいぶ昔の、上海の旧日本租界の四川路あたりの弄堂の食堂でした。上海料理広東料理は甘い味付けのものがあるので、日本人の口に合うと中国人は言いますが、日本の味付けに近いという点では確かにそうかもしれない。もう一品カレイの煮つけ頼んだら、こちらも日本のによく似た味付けでした。红烧蝶鱼。作者はお金があるわけですから、上海の旧日本租界のあたりで、まだ甘いマーボードーフを出す店があるかどうか、ぶらりと行ってみてほしい。

そのあとがきの前のページに、連載開始時に掲載誌に載せたプロフィールが再掲してあるのですが、正直星野之宣が好きだとは思わなかった。好きな映画はどちらも知らなかったので、検索しました。

www.nikkatsu.com

舟木一夫は予定調和だろうからいいのですが、もう一作は、知らないというか忘れてました。

www.asmik-ace.co.jp

パープル・バタフライ - Wikipedia

ロウ・イエは二重生活とブラインドマッサージ見ましたが、これは、知らなかったというか、忘却してました。ほめてるレビューがある一方、仲村トオルの中国語が酷評されたり、ネトウヨ脊髄反射する歴史写真の使用があったりするようです。「天安門、恋人たち」といい、「ふたりの人魚」といい、「スプリング・フィーバー」といい、この監督の映画は、誰からも支持されるということがない。好きになる人もいるし、そうでない人もいて、それは作品によってことなる。竹易てあし舟木一夫映画と並べて評価するくらいな映画なのだから、それなりにカルトなのだろうと想像しました。

以上