おそろしいことに、時のルング・ワンダルングに迷い込んだら、週末なせいか、大盛況でした。巻頭が『ジュン子・恐喝』の、「おめえ、故郷くにはどこだ」「長野よ…」のページで、そこからすべてが始まっているていになっています。
こういうことをやるのは弥生美術館だけだと思ってました。擬音も集中線もお絵かきソフトのものなので、「説明を拒む闇」Ⓒ星野之宣ではありません。
かこつけて、これでもかと置いてある(ように見える)河出ほかの本。もちろん、マッドメンの少年チャンピオンコミックスなどもあった気がします。たぶんあったと思います。
『夢見る機械』は、"WELL COME"版と、修正"WELCOME"版があるのですが、展示は前者でした。そもそも修正版なぞ存在しなかったのかもしれない。編集者が手を入れた等は、考えません。
日記のどこか他の箇所でも書きましたが、トコイ~トコイ~の『闇の中の仮面の顔』のお面が、相馬の三貫地貝塚というところ出土の、ホントのお面だとは知りませんでした。さらにして、それが展示されているとわ。このページの史料室の絵は、むか~しの尖石考古学館みたいな絵です。資料を使いまわしたわけではないでしょうけれど。
さあ、誰が最初に口コミを書き、☆をつける栄誉に浴するのか、必見です!(棒
『闇のマロウド』伊那、『闇の客人』の大鳥居は、田辺の大斎原というところの写真が貼ってありましたが、シンクロニシティなのか、実際にインスピをここから得たのかは不明。
『うつぼ舟の女』は、西尾市の岩瀬文庫というところから、うつぼ舟の女の絵を引っぱってきています。
このように、聖地巡礼に利用するもよし、史料編纂に利用するもよし、の好企画なのですが、おそるべきは、全国津々浦々の学芸員ネットワークと、その熱さです。キュレーターの注ぎ込んだ熱量がなかなか素敵というか、やけどしてもいいかなという具合だと思いました。ブローカーの熱意もあるかしれませんが…
暗黒神話の、タケシがタケミナカタに咬まれた右肩の蛇の土器も本物です。こればっかしは、地元長野県諏訪地方が譲れないと考えたのか。
暗黒星雲チーズケーキ。名古屋から来たご夫婦が、最初北海道で次は北九州でしょう、今日ここに来なかったら見れないと思って、と店員に言っていました。北九州は装飾古墳があるからで(あとヒルコ)、諏訪は、竹内老人が「縄文が好きなのかね」と声をかける場所なのでかけて当然ですが、北海道はよく分からないです。産女は北海道じゃないはずですし…
バトーショコラ。ご愛嬌もいいところ。レオ・レオーニの「平行植物」は面白かったのですが、個人蔵だそうで。ギュスターヴ・ドレの失楽園の絵は、町田市国際版画美術館から。エリック・デマジエールという人の混沌図書館もそうか。ここまで来ると、饕餮文様の青銅器や銅鼓なども、国博とまではいかなくても、泉屋博古館レベルのものを出してほしかったなという恨み節も、既に書きました。個人蔵の方や、足利市立美術館を貶めるつもりは毛頭ないですが、イズミヤむかしはタダだったじゃんかよ、保存やセキュリティに金がかかるのは分かりますが(中国の文物は国際的に盗難されてかつ売れてしまう時代になったので)う~ん。住友財閥。
あんとくはあんとく樣ですが、ヒルコもヒルコさまだったかなあ…あの婆さん、連載時と初版では標準語だったのにいつのまにか博多弁に変わった婆さんがそう呼んでたかなあ…
かんたんモロホシクイズ。当初のセリフ「こいつらまるできちがいか白痴だ」が書き替えられたのは、どの版からでしょうか。私は正解忘れてますので、教えて頂けたら自分が知ってたことにします。
出品リストは、ここ(イルフ)だけのもので、それ以外は欠番で、なにが北海道で展示されていてここではされてないのかは、欠番から類推するしかありません。巡回展だから毎回同じ展示ではないそうです。東京の展示だと、何から始まるんだろう、お菊の井戸か四谷怪談か旧都庁かタケシの家か。(新宿の目ではちょっとありきたり)そも前期後期入れ替えだから、二回来ないとイルフも全容はつかめないし。だから公式買えよということなのか、座間の地元の本屋でも図録売ってます。それもまたエラい話。電子版はないみたいです。そういうものでしょうか。
コーヒー 最後のほうは、マガジンハウスのカオカオ推しがうざいとか、郵政ハグルマとか、幻獣神話展とか、世のしがらみが湧出してる感じがありましたが、そうした酸いも甘いも噛み潰して、巨大化したチーティエンダーションすばらしいとも思いました。
どんどん高くなるTシャツ。そりゃインフレなので、そうですね。三千円以上お買い上げだとイルフのカレンダーくれるそうで、もらったの今まで忘れてましたので、職場にもってきます。イルフのもうひとつのほうの展示の感想も、いずれ。ではでは。時のルング・ワンダルングはほんとうにこわい。
以上