バカみたいに厚木で長々上映してるので見ました。爆音上映の回でないかったせいか、観客は三人。86分の上映が終わって、見回すとひとり帰ってました。
(1) 思うに、厚木にとってはこの映画、「狼をさがして」上映中止のリベンジ上映ではなかいかと。韓国人監督による反日武装戦線映画「狼をさがして」上映中止もシネマリンと厚木だけが標的になって、総本山のイメージフォーラムなどどこ吹く風、ほかの県も圧があったとは寡聞にして聞かない状態。厚切りジェイソンが「ワ~イオンリーカナガワピーポー」と言いそうな勢いで、当時は緊急事態宣言下でしたし、都県境を跨いでの移動抗議は自粛したんだろうか。堂々の抗議なら団体名代表名所在地等公開して抗議してるはずでしょうから、神奈川の団体なんだろうなとぼんやり思ってます。逆に、匿名の電話などばっかりなら、やっぱり神奈川県在住者がそれをやってたと思ってます。で、それこそネトウヨから、チマチョゴリ切り裂き事件同様の自作自演とキューアノンのお告げがあってもおかしくないなと。実際「狼をさがして」のレビューでは、出来の良くない映画なのに、それを正直に書くと、DISってる中傷と思われそうでかなん、という実際に見た人のレビューが残っています。
さて、真実や如何に。私は知りません。
(2) ビッグコミックの連載でホイチョイの馬場監督が書いてましたが、どんなクソ映画、大学の映研レベルの映画でも、BGMがしっかりしてると、それだけで見られたものに仕上がってしまう、AIが将来悪用しそうな人間のたんじゅんさの証明があり、この映画もまたそういう映画だと思います。導入、少林サッカーと、あと忘れた何か、しっかりしたベースの音楽のアレンジがあって、なんしか心を動かされる。それがリンガラミュージックと呼ばれるものなのか、レビューにあるようにレゲエなのか、私には分かりません。カンフーはカンフーとかクンフーと呼べばいいと思うのですが、コンフーと呼んでいて、ゴンフーなら北京語ですが、コンフーだと孔子ダヨ、と思いました。<孔府家酒>
悪が空手でそれにカンフーが挑むお約束映画ですが、題名だけ見ると、ナチスがカンフーやってるかのようなイメージですので、中国人とナチスが組んでカンフーナチスになって、それに空手を学んだガーナ人が戦いを挑む映画でもよかったと思います。少なくとも日本で公開するなら、それだろと。中国で公開するなら、空手が悪でカンフーが善でいいと思いますが、それで行くと、カンフー教室のユニフォームが孔子学院に見えてしまうので、苦笑セザールをえなこ。テコンドー以下略
実際のフェイジョウ孔子学院は私服みたいです。
ホメ殺しライターによるてきとうな文章。パワポで企画を説明しとる時が、いちばんスタッフが楽しかった映画だと思います。
厚木のスタッフはこの場面がお気に入りらしく、ほかでもこのスチール使ってます。
(3) 字幕、言語について、レビューの中で、現地語は関西弁、英語は標準語の字幕というのがありまして、確かに出だしのナレーション英語は標準語、マーケットのおばはんたちは現地語関西弁なのですが、カンフー教室になるとたぶん英語なのに関西弁の字幕で、あとはもう英語ばっかで字幕はかなり関西弁という感じでした。特に使い分けはないかと。ガーナは旧英領ですので、公用語は英語の筈。
ポスター等によると、出て来る現地語はトウィ語というしゅるいだそうです。
頑張って一回こっきりドローン空撮もした舞台の町、クマシは内陸の都市のようで、西アフリカの海辺の叙景が入ってこないのは残念と思いました。
私はほとんど英語分からないのですが、英語分からない人の常で、"great honor"を「オナー」でなく「ホーナー」とゆってるところなどだけビンカンに聞き取ってしまい、だっせー、とか思って、皮相な優越感を得ました。
honor の発音: honor の 英語, スペイン語, ラテン語, インターリングア, カタロニア語, ポーランド語 の発音
むかしインドネシア人の大学生が"island"を「アイスランド」と発音して、ただしいただしいと譲らなくて、その辺のインドネシア人のコジキが「いや、アイランドだ」と私の肩を持ってくれたことを思い出します。
ガーナアーリア人は"Ghan-Arian"で、アーリア人って、エイリアンに似たスペルなんだなと思いました。ビラの、その下の単語を一生懸命読もうとしましたが、頭に入りませんでした。ナントカションと書いてあったと思います。ナチス式敬礼(`・ω・´)ゞのことば、字幕で「カ!ネ!」と書かれたことばは現地語なのでしょうか。「スィ!」「カ!」と聞こえましたが、「ジーク・ハイル!」"Sieg Heil!"を英語読みして、"h"を破裂音にすると"k"音に転化しやすいので(ジンギスカンがチンギス・ハーンになるように)そのへんの遊びかなと思いました。
字幕があるわけですが、たぶん監督が一生懸命英語圏のポピュラーなナチスの物真似ダジャレをゆってても、それは私には伝わってないと思います。
レビューでよく言われるように、右の黒人独裁者みたいな人がゲーリングです。なんで空軍なんだろう。ビアフラ戦争などで、アフリカでは第三帝国ルフトバッフェの印象が強いのでしょうか。まあ、ロンメルだったら監督を暗殺しようとするからダメなんでしょうけれど。エル・アラメライン。もうひとり黒人のえらそうな人が出て、黒人版エヴァ・ブラウン(映画ではイーヴァとはっちょん)の胸に手をあててますが、誰なのか説明がないです。
絶対中国でウケる、東条率いる徴発隊が市場でみかじめ料を徴収し、払わない店にいやがらせをする場面。ガーナにどれだけ中国の影があるのか分かりませんが、カンフー・マスターも黒人だし、どういうつもりでカンフーなのか分かりません。カンフーの師匠のお葬式の場面だけ、ニュース等で見る、故人の好きだったものを棺桶の形にするなど、現地の習俗が登場し、宗教もキリスト教であることが分かります。それ以外は、食べ物もウガリひとつ出ません(ゲロは出るが原形の推定が困難)し、監督はナオンのヒップがぐるんぐるんしか見てなかったのかなと思いました。大麻は出ませんが、酒と姉ちゃんは出ます。原理主義のムスリムアフリカンは出ません。
酔拳の師匠。現地の有名なコメディアンたちが出てると思えばいいのか、どうなのか。この次のマスターは逝去されたそうで、エンドロールに追悼が出ます。こんな、ブリグズビーベアのような特撮を駆使した映画でも、悲しい出来事がある。ガーナ人の手のひらと足の裏が黒くないところは存分に見れます。私の祖先は横浜に靴買いに行って黒人見て、「黒人も全身黒いんじゃねえんだよ、おでれえたな」と言ってました。みんなも人と違う着眼点をやしなおう。
(4) 話をもどすと、この映画(「狼をさがして」ではなく「アフリカン・カンフー・ナチス」)に出て来るお酒は二種類で、まず、アドンコという酒が、オフィシャルスポンサーなのか、ポスターが至る所の背景に貼られ、日本でもニコニコ大百科に記事が作られたりしています。オフィシャルサイトを見ると、ガーナは日本と同様、飲酒にユルいのか、18歳以上以下でエンターを踏ませるつくりにはなっていません。英語圏なのにぃ。
アドンコとは (アドンコノミタイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
もう一種類、アペテシという、椰子やサトウキビから作る蒸留酒が出ます。アドンコもそれの一種のブランド名なのかもしれませんが、よく分かりません。
トーナメント出場者たち。後方のゲーリングと、あともうひとりいないと八人にならないので、もうひとりいたと思うのですが、忘れました。試合になるとさすがに眠くて、けっこう寝てました。スポーツ映画は試合になると盛り上がって、寝ないのですが、さすがにここまで低予算のスマホ撮りで、各キャラがまったく立てられてない(どういう奴かのエピソードの積み上げが不足)なので寝てしまいます。だいたい、試合が終わるたびおしげもなく殺していては、ストーリーの錯綜しようもない。脚本がラクしすぎ。仲間になったりなんだりシロヨ。
ここに出る「ブラッド・フラッグ」血染めの旭日旗ハーケンクロイツ染め抜きに魔力があるのですが、呪術でどうその呪いを打ち負かすかが、弱いというか、寝ててよく分かりませんでした。トヨタ車が燃えるのですが、その場面だけをもって中国への忖度というわけにもいかぬ。
この映画をこころよく思ってない人が下記のニュースにのっかったかどうかは知りません。
この二人に林彪や薄熙来が合流したら(時代設定のない映画なので)とも思いましたが、マニアックすぎて誰もついていけない映画になってしまいそうです。日本をおちょくるわけでもなく東条英機を出し、中国におもねらず、笑いをとることのむずかしさを感じた映画でした。ヒデキ、観劇。以上
【後報】
せっかくガーナと縁が出来たので、監督がガノタかどうか知りませんが、ガノタでないなら便利屋さんに説得してもらい、次作はアフリカン・モビルスーツ・ガンダムを作ってほしいです。ギャン選手にギャンのはりぼてを着てもらって、「キシリアさまにお伝えしてくれ、あれは、いいものだ」と日本語でいわせてほしい。
ナチスとかよりよっぽどプライオリティが高い事項のはずです。
(2021/7/16)