ビッグコミック2021年8月増刊号掲載(諸星大二郎劇場25 Morohoshi Daijiro Theater Vol.25)アリスとシェエラザード|第5話『首を捜す幽霊』読了

これまでビッグコミック増刊号ゴルゴ13の旧作を再掲載しており、巻末はそれが定位置だったのですが、今号からゴルゴの武器職人老人のスピノフが始まったので、アオリでこの漫画が巻末です。その一方で、本誌最新号でまた『美少女を食べる』のカラー広告が載っていて、今回はゴーダまんが新刊と併記という凝りようで、原画展の全国巡業が終わるまで(コロナカでのびたりちぢまなかったりですが)時折新刊のカラー広告が出て、マニアはそこまで蒐集せんならんと。

今回の話自体は特になく、司書がもっと何か役割を果たすかというとそんなこともなかったなという。あとは昔の寝間着。諸星大二郎の〈出草〉ものをぜんぶまとめて論文にして、「ヨシ子ちゃんの首番からイトミミズへ ~諸星大二郎《首》論序章」と書いて京都精華大マンガ学部大学院博士課程の夏休みの宿題にすれば、「ようやけたはるなあ、黒豆さんみたいや。天橋立にでもいかはらはったんえ?」「そないな豪勢なとこいけまっかいな、京都の水遊びいうたら琵琶湖や、それしかおへん」くらいの会話は事務方とするかもしれません。

ほかのまんが。

武論尊の新連載第二回は、往年のドーベルマン刑事の名場面を思い出しました。ダンプが二台、暴走トレーラーを止めるため無理矢理横浜中華街に入って、バリバリナントカ門こわすやつ。パレードが区役所通りや寄席のあたりの狭いとこ通れば似たような展開になったのですが、そんなとこデモ許可おりまへんわね。

ビートルまんが。最近オリジナルの井浦秀夫スティグマ』で、悪の三国人を成敗する正義のヤクザという回想シーンがあったのを思い出しました。百花斉放、いろんな意見があっていいし、在日コリアンもいろんなひとがいる。

3.11まんが。これまで、詰め込み過ぎの余裕のなさが目につき、今回、やっと、エヴァのシンジくんじゃないですけど、ぼくはここにいていいんだって感じで、ある程度テンポをゆっくりに、仮設住宅のくらしの細部を、たんねんに描いてくれて、よかったです。描き手が、「~ねばならぬ」という、何かの強迫観念から、少し逃れられた気がする。

テンホーの帯文句。ライムとは殺伐と見つけたり。

わたせせいぞう。京都のこんな広いお寺、どこでしょう。寺院でなくても、相続絡みでやたら切り売りされた地所にゲストハウスやら民泊が出来て、どうやって地元の消防団やら自治会やらとの連携を深めていくかの今後の課題について、ご清聴させて頂く機会があったコロナカ直前の京都の年末年始が、夢のようです。とりあえず中国人であったら、阿来《空山》読みなはれ。漢語によるチベット文学ですけど。以上