カバーデザイン/原田郁麻 ⒸTaiwan Public Television Service Foundation, Kadokawa Taiwan
私は誰? と言う前に、「この本は何?」という気持ちでいっぱいです。全八章の第五章まで、特に物語は始まらず、読んでいる時間がとてももったいないです。だいたい300ページの小説の、五章までで200ページですので、2/3まで読んでなにも起こらないという… なんなんだこれ。六章からやっと憑依が始まるのですが、ホラーより、「文系の説明」が勝ってしまう感じです。そんなの要りません。そうたいに言えることは、やっぱり漢族はムッツリスケベだった、です。エロ教師とJKのストーリーが、おそろしくまわりくどいので、ヒドいことされたのかセンチメンタルなのか逆に分からなくなります。やっぱりエロは日本AV妹の国、日本に任せろって感じ。儒教国は、ダメなんじゃないでしょうか。この小説およびゲームは大概道教世界なのですが、エロの抑圧は儒教なんだろうなあと。
角川公式はたんぱくなのですが、アマゾンには下のように、だいぶ宣材を出しています。
映画でなく、ネットフリックスドラマの小説みたいで、しかしこのゲームのウィキペディアで紹介されている小説とはべつものです。
《返校 悪夢再読》がこのゲームのスピノフ小説。八人の若者が、肝試しに閉鎖されたこの学校に忍び込むという話。書いたのは台湾ではわりと知られたホラー作家だとか。これを翻訳したのでなく、あくまでドラマのノベライゼーションを邦訳したみたいです。
〈影集小説〉は、ドラマノベライゼーションくらいの意味だろうと思ってたのですが、〈影集〉を検索すると、「フォトアルバム」の意味が出てくるので、ちょっととまどいました。そういう意味で邦訳版につけたわけでもないだろうので。
こっちのほうのライター紹介。この三名は全員検索でほとんど何も出ません。角川ホラー文庫も角川文庫で、源義サンのあの文章が巻末に載ってるんだと分かったのだけは収穫。あとがきも解説もありません。訳しおろしだそうですが、原作が台湾で出てるのかどうかもよく分かりません。ネットフリックス版スタッフに李サンも巫サンもいるので、その息子連中にコネで書かせてみたということだったら嫌だなと思いました。
劉をリョウと読むのは特にかまいませんが、「芸」をユンと読ませるので、えっと思いました。「藝」の当用漢字だか常用漢字および簡体字が「芸」なので、イーと読ませるとばかり思ってました。⇒後報20211116 よく考えたら简体字は〈艺〉でした。日本漢字だけが「芸」
ユンと読ませる漢字もあったのですが、「蕓」という、雲に草冠の字が正しいようなので、それで書けばいいのにと思いました。男子生徒の名前も、「文」をウェンと読ませずウンと読ませていて、台湾そうだっけ? と思いました。「雨夜花」と書いてウーヤーホエイとルビを振ってるのですが、夜来香がイエライシャンであることを知ってる人は多いと思いますので、なんでここでは夜をイエと読まず、「ヤー」なん? と思うかもしれません。「ホエイ」も、花と声調違いの同音「華」が「ホア」、翠華でツェイホアですので、なんだろうなあと思うです。「芮」レイがピンインだと"rui"なので、同音の「瑞」を使う〈瑞典〉(スウェーデン)はレイディエン、ミャンマー国境の街、瑞里はルイリーでなくレイリーになるのかしらと思いました。蒋介石にジャン・ジエスーとルビを振っているのに、「石」と声調違いの同音「詩」を名前に持つ黄詩萌はホアン・シーモンです。瀋、否、沈さんはシェンサンでなくセンサン。白國峰教官は、私は映画のほうの、金偏の白國鋒という名前のほうが好きです。
あと、どこだったかなあ、「ひっ叩く」「戻って去れ」みたいな表記もありました。背反者や国家会感谢你的も出ますが、殺人兇手は出ません。ファン・レイシンが呼ばれる「先輩」は原語の「學姊」に如かずだと思います。もっとウマい言い方はないものか。以上