『酒のほそ道 五十 』"SAKE NO HOSOMICHI 50"(The Narrow Road to/of Sake)[酒と肴の歳時記]by ROSWELL HOSOKI(ニチブンコミックス)(NC NICHIBUN COMICS)読了

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あとがきは一巻と同じなぎら健壱

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50巻目スゴイ!ご愛読感謝!!特製ビールジョッキ&コースタープレゼント!!は、こちら→ おめでとうございます。なぎら健壱(シンガー・エッセイスト)酒のほそ道 ラズウェル細木

あとがき 愛しき酒飲みの姿

(略)

 というのも、あたしは25年前とは変わりましたよ。酒量もちょっと落ちましたが、酔い方が変わってきましたね。とにかく25年前の、キリッとした飲み方ができなくなってしまいましたよ。それなのに、25年前とほぼ同じようにアルコールを摂取している。「酒量はさほど変わってない」というのがそもそも間違いなんですよね。アルコールと仲良く肩を組んでいたのに、アルコールにケタグリをかけられてしまう、なんてことが実に多くなってしまいました。

(略)

 酒飲みは意地汚い(あんただけだよってか?)。その意地汚さで2年後、同じ場所にヒビが入る羽目になった。

 あたしは、宗達さんも必ずそういう目に合っていると踏んでいる。常に顔を赤らめる程度の宗達さんだが、必ずあたしと似たようなことをやっているに違いない。作者のラズウェル細木さんは、経験から知っているはずである。そうした宗達の真の姿も見てみたい。ラズウェルさんあなたの経験を描けばいいんです。

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とにかくこの巻は、まんなかくらいのページ、最初ぱらぱらめくったときイキナリ目についた、作者がデッキチェアーにせもたれた姿の老いっぷりがものすごくて、動画サイトでも確かにこんな感じなんだけど(ロクに見てませんが)七十も半ば越えるとそうだよなあ、と思いつつ、昨年末執筆の前書きを見ると、まだ65歳だそうで、このフケかたは、確実に、長年にわたる飲酒と、昼夜わかたずで徹夜ばかしの漫画家稼業の影響だと思いました。それと、育児子育ての勲章。頁84です。すごいですこのブチ抜き写真。動画等にも出てる人だから、もういまさら何を隠すこともないわけですが、でもすごい。

カラー口絵はいろんなお店の内装。秋は、取材NGなのか、内装ありません。また、この巻はJD出ません。記念すべき50巻に、遂に表紙だけの登場になった。どうストーリーを作ろうがパパ活ギャラ飲み感がにじみ出てしまうので、一度クーリングしてるのかも。

ぜんぜん関係ないですが、テレ東の蟲毒グルメ一挙放送にあわせて、どこかのライターの人が、こどグ登場店舗のジャンル別集計分析を試みて、五郎がフレンチには一度も行ってないことを明らかにしています。反対に圧倒的多数なのは中華だとか。酒ほそも、誰かが集計してるとは思うのですが(家飲みの比率や、男性店主女性店主の割合、ジャンル、たけのまたともうひとり(名前忘れた)、オジサンオバサンや女子大生など、各キャラの登場回数など)何か興味深い分析があれば面白いと思います。そんなの何もなかったりして。

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頁19「みつくろい」雲南を旅行した時は、郷鎮の料理屋の厨房に入って、キノコやらなにやら、その時のありものの食材を見て、おすすめ調理法を聞いて、それで作ってもらったりしましたが、そういうのも「みつくろい」ではないかなと。こないだベトナム料理店でメニューにないハヤトウリの炒めものを勧められて、頼んだのも似てます。

頁36〈清蒸〉私の発音だとピンイン”qingzheng"に引っ張られるので、チンジェンに近い言い方になります。それを耳で聞くとチンジョンに聞こえるように、あくまでジョンでなく自分だけが分かる範囲でジェンと発音する感じ。アブソリュートリーにジョンと言ってしまうと、中国人がヘンな顔をします。でも香港だとどうなるんだろう。

清蒸 の発音: 清蒸 の 中国語, 広東語・粤語 の発音

美味しんぼの初期で、青魚を竹で蒸して香りづけをした料理がこれだったような。いや、あれは包み焼きだったかな?

頁45、紅しょうが天。JRの立ち食いそば屋にはときどき季節メニューで紅しょうが天がある気瓦斯。

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前にも英題併記しようとして頭コンクリになりましたが、再度見直して、ドナルド・キーン訳のでいいんじゃいかということで、そうしました。

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ダリッコや清野とおるは、ともに歩む同年齢の読者層も同調するかたちで、ある程度の年になったら、スッパリ酒をやめそうな気がします。

頁90「噛み切れない」私はだいたいなんでも噛み切れます。

頁103、飲酒前に牛乳を飲む。これは、中央線沿線だと、カネはないが店内にいたいオッサンが、よくマスターに使う手です。マスターも、メニューにないし、牛乳一杯で知り合いからカネとれないから黙認で、その客は、最初に膜をつくるための牛乳をちびちびやってねばりつつ、おごってくれそうな知人を待ち、誰も来ないと、急用を思い出したとか急なLINEが入ったとか言って行ってしまいます。中央線あるある(もしくは下北あるある)こういう人は、店に牛乳があるの知ってて来るからタチ悪い。ウーロン茶ならカネとれるけど、売り物でない牛乳に目をつけるんだから。

で、この二日酔い予防の話と、あいだにカラアゲをはさんだ天ぷらのタネの話で、宗達のウンチク狂いが周囲からなまあたたかく見られている実態がつぶさに分かります。周りは大人なので日頃は流してますが、虫の居所が悪かったりすると、ツブす。

頁156、オジサンオバサンの家にも押し込み強盗が来たりするんでしょうか。セコムしっかりねと。

頁180、燗のつけかたについて、ちろりがどうとか、レンチンはだめとか。で、燗マシーン、ダメなのか。一升瓶をまるごと逆さに立てる感覚、私は好きです。風味が飛ぶとか言うなら早く一升飲み切れよと言ってきてる感じも好き。

インド人の店でおしぼりが出ると、いろんな大人の事情を想像します。入口のマットもみてしまう。以上