私が最近見た中でいちばんうまい馬の絵。下のピンクの眼鏡っ子はギャル曽根ではなく、江沢民をもじった祖父と孫の、孫です。胡錦涛とばして、イキナリ反日の始祖まで遡行した。
デザイン・装幀:柳谷志有(nist)連載担当及び単行本編集:平井まみ 単行本責任編集 石原隆 初出はビッグコミックオリジナル増刊号2019年9月から202011月まで。その後何故か単行本化まで一年間が空いてます。奥付のレイアウトが多少適当で、初出と印刷所が「のど」すぎるというか、本の背の部分に綴じ込まれてかけていて、読みづらいのは、前巻と変わらず。
カバーを取るとこんな表紙。反日居士・大同さんが死んでしまったので、主人公と祖母がその座を引き継いでますが、頁179でともども溺死したかのように見え、いやここは比喩の場面で、現実ではないだろうと心をなぐさめています。
カバーを取った裏表紙の下の部分。「ビュウゥゥ」 かつて函館刑務所で、食事の内容がいいと「ビューだよ、ビュー」と作者が言ってたこと(『刑務所の中』より)とは関係がなさそうです。
右は裏表紙の上の方。「罰が当ったんだ」と言ってます。頁138が元絵。
江沢民が出たのはいいですが、習近平を模した尼僧キャラが、似なくなっていて、読んでてぜんぜん習近平に似てないです。代わりに、頁23〈精日〉として王毅に似た絵、頁106に耿爽に似た僧侶、頁112に耿爽とも趙リッケンバッカーサンともつかぬ、髭の剃り跡の濃い僧侶の絵が出ます。2020年までの連載なので、リッケンバッカーさん世に出てはいるのですが、まだこの頃作者もリッケンバッカーさんのホンイキを認識してなかったのでしょう。本格デビューは2021年の処理水「飲んでから言えよ」発言。華々しくデビューした後は、漫画でバンバン使っててほしいと切に願います。麻生サンが「飲めますよ」と言ったが飲んでない点には触れなくてもいいです。ここはごまめが代理でこくこく飲んで、「次の質問どうぞ」と言うべきだった。
頁96に、志茂田景樹に似た、ジョージ・ソロスみたいな名前の人が出ます。頁60の地室治安という人は分かりませんでしたので、検索したら、ジム・ロジャースという人*1でした。頁185の陰才打(いんさいだ)タローは、ちょっと孤独死した知人に似てます。
<目次>
第17話 精日加油 (だい17わ ジンリジアヨウ)
第18話 靴音恐怖症(だい18わ くつおときょうふしょう)
第19話 天網工程虫(だい19わ てんもうこうていちゅう)
第20話 満州納豆 (だい20わ まんしゅうなっとう)
第21話 黄海鼠 (だい21わ こうかいねずみ)
第22話 因縁天安門(だい22わ いんねんてんあんもん)
第23話 天誅北京雲(だい23わ てんちゅうぺきんぐも)
第24話 三尊天井玉砕突撃(だい24わ さんぞんてんじょうぎょくさいとつげき)
この巻になってくると、私にはさらに分からなくなってくるので、いくつか単語を調べました。
(1) 頁23〈精日〉
この巻の初回は、小学館的にも上海に合弁会社があるので、SAPIO的主張も分かるけど、ここは勘弁してやみたいな忖度やりとりがあったのではないかと。〈精日〉なんて言葉知りませんでした。文革中の幹部子弟が「連合艦隊」とか好きだったのは有名な話ですが、それとは違う現代の話だそうで。百度も検索してみましたが、はたして、別名〈日杂〉(日本との雑種)で、まあ好意的な扱いではなさそうです。
ここで作者の趣味のサバゲーネタで、本栖湖で毎夏催されるというベトコンと米軍の戦闘を模した一大イベント「アホカリプス」が紹介されてますが、ニコニコ大百科(仮)にも項目がないので、もし実際にこんなイベントがあったとしたら、そっとしておいてほしーのに、こんなところでさらすなよ残念閔子騫と言われそうな気瓦斯。日本で絶対上映されない南京アトロシティー映画の原作を書いた、在米元台湾寄り作家ゲリン・ヤンの次の映画化作品で、中越紛争を描いた「芳華 -youth-」のパロディがあってもいい気がします。この映画はよかった。整形俳優をいっさい使わないポリシーで選んだキャスト。語り手の名前が穂子と書いてスイズ。
そのサバゲーにチヂミを作る若者たちがいたというのは、猛虎師団とか青竜師団とか白馬師団とかのポジションもあるということなんでしょうか。ライダイハン。その人たちと米軍人民解放軍のコスプレで、長津湖ごっこをやってもいいのかもしれません。ダムを魚雷で破壊して水攻め。
(2) 「ディープステート」
ディープステート(闇の政府)|ワードBOX|【西日本新聞me】
奥深くにある(DEEP)国家(STATE)を示し、国家内のもう一つの国家とも解される。元々は「情報機関や軍などの勢力が政治指導者を陰で操ったり、影響を与えたりする」という意味で、クーデターが頻発したトルコやパキスタンなどで使われた。トランプ米大統領周辺は、オバマ前政権の残存勢力を示唆する言葉として使用。Qアノンは、ケネディ元米大統領の暗殺やレーガン元大統領の銃撃を引き起こした黒幕とみている。
作者はQアノンをディープスロート、否、ディープステートの対立用語として使っていて、これが作者の素の史観なんだと思います。下記頁62。
私はディープスロートという言葉を知らず、イルミナティとQアノンを同義で使ってますが、そういうのは作者的にも、Qアノン的にも違うんだろうな。Qアノンが何かからの解放とかまったく思わなんだ。現世における抑圧の顕現、実体化としか思ってませんでした(棒
作者はイルミナティを「イルミ」と略して使っていて、ハングルの「名前」という単語かと思ったです。頁189。あと、3Dプリンターも「3D」と略して使っています。頁40。そこは編集がフォローしないといけないようにも思いますが、まみやんという人は、たぶん、もう、投げてるんだろうな。どもならんちうか。Z世代ではないと思います。
下のレースクイーンの人は日中ダブルだそうで。余談。
(3) 「ポジショントーク」
ポジショントーク|金融/証券用語集|株のことならネット証券会社【カブドットコム】
ポジショントークは、マーケット全般で使われる用語で、市場参加者などが自らのポジションに対して利益が出て欲しい、といった願望を含んだ会話や発言などのことをいいます。これは、特定のポジションを持っている人が、客観的な見方ではなく、主観的な見方で、(以下略)
本書を読んだ限りでは、商人右翼の人がカンパ目的で有言不実行な状態を指すのかと思いました。ちがった。
(4) 「三尊天井」
欧米ではヘッドアンドショルダーと言うそうで、株の用語とは思いませんでした。宗教か左翼の言葉だとばっかし。
https://www.daiwa.jp/seminar/technical/03/
3回の高値(天井)を付けて、その3回とも売り方に押し戻されるチャートが形成された時、真ん中(高値(2))を「頭」、左右(高値(1)、高値(3))を「肩」と見立て「ヘッド・アンド・ショルダー」と呼びます。日本では釈迦三尊像に見立て「三尊天井」とも呼ばれています。
(5) "MONA COIN"
さすがに「軍靴」と書いて「ぐんくつ」とは読ませてませんが、2ちゃんねるのモナーが書かれた貨幣を描いていて、私はそれを知りませんでした。
なぜか『刑務所の前』をラインナップから外してますが、天水等同様、電子版はふつうに読めるはずです。
で、何を忖度したのか分かりませんが、習近平が習近平に似てないので、私の中では③巻は七割評価減です。次の巻では、現実世界でキャラの立ってる趙リッケンバッカーサン(おうぶんひんさんもいますが)を出して、③巻で自粛した分、コロナカの憤怒のすべてを紙面にブチまけて、おおいに反日を殲滅してけさい。まじめに新疆綿使用企業を批判したり、ヘンダーグループに言及することは期待してません。以上