『あさになったのでまどをあけますよ』"It's morning so I'll open the window." Story and pictures by Arai Ryoji 読了

相鉄瓦版2022年2月号のコンサートリーディングの記事に出て来た絵本。

プリンティングディレクター・中江一夫

荒井良二|Arai Ryoji

www.kaiseisha.co.jp

私は外国人に絵本を贈るのが好きで、というか、相手がどう思うか分かりませんし、押し付けかもしれないのですが、贈るというと絵本です。あと、花くらい。もうそういうこともずいぶんしてませんが、この本は贈りたいなあと思いました。文章が天丼なので、日本語をあるていど勉強してる人でないと、直感的に理解しにくいので、そういう人と別れがあって、贈る場合に贈りたい(その前に出会いがある必要があります)

①トップが新緑の山村で、次が大都市で、白亜から紅に染まるという、矢継ぎ早の色展開がきれいです。その次が川面、熱帯、サヘル、そして海と空の青。でも、これも文章の天丼がないと、効果半減な気瓦斯。朝日を浴びた深紅の街並みが、新宿の青梅通りと明治通りの交差点の、伊勢丹のとこに見えてしかたないのですが、交番がないので、多分違うでしょう。

②窓を開ける女の子だか男の子だかが、ふたりになったり、部屋の中だったり、どこにいるか分からなくなったり、自在に移り変わるのも、小ネタ的に楽しいです。

③「だからわたしはここがすき」「やっぱりぼくはここがすき」という、肯定文が重なるのが、ここちよいです。

④二回、「きみのまちははれているかな?」と聞いてくるのですが、真ん中あたりのページにある、最初の問いかけの背景の大きな山が、浅間山に見え、おまいは「カルメン故郷に帰る」かと思いました。あるいは軽井沢の高原おハイソ。

「カルメン故郷に帰る」English title"Carmen Comes Home"劇場鑑賞 - Stantsiya_Iriya

⑤朝になっても窓を開けないというか、夜カーテンや雨戸をしめずそのままという人もいようかと思います。私はだいたい旅行先では窓のブラインドをおろさず、夜、トイレのたんびに外を見て、通りを歩く人や車に旅情を感じます。早朝勤務でしかたなく、かじかむ手をさすりながら歩いてる自分に旅情を感じられても困惑するだけでんがなと、歩いてる人は思ってることでしょう。

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裏表紙のわんわん。青と黄色はウクライナ国旗やんけ、というわざとな切り取り。

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表紙に写り込んでる蜂。なぜハチを描きこもうと思ったんでしょうか。

以上