『知里幸恵とアイヌ』"Yukie Chiri & Ainu" 豊かなアイヌ文化を初めて文字で表現した天才少女(小学館版学習まんが人物館)

◎まんが ひきの真二 ◎ストーリー 三条和都 ◎原案 劇団ムカシ玩具 舞香「神々の謡」◎監修 知里幸恵銀のしずく記念館 ◎解説 池澤夏樹 ◎特別監修 浅野清 ◎写真/アイヌ文化振興・研究推進機構 知里幸恵 銀のしずく記念館 函館市中央図書館 文化庁国立アイヌ博物館設立準備室 北海道博物館 盛岡市先人記念館 フォトライブラリー JTBフォト ◎装丁AD/義江邦夫(タイプ・フェイス) ◎装丁・本文デザイン/久藤敦司 三浦也実(GXcomplex)◎イラスト/駒村美穂子 やまざきまこと ◎編集/武藤心平(小学館)渡辺剛司 佐藤浩貴 平林杏子(銀杏社)

おとといのグーグルロゴがこの女性だったので、なんか読もうと数冊借りたのですが、やはりマンガがてっとりばやかった。

https://www.google.com/logos/doodles/2023/yukie-chiris-120th-birthday-6753651837110050-2x.png

Yukie Chiri's 120th Birthday

ja.wikipedia.org

まず値段に驚きました。2017年刊行なのに本体950円。安い。

折り返し。カバー折で隠れてしまう部分に多々ためになる部分があるので、カバーのほうを切りとってラミネートされています。図書館イカス。岩波文庫アイヌ神謡集』や北方領土各島の語源を出さないわけにはいかない。

そのかわり、たぶんカバー折に書かれていたのではないかと思われる、小学館版学習まんが人物館の全貌が分かりません。巻末に広告もないし。

https://www.shogakukan.co.jp/books/series/B30016

68冊も出ているそうで、しかし私が名前を知っている漫画家は、この人と、高梨みどりさんだけでした。

ひきの真二 - Wikipedia

プロローグのユーカで分かる単語は「ニシパ」だけでした。しかも、谷垣ニシパのニシパなので、「アニキ」「ヒョン」「大哥」の意味だとばかり思ってました。「旦那さん」くらいの意味なんですかね。「ヒンナ」が「おいしい」の意味だと誤解される過程をなぞってるとも思いませんが、でも覚え違いをしていたことは事実。

女性の口の入れ墨は、ゴールデンカムイだとどうだったかなと思いながら読みました。

本書刊行時点、まだウポポイはオープンしてなかったと。

私は金田一京助サンはけっこう毀誉褒貶の激しい方だと思っていたので、本書は金田一センセイの名誉回復の面もあると思いました。こっそり血液検査やってたと聞いたような気がしたのですが、検索しても何も出ません。別の人か。

頁27、明治政府がアイヌと和人で、通う小学校を分けてたとは知りませんでした。これを知れたのが本書いちばんの収穫。

解説の池澤夏樹は、沖縄にあいじ…恋人がいたから沖縄にご執心だった、と聞いたことがあるのですが、北海道も好きなんですね。解説を読むと、「早逝」した幸恵はんが、天命にも似た使命感を持って、『アイヌ神謡集』を書いたことを肯定的に評価しています。

ネットで、日本人が中国に少数民族問題を言うと、アイヌと沖縄を題材にした反論があることがあります。そういった意味でも読めてよかったです。以上