『黒と誠 ~本の雑誌を創った男たち~』"Kuro and Makoto ~The men who created Hon no Zasshi~" 1⃣ by Shinsaku Kamimura カミムラ晋作 読了

シーナじいじさんの本に出て来たので読みました。私はあんましシーナさんの本を読んでません。『中国の鳥人』くらいかなあ。「COLORFUL」というサイトに2022年の4/11, 4/25, 5/10, 5/25, 6/10, 6/27, 7/11, 7/25, 8/10配信したのが初出。【装幀】PAGUO DESIGN

この漫画家さんは存じ上げませんで、ちょっと人物のデッサンが狂ってる気がするのですが、私ごときが何を申せましょう。池田隼人や田中角栄のマンガを描いた大和田秀樹という方に、なんとなく絵が似てると思いました。あくまでなんとなくです。

The Men Who Created Gundam

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大和田秀樹サンには『ガンダムを創った男たち』という著書があって、それの英訳版が"The men who~"だったので、メンという複数形の定冠詞がザでもいいんだと勝手に解釈して本書の英訳には"The men"というグーグル英訳をそのまま使っています。私の英語力はそんなものです。本の雑誌のアルファベット表記は、雑誌の表紙にあったそのまんま。

本の雑誌」創刊秘話が 漫画になったぞ!!! 椎名誠 やっぱり目黒は異常だよなあ 何も覚えてないなあ 目黒考二 読書を仕事に、趣味を雑誌にしてしまった熱き男たちの物語。

帯。ブッコフに五百円は安い中古在庫があるのは分かっていたのですが、まんがいち帯がついてなかったら寂しいので(特に二巻)新刊を買いました。昨年出たマンガですし、新刊ならまず帯なしはなかろうので。

まるで「本の雑誌」創成期にタイムスリップしたような臨場感にやられる。 読書好きにとって、これほど胸が熱くなるマンガはない。 でも、これ、実話をもとにしてるっていまだに信じられない... —高野秀行(ノンフィクション作家) いやはや、すごいぞ、ぶっとぶぞ。 椎名誠目黒考二 (北上次郎)の出会いが、 まさかこんな青春熱血マンガになるなんて。 活字中毒者版 『アオイホノオ』、 堂々開幕。 しかしこれ、二人ともカッコよすぎでは... 大森 望(翻訳家/書評家) 椎名誠本の雑誌血風録』、 目黒考二本の雑誌風雲録』を原作に、 『どくヤン!』の作画担当が関連書籍を読み込み、関係者取材を重ねて完全漫画化!!

帯裏 こういう人たちが文章を寄せてくれてますと。ダ・ヴィンチだったら、確実に芸能人だと思うんですが、本の雑誌だと、こういう芸風ということで。私は両方読んでませんが、本の雑誌ダ・ヴィンチは対立項の二大政党化しておらず、両方読む人と、ダ・ヴィンチだけ読む人が多いのではないかと。本の雑誌だけ読む人は、極少数な気瓦斯。こういう話は二巻の感想になるのですが、先走りました。早く二巻の感想が書きたいです。

www.asahi.com上記記事に、昨今のアメリカ映画は原作「実話!」が多く、現存する関係者に忖度して深く突っ込めてない作品も多いとあり、この漫画も、一巻は関係者もクソもろくろく出ないのでいいのですが、二巻となるとあれこれ具体名詞が出て来なかったりもやっとした表現だったりが目につくようになります。その辺難しい。

左はカバーをとった裏表紙。

頁166、創刊号は原価計算をまったくせずに価格設定したので、一冊売るごとに二百七十円赤字となり、完売すると十三万五千円の赤字になる(なった?)そうです。1976年なので、今でいうとどれくらいだろう。サラリーマンが兼業で出せる金ではあるんでしょうけれど。

渡辺一枝さんも登場してますが、まったくチベットを馬で行くような人に見えません。どこでそういう面が出るのか。

おまけまんがで、現役社員座談会6ページがついてます。ここに、漫画家と双葉社編集以外に、「ライター」菊池サンという方が登場します。マンガ制作にあたってのこの人の役割が分かりませんでした。②巻の場面ですが、シーナサンと目黒サンは独立後食えない時期に、双葉社編集さんから覆面まんが原作の仕事をもらって、それでしのいでいたそうです。菊池さんの役割もそういうものなのでしょうか。そして、二人が書いたまんが原作とはなんなのか。実は『童夢』の原作は目黒サンが書いていた、などのとっぴょうしもないネタがあると面白いのですが、このまんがでそこは、伏せられています。現実を原作にしたがゆえのリミッターの難しさ。

表紙にポケミス版の『地球の長い午後』

以上

【後報】

漫画原作は本多健治サンの発案でなく、目黒さんの提案で、しかもシーナサンは別に会社辞めてないかったです。いきなりもう私の模造記憶が発動した。

(2023/9/19)