『中国嫁日記(四)』読了

中国嫁日記(四)

中国嫁日記(四)

ネイティヴアメリカン嫁日記じゃないのは、今さら私が言うことでもないですが…
ホッテントットでもミャンマーのアラカン族でもバリヒンドゥーでもない、
世界最大の人口とUSAに次ぐGDPを誇る民族を嫁に持つ人の日記です。
たまたま家の床に転がっていた。ので読みました。
虚構新聞の中国鬼嫁日記*1を読んだ時は身につまされましたが、
この本も巻末のゲツさんの自筆と思われる中文がいちばんおもしろかった。
なんでたわいもないことでも、漢字ばかりだと格調があるような、
おごそかなオフィシャルっぽいふんいきになってしまうんだろうなと、
NHK中国語会話とかでアグネスチャンの文章を中日両文で読んだ時も思いましたが、
日本の調味料を中国に持ち込んでそれで中華料理を作るとか、
華北では大気汚染でまず絶対にやりたくないウォーキングダイエットとか、
広州の、天なんとかにあるジャスコなつかしいとか(鳗鱼饭を南方に広めた功労者のひとり)、
そういう内容より、日本の十倍の人口から夫妻に雪崩のように殺到した国際結婚者やら
滞日食い詰め人やら留学大失敗やらなんやらかんやらの“联系”の大海に溺れるのか
泳ぎ切れるのかみたいな行間からかもされるムードが面白かったです。
鴻毛の如きともだち申請。人肉捜索。日本の十倍の小人人口。別によういつが君子とは思いませんが、養老がゴンズとも思わない。
在日華人向け新聞の、膨大なまっさじ嬢募集広告、
結婚ビザ持ち大歓迎なんて見ると、中国で暮らした方が気が休まるかもしれない、
と思います。

真剣に体外受精考えてもいいと思いました。
私の親戚でも、夫の側の理由でなかなか妊娠しない夫婦がいて、
あせらずとか言ってたら奥さんガンで死んじゃった。
その時に、老人が、「子供産まなかったのに嫁ぎ先の婚家の墓に入れてもらえてよかった」
と、若い世代からすると非常に理不尽な感想を述べていて、ショックでした。
中国はお墓に対する传统观念がまた違いますが、いつかなんて言わないで、
いつやるの、いナントカでやってほしいと思います。
【後報】
私は中国関係書籍専門店の新刊紹介メルマガをとっていて、大概の本は概略があるのですが、
この本はタイトルだけでしたね。説明不要なのか、
唐物趣味、シノワズリ素読で育ったような支那学の人たちとこの本は少し違うからなのか。
加藤徹も嫁さん中国人と聞きましたし、対談とかしてたらいいですね。

漢文力 (中公文庫)

漢文力 (中公文庫)

ユンチアンの新刊の西太后は、その着眼点が加藤徹エピゴーネン
のような気がしないでもない今日この頃。
西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)

西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)

あと、中国の嫁さんの人と云うと、マンガ関係では倉科遼しかしらない。
こちらも、ツァンkeジンサン対談とかあれば読んでみたいです。(2015/2/27)