- 作者: 坪内祐三
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本
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もともとWeb連載とのことで、ただ、もう紙版が出たから、
マットグロッソのように、電脳空間の記事は魚拓も穫れぬままバニッシュ消滅か、
と思いきや、まだ廣済堂よみものWebにそっくりそのまま残ってました。
当該ページ
http://yomimonoweb.jp/tsubouchiyuzo/
ふとっぱらな出版社だと思います。廣済堂。
もっとも、文春のノーサイドという雑誌(もうない)の平成6年8月号や、
月刊Asahi平成5年9月号、朝日ワンテーママガジン平成6年2月、
など、作者が関与した雑誌記事が下敷きなので、出版社としても、
あまり深く考えてないのかもしれません。
どっちにしても出版不況がよくなるわけでもないし。
この人のホンイキの本はまだ読んでない気がするので、
(エッセーばかり)
この本はそうかと思いましたが、資料渉猟のエピソード、
私事(交友関係など)の挿入、引用などがともすれば冗長で、
ホンイキではないのではないかと思いました。
例えば、実子でなく、養子の親子も登場するのですが、
頁193
たとえ血はつながっていなくとも、伊庭孝は、やはり、伊庭想太郎の息子である。
の一文でキレイに〆たと、本気で作者が思ってるとは、到底思えないので。
また、
頁85
春山は言う。「太田黒元雄さんと、その父の重五郎氏については色いろの伝説があるので、だれか特別に興味をもった人に研究してもらいたい」、と。私もまったく同感だ。
上記のような一文でしめられると、おや、この人は、
お前がやれ
というツッコミを待ってるだけなのかな、やらしいな、
あんましがっついたらあかん、と思われる可能性があると思います。
そういう具合なので、当然作者とその父、大阪おもいなどのエッセーでは、
もっと軽妙な愛称でしるされていたはずの作者の父もわりとまじめに描かれ、
本の虫の作者の実家が平成13年11月競売にかけられかなり散逸したことも、
二箇所でさらりと語られます。が、それも、読者の欲求に、
小出しで応えてる感は否めず、そもそも泉鏡花『婦系図』は、
若いインテリの、階級的に妥当ないいなづけと、
若いんだから適当に情を通じて作っちゃった糟糠かつ内縁のナオンの話で、
母親と息子の血脈の話では全然ないのに、
『父系図』と書いておとこけいずと読ませて対のように見せるのは、
いかにもあざとい気もします。
筒井康隆にエディプスコンプレックスについて指摘してほしかったのかもしれない。
もう歳だからしないと思うけど。
- 作者: 内田魯庵,紅野敏郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/02/16
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だからたぶん、最後まで読んでないと思います。岐阜だったかな。
- 作者: 泉鏡花
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/06/29
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どういうことなんでしょう。OBであっても有料登録とかにしたんですかね。
検索すれば簡単に分かるとは思いますが、する気もない。
ソファにどっかと座って、ガゼッタ・デル・スポルトを開いて、
読めないイタリア語の旅人の記事を読んだのが最後でしたか。
あと、ケイロウが出てきたのがよかった。作者が住んでたのはキョウドウ。
ケイロウはツルカワ。白洲次郎正子と同じ土地で交流不詳。
頁19 淡島椿岳辞世の句
「今まではさまざまに事してみたが 死んでみるのは之が初めて」
*1
以上