『酔生夢死か、起死回生か。』読了

酔生夢死か、起死回生か。

酔生夢死か、起死回生か。

酔生夢死か、起死回生か。 (新潮文庫)

酔生夢死か、起死回生か。 (新潮文庫)

なんとなくアマゾンの関連商品で出てきて、借りた本。
ハードカバーを借りました。

北杜夫がカネがないので、面倒見のいい先輩、
アガワをたびたび対談にさそって、それが一冊の本になった、感じです。
文を書く気力がなくても、こうやってなんとか、
食べていくためのつなぎの仕事を工夫出来る。
だからおんなじ話がなんべんも出てきますが、別にどうでもいい。

頁69
阿川 僕の知り合いの中華料理屋のマネージャーが、京都の古い料亭の女将に言われたんだって。「あんた、よう憶えときなはれや。屏風と食べ物屋は広げたら倒れるで」って。

京都にしては言い方がきつい気もしますが、まあいいか。
仲居さんならあちこちから来たはるから、分かりますけどもや、おかみ。

頁151に出てくる、この本は読んでみたいと思いました。

頁136、ポツダム大尉、検索して知りました。
阿川陸海軍大尉は末期、漢口にいたとか。

タイトルがタイトルなので、なだ いなだからのインスパイアかな、
と思い、ジッサイ対談の中で出てきますが、そこ直接ではないようです。

頁162
北 宮脇さんは何年前からか知らないけど、紹興酒になっちゃってね。つまり、紹興酒を飲まないと原稿は書けない、と。
阿川 紹興酒って、中華料理のおいしいものを用意してもらってるの?
北 いや、本当に、僕が今気付にビールを飲むみたいに、紹興酒を飲むの。
阿川 どんなおいしい紹興酒を見つけたのか、知りたいなあ。あれもピンからキリまであるから。
北 実は散歩のときに会ったら、宮脇さんはスーパーで紹興酒をこっそり買い、僕はその角でビールを盗み飲み、というときがあった。
阿川 何よ、スーパーの紹興酒だって?それを、うちで叱られないように、二人とも酒屋の前で立ち飲みするの?
北 時々家にビールを持って帰っても、空き缶が見つかるとまずいので、宮脇家の庭にポーンと投げていたこともある。
阿川 それはひどいや。

それはひどいや。
マンボウは医者なので知識もあったでしょうし、
まさかクスリと併用してはいないと思いますが、よく飲むなあ、と。
対談でも、阿川はキッパリ飲まなくても、北はちびちび。
なだ いなだはどう見てたんだろうな。
内容の多くは、先に逝った人たちの思い出、孫。そうやって暮れてゆく、一日。