『酒のほそ道 30―酒と肴の歳時記』 (ニチブンコミックス)読了

あと二冊で読了。この巻も秀作揃いと思います。
なぜそう思うかというと、キャラが自己主張を始めたりするから。
かすみのギラッとするこだわりが時折予定調和を破壊する動乱の予感。
頁140、ページをめくると顔アップの大ゴマでナニかを主張するなど、
これまでなかった、正しいマンガの文法を駆使してる気がします。
まえがきで、ひさびさに人間ドック受けたらすべての数値が人生最悪、
とあり、そのせいか、作中の宗達のスーツ姿が、今までになく、
おにんぎょうさんの体型みたいに書かれてると思いました。
(特にかすみが絡んだ回、自宅ワインの天丼など)
女子大生も二話。「すかんタコ」「いやいやぼくはいいダコ」(Ⓒ町田康
を連想しました。まえがきもそうですが、禁酒の話もあり、
ただ、ここで「どんな数値が出ても酒やめない」的な数値は、
あくまで常識の範囲の数値で、ガンマナントカがヨンケタみたいな、
よく生きてると医者が感心する、数値ではないと思います。
頁96、三冷という単語は知りませんでした。勉強になりました。
頁48、マグロのなめろうが出てきて、ネギトロとどう違うのかと思いましたが、
ネギトロは骨にこびりついたのをスプーンでこそげるから、
サクをたたいてなめろうにするのとは違うのだろう、と思いました。
あとがきは酒場詩人。二度と行かない店について気分よく放談しており、
本当にそういう店はヤダな、という店と、いい雰囲気だったが二度と行ってない、
の両方を紹介しており、そういえば、横浜なんだか川崎なんだか分からんとこで、
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20141127/1417082664
という看板を見たのもよい思い出です。以上