『ちゃっかり温泉』読了

ちゃっかり温泉

ちゃっかり温泉

ちゃっかり温泉

ちゃっかり温泉

前作『昼のセント酒』の読書感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20151023/1445605117

カンゼンという出版社を知りませんのですが、小さな出版社なら、
この活字の大きさと組み(35文字×16行)でこのページ数(215ページ)でこのお値段も、
納得できると言えば出来ます。ナカニシヤ出版とかで出してもこのくらいかな、と。
でも、初出媒体とその日時、加筆修正の有無の記載を怠るのは、そりゃよろしくないと。
たぶん前作同様ウェブ連載の紙版だと思うのですが、そこは明記してほしいです。
作者は、文筆業にとってそういう記録作業がじゅうようということを弁えてると思ってたので、
いささか残念びんしけんです。前作と違って、酒を前面に押し出さず、
仕事中に抜け出してひと風呂浴びてくる、しかもその風呂は水道沸かし湯でなく、
いちおう温泉である、というしばりのルポ連作ですが、読者からのタイムリーな指摘が、
そこここに影響して、風呂の後のビールをいちいち言い訳したり、酒抜きで終わらせたり、
と、毎回結末や趣向は変わっているので、それがウェブ連載の妙であることが、
読者に伝えられるとなおよいと思います。初出は義務というか、責任として書いてほし。

綱島、高井戸、笹塚、かっぱ天国、浅草、蒲田、深大寺花小金井、戸越銀座、麻布。
出てくる温泉の一覧です。銭湯的な場所あり、健康ランド的な場所あり、
スーパー銭湯的な場所あり。綱島の東京園行ってみようと思い検索すると、
休業の記事と、そんなこと書いてない公式?が出ました。なんというか。

カナロコ
http://www.kanaloco.jp/article/96544
はまれぽ
http://hamarepo.com/story.php?story_id=4145
公式?
http://www.tsunashima.com/shops/tokyoen/

温泉に入るしばりの影響か、単なる作者の嗜好か分かりませんが、
サウナいっさい出てきません。併設されてるのかされてないのか、
料金に含むのか含まないのか、描写が一切ないので分からないまま。不思議でした。
あと、墨についても触れてませんが、これはウェブ連載だからかな。
甲乙反駁の反響考えるとめんどくさいのでスルーした気瓦斯。
こないだ、繁華街の銭湯で、ワンポイントの人見ましたが、
ホントに江戸時代からの習慣でもあることだし、職人さんとか、入れないと厳しい、
と思います。

頁130の、作者幼少期の親族宴会の思い出は、少し怖かったです。
何が嫌なのか作者も分からないまま、嫌だと書いているのが怖い。次は、下記読みます。

ふらっと朝湯酒

ふらっと朝湯酒

以上、どっとはらい