stantsiya-iriya.hatenablog.com
カバー写真…………岩合光昭(前巻は潮田登久子)猫といえばイワゴウ。
タイトルレタリング…………岡澤慶秀(ヨコカク)(前巻と同じ)
ブックデザイン…………日下潤一+浅妻健司+赤波江春奈(前巻と同じ)
あとがきあり。三部構成で、第一部はたばこプカプカプカの歌詞、第二部は梅棹忠夫、第三部は漱石のことばがトップページに置かれています。初出は週ポス2012年夏から翌年夏まで。
頁026、作者は幼少時、自分はもらわれっこで、本当の母は下関に住んでいるという架空の設定にすがって生きてきたそうです。青木正兒先生が、自身の生まれである下関を、三方を海に囲まれた中国の最西端と書いていたのを思い出します。
頁052、韓国は李王家を存続させて議院内閣制を敷くべきだった、大統領制ではなく、という一理ある論。イグンさんは子孫を残さへんかったあたりの細かいホントの事情は、おそらくこれからも出てくることはないもやもやの先、霧の彼方だと思います。韓国からしたら、それを日本が言うな、的な話かもしれません。でも、仮にも一国の王族ですから、イグンさんがチョンガーだかなんかでお亡くなりにならはっても、傍系子孫は、今でもようさんいたはると思います。そういう人でよければそうしはったらええですやん、と思います。
頁055、伊藤比呂美『読み解き「般若心教」』を二度熟読してそのたびに感動した、とあるので読んでみようと思います。検索したら朝日新聞出版でしたが、そこまで書く必要はなかったのだと。
頁186、北朝鮮のアナウンサーのあのべしゃりは、戦前日本の新劇が、翻訳劇をやるさい、外人の喋り方はこうなんじゃいかということで大仰に抑揚なんかをつけて喋ってたのを、半島から来た役者や裏方が学んで持ち帰り、ああいうふうにガラパゴス進化を遂げたとする説を書いてますが、作者にそれを伝えたのは平田オリザだとか。作者は人との付き合い方で、肩ひじ張らず、レッテルで付き合い方を変えていず、いいです。
頁074、チャイニーズ空母遼寧、簡体字で書くと辽宁の話で、第七世代の完全無人戦闘機・爆撃機が運用の主力となると、有人飛行機を飛ばす空母は無用の長物と化す、とあり、でもその後で、これはアメリカの話なので、日本にとってはずっと脅威であり続けるですよ、と書いてます。その後はsengoku38動画とか北京五輪開幕式口パクとか少数民族の衣裳着て踊ってたのが全部ジョンボー漢族とか埋めたシンガンシェン鉄道車体とかの話になります。富坂聰や宮崎正弘でなく関川夏央が書くことで、いや増すのは野次馬感。
頁080、日本の地図帳とかが、中華人民共和国の地名を、ピンインでもその英語風読みでもないヘンな読みであることを紹介して一回分原稿アガリ。成都をチョンツーとか、確かにそうです。その作者が高雄のピンインをGaoxiongでなくKaoxiongと書いているのは、なんかの間違い。
頁092、大量の蔵書が崩れて下敷きになって死んだと思ったらそうではなく心不全だったという草森紳一の話で、彼が独身でなく妻子がいてて、筆者は驚いたとあります。妻子がいつつ、本を置くためだけの別宅で死ぬとか、不思議だと。
頁201
バブル経済の発端は八五年九月、ニューヨークで円高高騰を申し合わせたプラザ合意だった。その結果、八五年八月に一ドル二百四十円だったものが、年末には百八十円になった。七一年までの固定レート時代を考えれば、円の価値は二倍である。過剰に流動的になった資金は土地と株に注ぎこまれ、どちらもぐんぐん上がった。六本木の青空駐車場が月十四万円だった記憶がある。
これは私もそう認識しています。バブルは'90年代前半みたいに言う人って、ヘンだと思う。
頁110、宗谷とかタロとジロとかペンギンの話。1955年第二回南極会議で日本は翌々年から予定されていた国際地球観測年事業への参加を強く希望し豪州と英国が反対したが、最終日に米ソが賛同してやっと多数決で可決したとあります。ここで、参加を主張して単身会議開催地ブリュッセルに乗りこんだのが、東大教授永田武ひとりというのがカッコイイと思いました。政治家でなく、行動する愛国学者ってのはドラマになるんじゃ。
頁146、ちい散歩とじゅん散歩のあいだに、加山雄三の「ゆうゆう散歩」があったとは知りませんでした。というか、ちい散歩も一度も見た覚えがないです。クランプのちょびっつという漫画と何か関連がありますと言われたら信じるレベル(レイヤー)
まだテレ朝公式に番組サイトが残ってるのが素晴らしいです。関川夏央に言わせると、散歩番組なのにすぐタクシーに乗りたがるとか、飲食店の主人が試食を勧めるとたいてい嫌がるとか、こうやって読むと型破りですげーと思いました。
じゅん散歩は、その時間休憩の時とか、あさイチで献血する時は必ず見ています。でもなーんにも覚えてない。だからいいのかな。
頁178、ひふみんの記事ですが、まだブレイク前だったのか、作者はひふみんと呼んでません。
頁216韓国整形の話。とっぽいの語源がハングルの「トッポイダ」(目立つ)だったとは知りませんでした。
Yahoo!知恵袋 2004/10/2518:47:31
「とっぽい」ってどういう意味ですか?褒め言…
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q131228248
同じコラムで、「孝経」に「身体髪膚、これを父母に享く。あえて毀傷せざるは考の始めなり」とあるのに整形に抵抗感がないというのは、韓国がもはや儒教国でなくなった証左ちゃうんとしています。安重根が伊藤博文暗殺の誓いを立てる際左手の小指を嚙み切ったのも同次元の話で、儒教的にダメじゃん、みたいな。
頁229、AKB48を、そのまま書かずメタファーで「アイドル予備軍斉唱隊」としてますが、そんなふうに書かなくてもよいのにと思いました。
以上