- 作者: 吉田健一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/01/11
- メディア: 文庫
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頁65や69の借金生活というか、前借生活のすすめは、
ご本人も親御さんのパワーを知悉しつつ素知らぬ顔で口をぬぐって、
書いてますので、まーこの人らしいなと思います。
親が宰相で貸さないわけないだろう、ただし、だからこっちも、
おかしなスジからは借りないし、ちゃんとキレイに清算する。
そこの責任はチャンと負ってますよん、みたいな。
頁36、戦中のラジオ放送、夜の十時半か十一時ごろに、一日の放送が終わる時、
「おやすみなさい」と言った後、ヘンデルかハイドンの一節、
一分もない演奏が流れ、その音楽がとても美しく感じられた。
河上徹太郎も同じことを書いてゐる。というくだりはよかったです。
この人はこの人なので、マルクスの評伝の書評はかなり執拗でした。
党内のヘゲモニー争いとか、いろいろ。お父さんが新教に改宗してたとは、
知らなんだというか、どこかで聞いても忘れてました。
グレアム・グリーンのリベリア旅行記は読んでみたいと思いました。
以上